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81.川の流れ (蒼紫・夢主・斎藤・恵)
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武尊はダメ元で蒼紫に聞いてみた。
「あの・・・、名前呼ぶっていうのは恥ずかしいのでやっぱり苗字ではだめですか。」
「じきに慣れる。」
と、蒼紫は即答して、武尊に視線で答えた。
まるで、『慣れるまで言ってもらうぞ。』と、言わんばかりに。
(ふう。)
心の中でため息をつくと、武尊はようやく本当に諦めた。
そして蒼紫が意外に頑固者であることがわかった。
(ふう~ん。意外に自分の考えを曲げないタイプだったんた。人って見かけに寄らないっていうけど、特に四乃森さんってこのタイプだな・・。)
と、武尊は思った。
慣れると言ったが慣れる日なんて来るんだろうか。
そう思いつつ武尊はやっぱり先ほどの夢が気になってつい、蒼紫を見てしまう。
「どうした、先ほどから。」
蒼紫は視線には敏感だ。
武尊のいつもとは違う感じの視線が蒼紫には気になる。
「いえ、私、なんだか寝すぎちゃったみたいで、今は全然眠くないんです。でも起きると貧血症状がひどいみたいで・・・、いや、暇だな・・・、と、思って・・・。」
と、武尊はまさかここでいきなり観柳邸の事件の話を直撃する雰囲気ではないと思い、当たりさわりのない言葉を言った。
「うまく誤魔化したな、武尊。先ほどの視線は何か言いたげだったが・・・・、まあいい・・・・。だが、そうだな・・・、起き上がれぬというのが暇というのは分からないでもない。しかし、それはまだ体を養生せねばならないという状態だ。しばらく我慢しろ。」
蒼紫にそう言われて武尊は、ぷぅ、と言うと子供のように口を尖がらせた。
その様子があまりにも可愛く蒼紫は武尊の髪をよしよしと撫でた。
「・・・・・・。」
蒼紫はこの時無意識に手を出したのだか、武尊ははっとした。
(比古さんも・・・、斎藤さんも・・・・、自分をこうやって撫でてくれた。)
武尊は二人に頭を撫でられるのが大好きだ。
とても安心するからだ。
この動作自体が自分に刷り込まれているからだろうか、と、蒼紫の撫でる動作に心の緊張がス-っと弛んでいくのが武尊にわかる。
(・・・四乃森さんに触られても大丈夫だ。)
武尊は人に触られるのが好きではない。
むしろ恐怖だ。
捕まえられたらその後の命の保証はない。
武尊は昔訓練でもそう習ったし、まだ心の中では人間は怖い生き物、と記憶されているので比古や斎藤が武尊に触れるというのは武尊にとって特別な状況なのだ。
視界に入る蒼紫の長くすらっとした指。
男の人なのに自分よりきれいな指をしている、と武尊はまじまじ指を見た。
そのうち気持がよくなって武尊はゆっくり目を閉じた。
そしていったん閉じた目を再び開いて蒼紫を見た。
その視線で蒼紫は自分が何をしていたのかはっと、気がついて手をひっこめた。
「す、すまない。嫌だったか。」
と、蒼紫が少し動揺するように言う様に武尊は、
「いえ、大丈夫ですよ。」
と言って、ふふっと笑った。
(あんなに女の身体を熟知してるのに。)
と、武尊には蒼紫の今のリアクリョンが可笑しかった。
そして、武尊ははっと思い出して、
「あ、そうだ。あ・・・・、蒼・・・紫はもう帰るの?」
と聞いた。
「いや・・・・、その予定はないが。何故聞く。」
「ん・・・・もし時間があるなら、お話してくれません?」
と、いきなりそう言う武尊に蒼紫は内心困惑した。
(お話とは何の話だ。御庭番衆のことか?それとも江戸城の事か?と、もし、そう聞かれたら何と答えるべきか・・・いくら武尊とはいえ答えるには言葉を選ばねば・・・。)
と。
だが武尊が言ったのは、
「Red Cliff・・・・、こないだDVD借りそこなったんだよね・・・・。四乃・・・蒼紫は赤壁知ってる?」
蒼紫は聞いたことがない単語に、武尊の言葉の前半は武尊の何かの独り言かと思ったが、赤壁は知っているので、
「三国志の話か?」
と聞いた。
「あ、それです!四乃・・・・蒼紫・・・・、以前部屋で読んでましたよね?私、一部のあらすじをうろ覚えしかしてませんので、もしよかったら内容を話して聞かせてくれませんか?」
まさかここで三国志とは。
と、蒼紫は意外さに驚きながらも、
「武尊の暇つぶしにでもなるなら・・・・いいだろう。何処からがいい。」
と、蒼紫は了承した。
「では・・、曹操から逃げてきた劉備が魯粛に会うところぐらいから。」
「うむ。」
と、言って静かに語りだした蒼紫を見ながら武尊は話を聞いた。
(さすが四乃森さん、『むかしむかし』で話に入らないのがインテリっぽい・・・。)
と、変な所で突っ込みを入れた武尊だったが、蒼紫の微妙にうまい話し方にいつの間にか引き込まれて夢中になっていた武尊であった。
「あの・・・、名前呼ぶっていうのは恥ずかしいのでやっぱり苗字ではだめですか。」
「じきに慣れる。」
と、蒼紫は即答して、武尊に視線で答えた。
まるで、『慣れるまで言ってもらうぞ。』と、言わんばかりに。
(ふう。)
心の中でため息をつくと、武尊はようやく本当に諦めた。
そして蒼紫が意外に頑固者であることがわかった。
(ふう~ん。意外に自分の考えを曲げないタイプだったんた。人って見かけに寄らないっていうけど、特に四乃森さんってこのタイプだな・・。)
と、武尊は思った。
慣れると言ったが慣れる日なんて来るんだろうか。
そう思いつつ武尊はやっぱり先ほどの夢が気になってつい、蒼紫を見てしまう。
「どうした、先ほどから。」
蒼紫は視線には敏感だ。
武尊のいつもとは違う感じの視線が蒼紫には気になる。
「いえ、私、なんだか寝すぎちゃったみたいで、今は全然眠くないんです。でも起きると貧血症状がひどいみたいで・・・、いや、暇だな・・・、と、思って・・・。」
と、武尊はまさかここでいきなり観柳邸の事件の話を直撃する雰囲気ではないと思い、当たりさわりのない言葉を言った。
「うまく誤魔化したな、武尊。先ほどの視線は何か言いたげだったが・・・・、まあいい・・・・。だが、そうだな・・・、起き上がれぬというのが暇というのは分からないでもない。しかし、それはまだ体を養生せねばならないという状態だ。しばらく我慢しろ。」
蒼紫にそう言われて武尊は、ぷぅ、と言うと子供のように口を尖がらせた。
その様子があまりにも可愛く蒼紫は武尊の髪をよしよしと撫でた。
「・・・・・・。」
蒼紫はこの時無意識に手を出したのだか、武尊ははっとした。
(比古さんも・・・、斎藤さんも・・・・、自分をこうやって撫でてくれた。)
武尊は二人に頭を撫でられるのが大好きだ。
とても安心するからだ。
この動作自体が自分に刷り込まれているからだろうか、と、蒼紫の撫でる動作に心の緊張がス-っと弛んでいくのが武尊にわかる。
(・・・四乃森さんに触られても大丈夫だ。)
武尊は人に触られるのが好きではない。
むしろ恐怖だ。
捕まえられたらその後の命の保証はない。
武尊は昔訓練でもそう習ったし、まだ心の中では人間は怖い生き物、と記憶されているので比古や斎藤が武尊に触れるというのは武尊にとって特別な状況なのだ。
視界に入る蒼紫の長くすらっとした指。
男の人なのに自分よりきれいな指をしている、と武尊はまじまじ指を見た。
そのうち気持がよくなって武尊はゆっくり目を閉じた。
そしていったん閉じた目を再び開いて蒼紫を見た。
その視線で蒼紫は自分が何をしていたのかはっと、気がついて手をひっこめた。
「す、すまない。嫌だったか。」
と、蒼紫が少し動揺するように言う様に武尊は、
「いえ、大丈夫ですよ。」
と言って、ふふっと笑った。
(あんなに女の身体を熟知してるのに。)
と、武尊には蒼紫の今のリアクリョンが可笑しかった。
そして、武尊ははっと思い出して、
「あ、そうだ。あ・・・・、蒼・・・紫はもう帰るの?」
と聞いた。
「いや・・・・、その予定はないが。何故聞く。」
「ん・・・・もし時間があるなら、お話してくれません?」
と、いきなりそう言う武尊に蒼紫は内心困惑した。
(お話とは何の話だ。御庭番衆のことか?それとも江戸城の事か?と、もし、そう聞かれたら何と答えるべきか・・・いくら武尊とはいえ答えるには言葉を選ばねば・・・。)
と。
だが武尊が言ったのは、
「Red Cliff・・・・、こないだDVD借りそこなったんだよね・・・・。四乃・・・蒼紫は赤壁知ってる?」
蒼紫は聞いたことがない単語に、武尊の言葉の前半は武尊の何かの独り言かと思ったが、赤壁は知っているので、
「三国志の話か?」
と聞いた。
「あ、それです!四乃・・・・蒼紫・・・・、以前部屋で読んでましたよね?私、一部のあらすじをうろ覚えしかしてませんので、もしよかったら内容を話して聞かせてくれませんか?」
まさかここで三国志とは。
と、蒼紫は意外さに驚きながらも、
「武尊の暇つぶしにでもなるなら・・・・いいだろう。何処からがいい。」
と、蒼紫は了承した。
「では・・、曹操から逃げてきた劉備が魯粛に会うところぐらいから。」
「うむ。」
と、言って静かに語りだした蒼紫を見ながら武尊は話を聞いた。
(さすが四乃森さん、『むかしむかし』で話に入らないのがインテリっぽい・・・。)
と、変な所で突っ込みを入れた武尊だったが、蒼紫の微妙にうまい話し方にいつの間にか引き込まれて夢中になっていた武尊であった。
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