※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
62.稲荷神社へ続く道 (夢主・時尾・斎藤・蒼紫)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
蒼紫はこっちだと無言で斎藤より少し前を歩く。
細い路地を曲がって人の喧騒もなくなった辺りで斎藤が、
「着流しにその刀か・・・。似合わんな。」
と、煙草を吸いながらに言い捨てた。
「雪代縁の件が片付いた以上忍装束でいる必要はあるまい・・・。それに小太刀もこのように袋に入れて持ち歩くならば問題ないはずだ。」
蒼紫は一見、長刀に見える隠し二刀小太刀を黒の刀袋に入れて持っていた。
「何処へ行く、四乃森。こう見えても俺は忙しいんだ。」
「手間は取らせん。だが、あのような騒々しい所では話す気分にはなれない・・・それだけだ。」
「フン、勝手なことを。この先は・・・稲荷神社か。」
「ああ、すぐそこだ。」
人通りの多いあの通りを神社側へ抜けると田んぼが広がっている。
その向こうに、こんもりとした小さな山があり、急な石段がいきなり三百段続く、地元では心臓破りのお稲荷様で有名な小さな神社があった。
上には狭い境内と小さな社(やしろ)があるだけで普段はあの石段の所為かほとんど人は来ない。
歩きながら蒼紫が斎藤に話しかけた。
「斎藤・・・、お前が壊した道場、いつ弁償するんだ。相手は流行らない小さな町道場。修繕費を捻出するのは厳しいぞ。」
「ふっ、そんな事をお前から言われようとはな。言っておくが俺が壊したのは京へ行く前のほんの微々たるところだ。派手にやったのは雪代縁の手下だぞ。」
「いいのか、政府側の人間がそんな事を言っても。雪代縁といえばどこかの組織に大量に武器を売りつけようとしていた奴なんだろう?いわば国家の敵とも言える相手ではないのか。そういう奴が街を襲撃して神谷道場だけではなく、他にも被害が出ているではないか。」
「後から来てよく知っているな。それとも抜刀斎から聞いたのか。」
「船の上であれだけ時間があればいろいろ話がでる。」
「ならわかるだろう、雪代縁と抜刀斎の件は元はと言えば抜刀斎の私闘だ。被害をこうむったのは周りの奴らだ。逆に抜刀斎の方が迷惑料を支払うべきなんじゃないのか。・・・・・・フッ、もっとも奴にそんな金はないのはわかっている。だがしかし、雪代縁の怨恨の素因が抜刀斎に人斬りをやらせていた長州の負の遺産だとすれば何らかの金がでるやもしれん。抜刀斎が帰ってきたら奴の元上司に金を工面してくれと頼んでみろと言っておけ。」
「緋村がそのような事は好まないのをお前ならわかっているだろう。」
「それが甘いと言っているんだ。人斬りはやめたと勝手なことをほざいていても過去の怨恨が原因でこの有り様だ。幸運な事に奴は勝者側の人間だ。すぐにでも大臣になれるような長州派維新志士様だからな。その名を出せばそんな金くらいいくらでも出るだろう。人斬りをやめるのは勝手だが被害については我が儘を言わずに手を尽くせとな。」
くだらん・・・・・、と、斎藤は煙草をふぅ--っとふかす。
「・・・まさか、こんなくだらんことを言うために俺を誘ったわけじゃないんだろ?」
「ああ・・・・本題はお前が察する通りだ。」
蒼紫は神社へと続く石段を上る。
「それならこんな所まで来なくても別にいいんじゃないか。」
「この間も武尊に不審な奴らが付いてまわっていた。・・・・用心に越したことはない。」
「・・・・。」
斎藤も蒼紫に続いて石段を上った。
細い路地を曲がって人の喧騒もなくなった辺りで斎藤が、
「着流しにその刀か・・・。似合わんな。」
と、煙草を吸いながらに言い捨てた。
「雪代縁の件が片付いた以上忍装束でいる必要はあるまい・・・。それに小太刀もこのように袋に入れて持ち歩くならば問題ないはずだ。」
蒼紫は一見、長刀に見える隠し二刀小太刀を黒の刀袋に入れて持っていた。
「何処へ行く、四乃森。こう見えても俺は忙しいんだ。」
「手間は取らせん。だが、あのような騒々しい所では話す気分にはなれない・・・それだけだ。」
「フン、勝手なことを。この先は・・・稲荷神社か。」
「ああ、すぐそこだ。」
人通りの多いあの通りを神社側へ抜けると田んぼが広がっている。
その向こうに、こんもりとした小さな山があり、急な石段がいきなり三百段続く、地元では心臓破りのお稲荷様で有名な小さな神社があった。
上には狭い境内と小さな社(やしろ)があるだけで普段はあの石段の所為かほとんど人は来ない。
歩きながら蒼紫が斎藤に話しかけた。
「斎藤・・・、お前が壊した道場、いつ弁償するんだ。相手は流行らない小さな町道場。修繕費を捻出するのは厳しいぞ。」
「ふっ、そんな事をお前から言われようとはな。言っておくが俺が壊したのは京へ行く前のほんの微々たるところだ。派手にやったのは雪代縁の手下だぞ。」
「いいのか、政府側の人間がそんな事を言っても。雪代縁といえばどこかの組織に大量に武器を売りつけようとしていた奴なんだろう?いわば国家の敵とも言える相手ではないのか。そういう奴が街を襲撃して神谷道場だけではなく、他にも被害が出ているではないか。」
「後から来てよく知っているな。それとも抜刀斎から聞いたのか。」
「船の上であれだけ時間があればいろいろ話がでる。」
「ならわかるだろう、雪代縁と抜刀斎の件は元はと言えば抜刀斎の私闘だ。被害をこうむったのは周りの奴らだ。逆に抜刀斎の方が迷惑料を支払うべきなんじゃないのか。・・・・・・フッ、もっとも奴にそんな金はないのはわかっている。だがしかし、雪代縁の怨恨の素因が抜刀斎に人斬りをやらせていた長州の負の遺産だとすれば何らかの金がでるやもしれん。抜刀斎が帰ってきたら奴の元上司に金を工面してくれと頼んでみろと言っておけ。」
「緋村がそのような事は好まないのをお前ならわかっているだろう。」
「それが甘いと言っているんだ。人斬りはやめたと勝手なことをほざいていても過去の怨恨が原因でこの有り様だ。幸運な事に奴は勝者側の人間だ。すぐにでも大臣になれるような長州派維新志士様だからな。その名を出せばそんな金くらいいくらでも出るだろう。人斬りをやめるのは勝手だが被害については我が儘を言わずに手を尽くせとな。」
くだらん・・・・・、と、斎藤は煙草をふぅ--っとふかす。
「・・・まさか、こんなくだらんことを言うために俺を誘ったわけじゃないんだろ?」
「ああ・・・・本題はお前が察する通りだ。」
蒼紫は神社へと続く石段を上る。
「それならこんな所まで来なくても別にいいんじゃないか。」
「この間も武尊に不審な奴らが付いてまわっていた。・・・・用心に越したことはない。」
「・・・・。」
斎藤も蒼紫に続いて石段を上った。