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64.刃(やいば)の向こうに (斎藤・蒼紫・夢主)
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斎藤と蒼紫は互いをじっと睨んだまま沈黙していた。
ぽつぽつと雨粒が落ちてきて、それが滝のように落ちてくる雨に変わっても二人はそのまま石像のように動かない。
近くに落ちたであろう大きな雷が響き終わると、ようやく斎藤が雨で消えた煙草をぷっ、と吐き捨て再び口を開いた。
「言う事は立派だが、俺の代わりに武尊を抱きたいだけじゃないのか四乃森。」
「・・・・否定はしない。だが俺が尊重するのは武尊の意志だ。ひと月が終わったら武尊をもらっていくぞ。」
再び少し沈黙すると、斎藤の眼の色が静かに変わった。
「ふっ、・・・・お前にはこれ以上何を言ってもわからんようだな。」
「斎藤、さっきも言ったが、お前こそ武尊を縛る権利などありはしない。いい加減解放したらどうだ。」
「お前になどに俺と武尊のつながりなど理解できるわけもない・・・いいだろう、これ以上俺達の事に首を突っ込むならお前とて・・・・。」
「わからんのはお前の方だ、斎藤・・・。武尊の気持ちを何故考えようとしない。お前が武尊の障害になるというのなら俺だって容赦はしない。」
斎藤が刀の鞘を握る。
斎藤の手の動きに合わせて蒼紫も刀袋から小太刀を取り出した。
そして二人は同時に刀を抜く・・・。
「ここへ誘ったのはお前の方だからな。恨み言は言うなよ。」
「ああ・・・・、口で話してわかってもらえるとは思ってなかったが・・・・・、やはりこうして決着をつけるしかないようだな・・・・。」
まるで滝のように降る雨など存在しないように二人とも眼の中には相手しか映していない。
そして斎藤は牙突の構えを。
蒼紫は回転剣舞の構えを。
同時にそれぞれが構えを取ったまま睨み合う二人。
一触即発・・・・。
武尊の目には刀を抜く二人がまるでスロ-モ-ションのように見えた。
(ちょっ!何をしてるの?!あの二人!なんで刀抜いてるの!?)
雷も鳴ってる中、信じられない!と思いつつ走った。
(待って!)
全速力で駆けているため、声が出ない。
二人の間合いがじりっと動く。
武尊は走りながらも張り詰める空気に背中が冷たくなるのがわかった。
(まさか・・・・そんな・・・・・。いけない!二人とも、刀をしまって!)
睨み合っていた斎藤と蒼紫がついに一歩を踏み出す。
「ダメ---っ!」
渾身の力を振り絞って武尊が叫んだ。
その瞬間、空が光り閃光が辺りを包むと同時にドーンという爆音が鳴り響いた。
・・・・雷が三人のすぐ近くに落ちた。
武尊の声は二人に届かず、一瞬の白い世界が終わった時、二人の間には止めに入った名の姿が映った。
武尊は両手を広げ斎藤の前に飛び出していた。
「くっ!」
「うっ!」
斎藤も蒼紫も目の前に突然現れた武尊の姿を認識した時はすでに初太刀を放った瞬間。
蒼紫は慌てて刀を引き、斎藤は上半身のバネを緩めるが、それでも次の瞬間、血のしぶきが飛んだ・・・・・・。
「武尊!」
「武尊!」
斎藤と蒼紫が同時に武尊の名を呼ぶが返事はなく、二人に聞こえるのはザァァという雨の音だけ・・・・。
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ぽつぽつと雨粒が落ちてきて、それが滝のように落ちてくる雨に変わっても二人はそのまま石像のように動かない。
近くに落ちたであろう大きな雷が響き終わると、ようやく斎藤が雨で消えた煙草をぷっ、と吐き捨て再び口を開いた。
「言う事は立派だが、俺の代わりに武尊を抱きたいだけじゃないのか四乃森。」
「・・・・否定はしない。だが俺が尊重するのは武尊の意志だ。ひと月が終わったら武尊をもらっていくぞ。」
再び少し沈黙すると、斎藤の眼の色が静かに変わった。
「ふっ、・・・・お前にはこれ以上何を言ってもわからんようだな。」
「斎藤、さっきも言ったが、お前こそ武尊を縛る権利などありはしない。いい加減解放したらどうだ。」
「お前になどに俺と武尊のつながりなど理解できるわけもない・・・いいだろう、これ以上俺達の事に首を突っ込むならお前とて・・・・。」
「わからんのはお前の方だ、斎藤・・・。武尊の気持ちを何故考えようとしない。お前が武尊の障害になるというのなら俺だって容赦はしない。」
斎藤が刀の鞘を握る。
斎藤の手の動きに合わせて蒼紫も刀袋から小太刀を取り出した。
そして二人は同時に刀を抜く・・・。
「ここへ誘ったのはお前の方だからな。恨み言は言うなよ。」
「ああ・・・・、口で話してわかってもらえるとは思ってなかったが・・・・・、やはりこうして決着をつけるしかないようだな・・・・。」
まるで滝のように降る雨など存在しないように二人とも眼の中には相手しか映していない。
そして斎藤は牙突の構えを。
蒼紫は回転剣舞の構えを。
同時にそれぞれが構えを取ったまま睨み合う二人。
一触即発・・・・。
武尊の目には刀を抜く二人がまるでスロ-モ-ションのように見えた。
(ちょっ!何をしてるの?!あの二人!なんで刀抜いてるの!?)
雷も鳴ってる中、信じられない!と思いつつ走った。
(待って!)
全速力で駆けているため、声が出ない。
二人の間合いがじりっと動く。
武尊は走りながらも張り詰める空気に背中が冷たくなるのがわかった。
(まさか・・・・そんな・・・・・。いけない!二人とも、刀をしまって!)
睨み合っていた斎藤と蒼紫がついに一歩を踏み出す。
「ダメ---っ!」
渾身の力を振り絞って武尊が叫んだ。
その瞬間、空が光り閃光が辺りを包むと同時にドーンという爆音が鳴り響いた。
・・・・雷が三人のすぐ近くに落ちた。
武尊の声は二人に届かず、一瞬の白い世界が終わった時、二人の間には止めに入った名の姿が映った。
武尊は両手を広げ斎藤の前に飛び出していた。
「くっ!」
「うっ!」
斎藤も蒼紫も目の前に突然現れた武尊の姿を認識した時はすでに初太刀を放った瞬間。
蒼紫は慌てて刀を引き、斎藤は上半身のバネを緩めるが、それでも次の瞬間、血のしぶきが飛んだ・・・・・・。
「武尊!」
「武尊!」
斎藤と蒼紫が同時に武尊の名を呼ぶが返事はなく、二人に聞こえるのはザァァという雨の音だけ・・・・。
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