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115.長月の末日 (蒼紫・夢主・斎藤・川路)
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本日、明治十一年九月三十日。
********************
「失礼します。」
警視総監室に入った斎藤は扉を閉め、川路の机より六歩手前で止まった。
「警視庁警部補、藤田五郎。以下の者、十月十日付を以て北海道開拓使への異動を命ずる。」
と、川路は一枚の書面を読んでそれを斎藤に伝えた。
「十日後だ、斎藤。急な話だが北海道での益々の健闘、活躍を祈る。」
と、川路は激励の言葉の後に小さくため息をつき、いつもの口調に戻った。
「遠いな、斎藤・・・。」
「北海道とは・・・正直俺も驚いた。だが行けと言うからには何かあるんだろう?」
「その通りだ。」
と、川路は分厚い封筒を斎藤に手渡した。
「中に事の概要が書かれている、後で読んでおいてくれ。最近内務省の方に開拓使(北方開拓のため明治二年から明治十五年の間におかれた官庁)より優秀な密偵が欲しいと何度も申し入れがあってな、志々雄の件、今回の武器組織壊滅の件の功績から斎藤・・・君に白羽の矢が立った。」
「それは内務省の決定なのか。」
「うむ、儂としてはこの東京にこそ優秀な密偵が必要だと粘ったんだが、開拓使は現在人材、人手と共に不足しており断りきれんかったんじゃ、すまんな、斎藤。」
「北海道だろうが東京だろうが、どこに居ようが俺は俺の仕事をただこなすだけのことだ。」
「よく言った!斎藤。とはいえ、実際の北海道はまだまだ未開拓の地・・・厳しいぞ。」
「北国の厳しさは身を以て知っているつもりだが・・。」
「・・・そうであったな。開拓使札幌本庁の開拓長官の黒田(黒田清隆)には儂の方からも一筆書いておこう。何かあったら儂の代わりに頼るといい。」
「!・・・あんたも(内示)か?」
「儂は来年の一月より再び欧州への視察へ出る事になった。いや、これは前々からの儂の希望でもあったのだ。先回の視察では学び足りないものがあり機会あらばと上申はしていたのだ。ただこんなに急に視察の話が出るとは思いはしなんだがな。日本の警察制度はまだまだ立ち上がったばかりだ。今からが大事なのだ。儂がやらねば誰がやる。」
川路が熱く語った後二人は暫し沈黙した。
そして川路は再び口を開いた。
「三菱商会の汽船が十日に横浜を出る。切符はすでに手配してある。残り十日、転出の為の準備をしてくれ・・、いろいろ世話になったな、斎藤。」
追記:
大久保卿暗殺の史実から原作では志々雄~縁と話が進んでおります。
夢小説をその流れに絡めているつもりですが、日数的に合わないところは軽く流してお読みください。
さて・・・斎藤さんの内示が発令されました。
今後の展開は続きを読んで頂くといたしまして・・・。
明治10年の北海道。
まだまだ開拓が始まったばかりで多分ものすごい原生林でおおわれている頃です。
稲作は旧松前藩のまわりぐらいでしか栽培されてなかった年です。
(寒さの為に育つ稲がなかったんです。)
横浜ー大阪の航路は皆様御存知かと思いますが、横浜ー函館の航路も明治11年にはありました。
(今回斎藤さんにはそれに乗っていただくことにしました。)
この航路の航海日程は片道4日ぐらいのようです。(燃料・積荷の為の停泊日数を除く)
運賃は乗客運賃が上等21円、中等19円、下等12円50銭となっております。(運賃は明治8年の資料かもしれません、そして往復か片道かわからなくてごめんなさい。)
三菱商船は明治15年10月以降に月に4往復の航路を確立しております。
なので明治11年はもっと少な目だと思われます。
流し読みで拾った情報なので話半分創作半分。
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「失礼します。」
警視総監室に入った斎藤は扉を閉め、川路の机より六歩手前で止まった。
「警視庁警部補、藤田五郎。以下の者、十月十日付を以て北海道開拓使への異動を命ずる。」
と、川路は一枚の書面を読んでそれを斎藤に伝えた。
「十日後だ、斎藤。急な話だが北海道での益々の健闘、活躍を祈る。」
と、川路は激励の言葉の後に小さくため息をつき、いつもの口調に戻った。
「遠いな、斎藤・・・。」
「北海道とは・・・正直俺も驚いた。だが行けと言うからには何かあるんだろう?」
「その通りだ。」
と、川路は分厚い封筒を斎藤に手渡した。
「中に事の概要が書かれている、後で読んでおいてくれ。最近内務省の方に開拓使(北方開拓のため明治二年から明治十五年の間におかれた官庁)より優秀な密偵が欲しいと何度も申し入れがあってな、志々雄の件、今回の武器組織壊滅の件の功績から斎藤・・・君に白羽の矢が立った。」
「それは内務省の決定なのか。」
「うむ、儂としてはこの東京にこそ優秀な密偵が必要だと粘ったんだが、開拓使は現在人材、人手と共に不足しており断りきれんかったんじゃ、すまんな、斎藤。」
「北海道だろうが東京だろうが、どこに居ようが俺は俺の仕事をただこなすだけのことだ。」
「よく言った!斎藤。とはいえ、実際の北海道はまだまだ未開拓の地・・・厳しいぞ。」
「北国の厳しさは身を以て知っているつもりだが・・。」
「・・・そうであったな。開拓使札幌本庁の開拓長官の黒田(黒田清隆)には儂の方からも一筆書いておこう。何かあったら儂の代わりに頼るといい。」
「!・・・あんたも(内示)か?」
「儂は来年の一月より再び欧州への視察へ出る事になった。いや、これは前々からの儂の希望でもあったのだ。先回の視察では学び足りないものがあり機会あらばと上申はしていたのだ。ただこんなに急に視察の話が出るとは思いはしなんだがな。日本の警察制度はまだまだ立ち上がったばかりだ。今からが大事なのだ。儂がやらねば誰がやる。」
川路が熱く語った後二人は暫し沈黙した。
そして川路は再び口を開いた。
「三菱商会の汽船が十日に横浜を出る。切符はすでに手配してある。残り十日、転出の為の準備をしてくれ・・、いろいろ世話になったな、斎藤。」
追記:
大久保卿暗殺の史実から原作では志々雄~縁と話が進んでおります。
夢小説をその流れに絡めているつもりですが、日数的に合わないところは軽く流してお読みください。
さて・・・斎藤さんの内示が発令されました。
今後の展開は続きを読んで頂くといたしまして・・・。
明治10年の北海道。
まだまだ開拓が始まったばかりで多分ものすごい原生林でおおわれている頃です。
稲作は旧松前藩のまわりぐらいでしか栽培されてなかった年です。
(寒さの為に育つ稲がなかったんです。)
横浜ー大阪の航路は皆様御存知かと思いますが、横浜ー函館の航路も明治11年にはありました。
(今回斎藤さんにはそれに乗っていただくことにしました。)
この航路の航海日程は片道4日ぐらいのようです。(燃料・積荷の為の停泊日数を除く)
運賃は乗客運賃が上等21円、中等19円、下等12円50銭となっております。(運賃は明治8年の資料かもしれません、そして往復か片道かわからなくてごめんなさい。)
三菱商船は明治15年10月以降に月に4往復の航路を確立しております。
なので明治11年はもっと少な目だと思われます。
流し読みで拾った情報なので話半分創作半分。