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43.今夜交代するよ! (斎藤・張・夢主)
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しばらく武尊は何も言えなかったが、ようやく、
「そうだ・・・、そうだよね。張の言うとうりだよね。・・・・・ありがとう。」
と、笑った。
「なんや武尊、そないに後ろ向きな笑いは。そないな気持ちで強くなれるかいな。前向いて行きや、前向いて。」
と、ドンと張は武尊の背中を叩いた。
「わっ!」
思わず前につんのめって転びそうになった武尊。
「せや、そんな感じで前や。」
「張、違うよ!こんなんじゃ転んじゃうよ!」
と武尊が言うと、
「転んだら起きればええんちゃうか。それだけのことや。なんぼでも起きればええ。」
そう言った張の開き直りの強さというか、人生に対するしぶとさに・・・いや、前向きさに武尊はハッとするものがあった。
武尊ちょっと感動して、
「張、張ってたまにいい事言うよね。」
と素直な感想を言うと、
「なんやねんそれ!前も言うたような気がするけど、わいはいつもええことしか言わへんで-!」
そういう張を見て武尊はやっとクスっと笑った。
その笑いを見て張も少しほっとした。
そして、
「武尊・・わいな、武尊やから言うけど、ぼちぼちこの仕事に飽きてきたねん。」
と切り出した。
「ほんでどこか警察の力が届かんとこへでも行こうかと思っとるんや。」
「でも張って恩赦じゃなかったの?明治政府に協力するっていう約束で。」
「そんなんわいの罪からすればわいは十分協力したで。武尊にこんな事言うのは格好悪いんやけど、わい、志々雄様の十本刀やった時、なんもせんうちに捕まってもうたさかい。それなのにこんなんでわいの人生、くだらん明治政府に飼い殺しは勘弁や。」
「斎藤さんがそんなの許すと思う?」
「そりゃそんときや。わいも剣客やねん、旦那と勝負で負けても悔いはあらへんわ。」
「・・・・死ぬかもよ?」
「死ぬんが怖あて剣客なんかやっとられへんで。」
そう言ってニッと笑う張の顔が少し誇らしげで、武尊は曇りないその顔が少し羨ましかった。
「張・・・。」
「あ、でも心配せんでもええで、武尊。この仕事はちゃんとやるで。この前の書類の恨みもあるさかい、きっちり証拠つかんで潰させてもらわへんと腹の虫がおさまらへんわ。」
と、キシシシと、意地悪く笑う張であった。
張は笑い終わると夜空に向いて小さい声で、
「ほんでな武尊、そうなったら・・・・・。」
と言った。
「え?」
張の笑いに気を取られていた武尊は張が何と言ったか聞いてなくて聞き返した。
「・・・いや、何でもあらへん。それより武尊、今日は何んもあらへんかったことやし、早よ、戻り。ぼちぼち旦那も戻っとる頃かもしれん。」
「あ・・・、うん。じゃ、戻るね。」
そう言って武尊は走り出そうとしたが立ち止まって張を振り返った。
「ん、なんや武尊。」
張が気付き声をかけた。
すると、
「張、今日はありがとう、私、がんばらなくっちゃだよね!」
と言って武尊は張に手を振り駆け出して行った。
「ええこやねんけどなぁ・・・・。」
武尊の後ろ姿を見ながら張がため息をつく。
「ほんま、なんで旦那なんやろ。」
張は本当つまらなさそうに腕を頭の後ろに組んだ。
「(・・・・わいと行かへんか。)」
先ほど張はそう言おうとしてやめたのだった。
言っても武尊の答えはわかっていたからだ。
武尊が斎藤から離れることはないだろう。
「・・・あかん、わい、ほんま、ええ人すぎ。」
張がそうつぶやく中、武尊がいなくなって急に静まり返ったその周辺は、ただ虫の声が響くばかりだった。
「そうだ・・・、そうだよね。張の言うとうりだよね。・・・・・ありがとう。」
と、笑った。
「なんや武尊、そないに後ろ向きな笑いは。そないな気持ちで強くなれるかいな。前向いて行きや、前向いて。」
と、ドンと張は武尊の背中を叩いた。
「わっ!」
思わず前につんのめって転びそうになった武尊。
「せや、そんな感じで前や。」
「張、違うよ!こんなんじゃ転んじゃうよ!」
と武尊が言うと、
「転んだら起きればええんちゃうか。それだけのことや。なんぼでも起きればええ。」
そう言った張の開き直りの強さというか、人生に対するしぶとさに・・・いや、前向きさに武尊はハッとするものがあった。
武尊ちょっと感動して、
「張、張ってたまにいい事言うよね。」
と素直な感想を言うと、
「なんやねんそれ!前も言うたような気がするけど、わいはいつもええことしか言わへんで-!」
そういう張を見て武尊はやっとクスっと笑った。
その笑いを見て張も少しほっとした。
そして、
「武尊・・わいな、武尊やから言うけど、ぼちぼちこの仕事に飽きてきたねん。」
と切り出した。
「ほんでどこか警察の力が届かんとこへでも行こうかと思っとるんや。」
「でも張って恩赦じゃなかったの?明治政府に協力するっていう約束で。」
「そんなんわいの罪からすればわいは十分協力したで。武尊にこんな事言うのは格好悪いんやけど、わい、志々雄様の十本刀やった時、なんもせんうちに捕まってもうたさかい。それなのにこんなんでわいの人生、くだらん明治政府に飼い殺しは勘弁や。」
「斎藤さんがそんなの許すと思う?」
「そりゃそんときや。わいも剣客やねん、旦那と勝負で負けても悔いはあらへんわ。」
「・・・・死ぬかもよ?」
「死ぬんが怖あて剣客なんかやっとられへんで。」
そう言ってニッと笑う張の顔が少し誇らしげで、武尊は曇りないその顔が少し羨ましかった。
「張・・・。」
「あ、でも心配せんでもええで、武尊。この仕事はちゃんとやるで。この前の書類の恨みもあるさかい、きっちり証拠つかんで潰させてもらわへんと腹の虫がおさまらへんわ。」
と、キシシシと、意地悪く笑う張であった。
張は笑い終わると夜空に向いて小さい声で、
「ほんでな武尊、そうなったら・・・・・。」
と言った。
「え?」
張の笑いに気を取られていた武尊は張が何と言ったか聞いてなくて聞き返した。
「・・・いや、何でもあらへん。それより武尊、今日は何んもあらへんかったことやし、早よ、戻り。ぼちぼち旦那も戻っとる頃かもしれん。」
「あ・・・、うん。じゃ、戻るね。」
そう言って武尊は走り出そうとしたが立ち止まって張を振り返った。
「ん、なんや武尊。」
張が気付き声をかけた。
すると、
「張、今日はありがとう、私、がんばらなくっちゃだよね!」
と言って武尊は張に手を振り駆け出して行った。
「ええこやねんけどなぁ・・・・。」
武尊の後ろ姿を見ながら張がため息をつく。
「ほんま、なんで旦那なんやろ。」
張は本当つまらなさそうに腕を頭の後ろに組んだ。
「(・・・・わいと行かへんか。)」
先ほど張はそう言おうとしてやめたのだった。
言っても武尊の答えはわかっていたからだ。
武尊が斎藤から離れることはないだろう。
「・・・あかん、わい、ほんま、ええ人すぎ。」
張がそうつぶやく中、武尊がいなくなって急に静まり返ったその周辺は、ただ虫の声が響くばかりだった。