ハァ、ハァ、ハァ。



「うわ－、疲れた－！暑さで倒れるぅぅぅ、熱射病で死ぬ～～ぅ。」



武尊は息を切らしながら斎藤が行った警察署の前にやっと着いた。



息せき切って四十分は走ってへとへとで、中へ入る前に膝に手をついて息を整えていると、パンチの署長さんがタイミングよく出てきた。



「あ、署長さん、すみません、藤田警部補来てますよね？」



「あれ、確か君は藤田警部補の所の｡」



「ええ、土岐です。あの、藤田警部補に早急に話があって来たんですけど、今いいでしょうか。」



「藤田警部補なら今回の事件が大方めどがついたという事で、片付けと申し送りをして大分前に帰ったけど、会わなかったかい？」



「え、ええ～～～～！・・・・そうですか。分かりましたありがとうございます。」



なかなか息が整わない武尊に浦村の署長が、



「お茶でも飲んでいくかい土岐君。」



と声をかけてくれたが、土岐は



「いえ、急いでますので・・・すみません・・・。」



と言うと、手をぐっと握りしめ、



「では失礼します。」



と言うと警視庁に向かって走り出した。



（斎藤さんの馬鹿ぁ～、すぐ終わるならすぐ終わるっていってくれればいいのに～～！）



と、思いながら。