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65.赤い薬の秘密 (斎藤・蒼紫・夢主)
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二人の間に立つ武尊が背中から血を噴出しながらゆっくり前へと崩れる。
蒼紫の顔に血の飛沫がかかる。
今何が起こったのか、目の前の出来事が理解できず茫然とする蒼紫に斎藤が、
「四乃森!後ろから武尊を支えろ!」
と、叫んだ。
蒼紫ははっとすると、即座に小太刀を放り投げ、自らが斬った武尊の背中の傷がなるべく開かないように背後から武尊を支えた。
斎藤のはなった牙突は武尊の腹部から背部上方へ刺さったまま。
斎藤は刀から手をはずすと斎藤は武尊の上着の前を握りボタンがちぎれ飛ぶように前を開いて武尊が縫い付けた小袋を取り出した。
蒼紫は斎藤が何をしようとしているのか分からずただ見ているしかない。
その時、
「・・・・よ・・・、・・・・が、・・・・の・・に・・・・。」
と、武尊の蚊のなくような声が聞こえた。
「武尊、どうした!」
蒼紫が武尊に呼びかけると名が遠くなる意識と戦いながら、
「だめ・・だ・・よ・・・、二人・・とも・・・。待って・・る・・人がいる・・・のに・・・、何・・・やってるの・・。」
と、言った。
蒼紫は武尊の言葉に辛そうに眉を寄せる。
「時尾さん・・・も・・、操・・ちゃん・・も・・待って・・・・る・・・の・・に・・・。」
それを聞いて蒼紫はうっすらと涙をにじませ、
「もういい・・・。武尊・・・喋るな・・・。」
と言うのが精一杯だった。
蒼紫は、武尊の背中が赤く染まっていくのをただ見るしかない。
そして、
(俺は一番愛する人を手に掛けてしまった・・・。)
と、ぎりりと唇を噛んだ。
明らかにこれは致命傷となる傷。
もうじき、武尊の命は消える・・・。
こうして、この腕の中で、看取ってやるしかないのか・・・・。
「斎・・・・藤・・・さん・・・、張の・・・所へ・・・早く・・・行って・・・・早く・・・・。」
武尊は最後の力を振り絞って斎藤にここへ来た理由を伝える。
「武尊、喋るな、もういい!」
蒼紫が武尊を抱きしめるようにして支えながら叫んだ。
斎藤はそんな二人を見ながら自分のしようとする事を急いだ。
斎藤は以前から仮説を立てていた。
武尊が飲まされていた赤い薬の事。
会津戦争の最中、兄と二人移動しながらの十六夜丸への変化。
あの時期、蛇の生血なんか毎度手に入るものではない。
たかが杯一杯の量。
事は単純だ。
あれは人の血だ。
それにこの粉末を混ぜて飲ませれば、あいつが出てくるはずだ。
だが、よもやこんな形でそれを証明しようとは!
だが事は一刻の猶予も許さない。
斎藤は粉末を一梱包分自分の口に入れると、自分の唇をギリっと深く噛み切り血を溜め、武尊に口移しで流し込んだ。
その異様な行為に目を見開き驚いた蒼紫だったが、武尊もまたほとんど意識を失いかけた中、突然口内に流れ込んだ、忘れもしないあの強烈な臭いの液体に一瞬、目を見開き自分の瞳に斎藤の行為を映す。
次の瞬間、ぐっと顎を持ち上げられ、その液体が武尊の喉を滑り落ちた。
蒼紫の顔に血の飛沫がかかる。
今何が起こったのか、目の前の出来事が理解できず茫然とする蒼紫に斎藤が、
「四乃森!後ろから武尊を支えろ!」
と、叫んだ。
蒼紫ははっとすると、即座に小太刀を放り投げ、自らが斬った武尊の背中の傷がなるべく開かないように背後から武尊を支えた。
斎藤のはなった牙突は武尊の腹部から背部上方へ刺さったまま。
斎藤は刀から手をはずすと斎藤は武尊の上着の前を握りボタンがちぎれ飛ぶように前を開いて武尊が縫い付けた小袋を取り出した。
蒼紫は斎藤が何をしようとしているのか分からずただ見ているしかない。
その時、
「・・・・よ・・・、・・・・が、・・・・の・・に・・・・。」
と、武尊の蚊のなくような声が聞こえた。
「武尊、どうした!」
蒼紫が武尊に呼びかけると名が遠くなる意識と戦いながら、
「だめ・・だ・・よ・・・、二人・・とも・・・。待って・・る・・人がいる・・・のに・・・、何・・・やってるの・・。」
と、言った。
蒼紫は武尊の言葉に辛そうに眉を寄せる。
「時尾さん・・・も・・、操・・ちゃん・・も・・待って・・・・る・・・の・・に・・・。」
それを聞いて蒼紫はうっすらと涙をにじませ、
「もういい・・・。武尊・・・喋るな・・・。」
と言うのが精一杯だった。
蒼紫は、武尊の背中が赤く染まっていくのをただ見るしかない。
そして、
(俺は一番愛する人を手に掛けてしまった・・・。)
と、ぎりりと唇を噛んだ。
明らかにこれは致命傷となる傷。
もうじき、武尊の命は消える・・・。
こうして、この腕の中で、看取ってやるしかないのか・・・・。
「斎・・・・藤・・・さん・・・、張の・・・所へ・・・早く・・・行って・・・・早く・・・・。」
武尊は最後の力を振り絞って斎藤にここへ来た理由を伝える。
「武尊、喋るな、もういい!」
蒼紫が武尊を抱きしめるようにして支えながら叫んだ。
斎藤はそんな二人を見ながら自分のしようとする事を急いだ。
斎藤は以前から仮説を立てていた。
武尊が飲まされていた赤い薬の事。
会津戦争の最中、兄と二人移動しながらの十六夜丸への変化。
あの時期、蛇の生血なんか毎度手に入るものではない。
たかが杯一杯の量。
事は単純だ。
あれは人の血だ。
それにこの粉末を混ぜて飲ませれば、あいつが出てくるはずだ。
だが、よもやこんな形でそれを証明しようとは!
だが事は一刻の猶予も許さない。
斎藤は粉末を一梱包分自分の口に入れると、自分の唇をギリっと深く噛み切り血を溜め、武尊に口移しで流し込んだ。
その異様な行為に目を見開き驚いた蒼紫だったが、武尊もまたほとんど意識を失いかけた中、突然口内に流れ込んだ、忘れもしないあの強烈な臭いの液体に一瞬、目を見開き自分の瞳に斎藤の行為を映す。
次の瞬間、ぐっと顎を持ち上げられ、その液体が武尊の喉を滑り落ちた。