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60.観柳邸事件 (斎藤・夢主)
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「それにしても、今日は暑いですね。」
と、思わず武尊が口にしてしまうほど今日は朝から暑かった。
だいぶ日が高くなって暑さに耐えがたくなって武尊が窓辺によって空を見上げた。
雲一つない。
おまけに風ひとつない。
まるで夏が急に戻ってきたような感じがする。
「この間まで秋っぽい風だったのに。」
と、武尊が言った。
武尊は思わず【暑いつながり】で
(暑いといえば夏、そして南の島!そう言えば斎藤さん、雪代縁を捕えに島行ってまた一段と日に焼けたみたい。)
と思った。
(昨日は余裕がなくて気が付かなかったけど、今日改めて見るとやっぱり前より少し黒いや・・・・日焼けしてるとやっぱり恰好いいと思えちゃうのよね・・・フフ。)
そんな事を思って武尊が斎藤をじっと見るので斎藤は、
「何をニヤついている。暑いのがそんなに可笑しいのか?」
と、言った。
「いえ可笑しいわけでは・・・、そう言えば斎藤さん日に焼けたなぁ・・・、と思って。南の島ってやっぱり暑かったですか?海も空もこんな風に青かったんですよね、きっと。」
「そんなに連れて行って欲しかったのか。」
「いえ、そういう意味では。張の所へ行かなきゃいけなかったですし・・・・。私が足手まといになったらいけませんからね。」
武尊は真面目な口調でそう答えたが、それでも以前いったハワイ島の海を思い出してフフっと口元に笑みを浮かべた。
あの青い海や南国独特の解放感っていうのはこの時代ではきっと味わえないんだな、と、武尊は遠い記憶に思いを寄せた。
(そういえば、昨日の四乃森さんもなんか日焼けしていた感じがした。)
そんな事を【日焼けつながり】で思い出した。
(四乃森さんは赤くなるタイプみたい。)
次から次えと考え事が連想ゲームのように頭の中を回る。
「あ・・・。」
と、武尊は思い出したような声を出した。
「今度は何だ、武尊。」
斎藤にそう言われて武尊は、
「斎藤さん・・・昨日のことなんですけど四乃森さんに送ってもらったのは訳があるんです。」
と、武尊は言った。
「どんな訳だ、言ってみろ。」
「私、昨日、股関節とか腰とか痛かったじゃないですか。・・・・そりゃあ無理して元気な振りして階段踏み外して足も捻挫しましたけど・・・。で、頑張って家に向かったのはよかったんですけど、そんな状態だから当然走れなかったわけで・・・・。」
斎藤は黙って武尊を見ている。
その視線には斎藤の心配をよそに空元気を装った武尊への非難の念が込められているのを武尊は感じながら続きを話す。
「そんなとき、本当に偶然に四乃森さんが私を見つけてくれて声をかけようとしたらしいのですが、私をつけている人の気配に気が付いて私を垣根に隠して助けてくれたんです。その後、用心の為に送ってもらったんです。」
武尊はもちろん垣根に隠してもらった時、死ぬほど驚いた内容については伏せた。
「だから四乃森が家まで来たというのか。」
「ええ、まあ・・・。でも私もまさか四乃森さんが家に上がって腰を揉んでもらうなんてその時は考えもしませんでしたけど。」
武尊の答えに対して斎藤はそんなになるまで抱いたのは自分なので『送ってもらうな阿呆。』とは言えなかった。
いや、それよりも武尊がつけられているという事が気になった。
「で、そいつらはどんな奴らだったんだ。」
「男が二人、四乃森さんが言うには訓練された人間だったと言ってました。ごろつきみたいな感じではなく、警察か軍のようだと言ってましたけど、この辺の警察署の人達ではないと思うんですよね・・・私。」
「武尊が心当たりがないというなら十六夜丸の方ではないのか。武尊がつけられるという理由がわからん。」
「あの人たちは十六夜丸ではなく警官としての私を追ってたみたいだって四乃森さんが言ってました。私もなんとなく私自身が狙いだっていう予感がするんです。もしかしたら、夜会で私が撃った人達に関係がある人が私に復讐しようとしているのかもしれませんね・・・・。」
「あの夜会では明らかに人質を取って川路を殺そうとしたあいつらが悪いというのは誰がみても明らかだ。その件は気にするなと言っただろう。だが武尊の言う通り逆恨みを買ってる可能性はあるかもな。」
「うん・・。でも私は私の職責に置いて自分の取った行動を後悔はしてない。それが正しくても恨みは買うかもしれないし、その覚悟は出来ている・・。」
と言う武尊の眼に覚悟の意志が宿っているのを斎藤は見た。
武尊はまだ話を続ける。
「ただ不思議だったのは、私が四乃森さんに隠してもらった路地やその周りはそれほど人もいなくて、四乃森さんほどの人だったら怪しい人達を簡単にやっつけられちゃうと思ったんですが、どうして四乃森さんはそうしなかったんだろうという事です。(別にあんな事しなくても・・・・ねぇ・・・。)」
だが斎藤は武尊のその質問には、
「ああ、何だそんな事か。」
と、その質問は別に取るに足らない質問だと言わんばかりの言い方で答えた。
「四乃森 は東京 ではお尋ね者だからな。」
と、斎藤が思いもよらない事を口にした。
「え?」
武尊は自分の耳を疑った。
「斎藤さん、今、何て・・」
「四乃森はお尋ね者だと言ったんだ。武尊、四乃森から聞いてないのか?」
「いえ、何も・・・。」
「大久保卿が殺される少し前の話だ。武田観柳という悪徳実業家がいてな、そいつに四乃森は雇われていたんだ。だが、観柳というやつは裏で阿片の密売をやっていて、その儲けた受けた金で武器商人になって私腹を肥やそうとしていた矢先、抜刀斎に叩かれた。詳しくは資料室に行って事件簿を見たらいい。そういう事で四乃森は観柳事件で手配中だ。警察沙汰になるのは避けたかったんだろう。下手に訴えられてこれ以上手が回ればこっちも動かねばならん。雪代縁の件では警察も大目に見てやったが、あいつは本来はいつ捕まっても文句は言えない立場なんだ。おとなしくしてくれていないと(面倒事が増えて)こっちも困る。」
武尊は自分の所為で蒼紫にそんな危険があったなんて思いもよらなくて唖然とした。
武尊はいてもいられない気持ちになって、
「斎藤さん、私ちょっと資料室行ってきます。簿冊名は?」
「武田観柳に関する何か・・・だったかな。行けばわかる。」
「わかりました。」
と言うと、パタパタと下へ降りていった。
「やれやれ・・・。」
斎藤は元気になるとすぐ走り回る武尊を見て苦笑いをした。
と、思わず武尊が口にしてしまうほど今日は朝から暑かった。
だいぶ日が高くなって暑さに耐えがたくなって武尊が窓辺によって空を見上げた。
雲一つない。
おまけに風ひとつない。
まるで夏が急に戻ってきたような感じがする。
「この間まで秋っぽい風だったのに。」
と、武尊が言った。
武尊は思わず【暑いつながり】で
(暑いといえば夏、そして南の島!そう言えば斎藤さん、雪代縁を捕えに島行ってまた一段と日に焼けたみたい。)
と思った。
(昨日は余裕がなくて気が付かなかったけど、今日改めて見るとやっぱり前より少し黒いや・・・・日焼けしてるとやっぱり恰好いいと思えちゃうのよね・・・フフ。)
そんな事を思って武尊が斎藤をじっと見るので斎藤は、
「何をニヤついている。暑いのがそんなに可笑しいのか?」
と、言った。
「いえ可笑しいわけでは・・・、そう言えば斎藤さん日に焼けたなぁ・・・、と思って。南の島ってやっぱり暑かったですか?海も空もこんな風に青かったんですよね、きっと。」
「そんなに連れて行って欲しかったのか。」
「いえ、そういう意味では。張の所へ行かなきゃいけなかったですし・・・・。私が足手まといになったらいけませんからね。」
武尊は真面目な口調でそう答えたが、それでも以前いったハワイ島の海を思い出してフフっと口元に笑みを浮かべた。
あの青い海や南国独特の解放感っていうのはこの時代ではきっと味わえないんだな、と、武尊は遠い記憶に思いを寄せた。
(そういえば、昨日の四乃森さんもなんか日焼けしていた感じがした。)
そんな事を【日焼けつながり】で思い出した。
(四乃森さんは赤くなるタイプみたい。)
次から次えと考え事が連想ゲームのように頭の中を回る。
「あ・・・。」
と、武尊は思い出したような声を出した。
「今度は何だ、武尊。」
斎藤にそう言われて武尊は、
「斎藤さん・・・昨日のことなんですけど四乃森さんに送ってもらったのは訳があるんです。」
と、武尊は言った。
「どんな訳だ、言ってみろ。」
「私、昨日、股関節とか腰とか痛かったじゃないですか。・・・・そりゃあ無理して元気な振りして階段踏み外して足も捻挫しましたけど・・・。で、頑張って家に向かったのはよかったんですけど、そんな状態だから当然走れなかったわけで・・・・。」
斎藤は黙って武尊を見ている。
その視線には斎藤の心配をよそに空元気を装った武尊への非難の念が込められているのを武尊は感じながら続きを話す。
「そんなとき、本当に偶然に四乃森さんが私を見つけてくれて声をかけようとしたらしいのですが、私をつけている人の気配に気が付いて私を垣根に隠して助けてくれたんです。その後、用心の為に送ってもらったんです。」
武尊はもちろん垣根に隠してもらった時、死ぬほど驚いた内容については伏せた。
「だから四乃森が家まで来たというのか。」
「ええ、まあ・・・。でも私もまさか四乃森さんが家に上がって腰を揉んでもらうなんてその時は考えもしませんでしたけど。」
武尊の答えに対して斎藤はそんなになるまで抱いたのは自分なので『送ってもらうな阿呆。』とは言えなかった。
いや、それよりも武尊がつけられているという事が気になった。
「で、そいつらはどんな奴らだったんだ。」
「男が二人、四乃森さんが言うには訓練された人間だったと言ってました。ごろつきみたいな感じではなく、警察か軍のようだと言ってましたけど、この辺の警察署の人達ではないと思うんですよね・・・私。」
「武尊が心当たりがないというなら十六夜丸の方ではないのか。武尊がつけられるという理由がわからん。」
「あの人たちは十六夜丸ではなく警官としての私を追ってたみたいだって四乃森さんが言ってました。私もなんとなく私自身が狙いだっていう予感がするんです。もしかしたら、夜会で私が撃った人達に関係がある人が私に復讐しようとしているのかもしれませんね・・・・。」
「あの夜会では明らかに人質を取って川路を殺そうとしたあいつらが悪いというのは誰がみても明らかだ。その件は気にするなと言っただろう。だが武尊の言う通り逆恨みを買ってる可能性はあるかもな。」
「うん・・。でも私は私の職責に置いて自分の取った行動を後悔はしてない。それが正しくても恨みは買うかもしれないし、その覚悟は出来ている・・。」
と言う武尊の眼に覚悟の意志が宿っているのを斎藤は見た。
武尊はまだ話を続ける。
「ただ不思議だったのは、私が四乃森さんに隠してもらった路地やその周りはそれほど人もいなくて、四乃森さんほどの人だったら怪しい人達を簡単にやっつけられちゃうと思ったんですが、どうして四乃森さんはそうしなかったんだろうという事です。(別にあんな事しなくても・・・・ねぇ・・・。)」
だが斎藤は武尊のその質問には、
「ああ、何だそんな事か。」
と、その質問は別に取るに足らない質問だと言わんばかりの言い方で答えた。
「
と、斎藤が思いもよらない事を口にした。
「え?」
武尊は自分の耳を疑った。
「斎藤さん、今、何て・・」
「四乃森はお尋ね者だと言ったんだ。武尊、四乃森から聞いてないのか?」
「いえ、何も・・・。」
「大久保卿が殺される少し前の話だ。武田観柳という悪徳実業家がいてな、そいつに四乃森は雇われていたんだ。だが、観柳というやつは裏で阿片の密売をやっていて、その儲けた受けた金で武器商人になって私腹を肥やそうとしていた矢先、抜刀斎に叩かれた。詳しくは資料室に行って事件簿を見たらいい。そういう事で四乃森は観柳事件で手配中だ。警察沙汰になるのは避けたかったんだろう。下手に訴えられてこれ以上手が回ればこっちも動かねばならん。雪代縁の件では警察も大目に見てやったが、あいつは本来はいつ捕まっても文句は言えない立場なんだ。おとなしくしてくれていないと(面倒事が増えて)こっちも困る。」
武尊は自分の所為で蒼紫にそんな危険があったなんて思いもよらなくて唖然とした。
武尊はいてもいられない気持ちになって、
「斎藤さん、私ちょっと資料室行ってきます。簿冊名は?」
「武田観柳に関する何か・・・だったかな。行けばわかる。」
「わかりました。」
と言うと、パタパタと下へ降りていった。
「やれやれ・・・。」
斎藤は元気になるとすぐ走り回る武尊を見て苦笑いをした。