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55.維新後の薩長は (夢主・時尾・斎藤・張)
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「で、どうだ。」
と、斎藤が煙草をふかしながら、張の後ろから声をかける。
「あ、旦那、御苦労なことで・・。」
(なんや、今日は武尊やないんや、おもろうないの。)
と、斎藤の声を聞いてがっかりの張だった。
落胆しながらも一応報告をする張。
「今日も今のところ荷に変わりはあらへんで。せやけど今日は変なのが来とったわ。お忍びみたいやったけど、わい、その顔、こないだの夜会で見た覚えがあんねん。」
「ん?どんなやつだ。」
初めて張の話に興味を示す斎藤。
「夜会の時は陸軍の制服を着とったと思うたんやけどな。覚えとるんはそれだけや。」
「陸軍・・・か。」
フンっと、斎藤は鼻で笑う。
「陸軍と言えば長州、海軍と言えば薩摩。夜会に来るような陸軍の人間といえば長州維新志士で少しは名のある者でないとなれない。となると、長州の者が、ここ薩摩だらけの海軍に何の用事で来たのやら・・・臭うな。」
「そないにここは薩摩のもんが多いんか。」
「下っ端はともかくある程度上の者は元薩摩藩士が多い事は確かだ。」
「別にお互い仲良く維新をやった仲やんか。ええやん、長州のもんが薩摩の所へ来ても。」
「これだから阿呆は困る。幕末あれだけ仲の悪かった奴らが手を組んだのは徳川幕府打倒という目的があったからこそ。維新が成り、十年が過ぎた今、その両者はいかに政治の覇権を握らんと水面下でしのぎを削っているのが現実だ。」
「ほんなら旦那は長州もんの陸軍がどうにかうまく海軍を利用して武器を密輸したと考えよるんか。」
「それも一理ありと考えるべきだろう。だが、本来の筋書きはもう少し複雑であるような感は否めんな。でないと密輸した武器を使って海軍軍人が起こした夜会襲撃や直接川路を狙った意味がわからん。」
そこまで言って斎藤はフゥ-と煙草の煙を長く吐いた。
そして遠くから海軍倉庫を睨む。
「張・・・。」
「へい、旦那。」
「明日は昼間も目を離すなよ。今日来た奴が何らかの指示を出したのなら近々必ず動きがある。」
「明日も旦那が来るんで?」
「いや、明日は昼から一つ警察署を回る予定がある。武尊をやろう。」
そう言うと斎藤は戻っていった。
斎藤の姿が消えてから張がぼやく。
「あ~、ええなぁ、旦那は。流石のわいもええ加減疲れたで。めっちゃ布団で寝たい気分やわ-。これ終わったら絶対トンズラしたる・・・・したるで-!。」
と、斎藤が煙草をふかしながら、張の後ろから声をかける。
「あ、旦那、御苦労なことで・・。」
(なんや、今日は武尊やないんや、おもろうないの。)
と、斎藤の声を聞いてがっかりの張だった。
落胆しながらも一応報告をする張。
「今日も今のところ荷に変わりはあらへんで。せやけど今日は変なのが来とったわ。お忍びみたいやったけど、わい、その顔、こないだの夜会で見た覚えがあんねん。」
「ん?どんなやつだ。」
初めて張の話に興味を示す斎藤。
「夜会の時は陸軍の制服を着とったと思うたんやけどな。覚えとるんはそれだけや。」
「陸軍・・・か。」
フンっと、斎藤は鼻で笑う。
「陸軍と言えば長州、海軍と言えば薩摩。夜会に来るような陸軍の人間といえば長州維新志士で少しは名のある者でないとなれない。となると、長州の者が、ここ薩摩だらけの海軍に何の用事で来たのやら・・・臭うな。」
「そないにここは薩摩のもんが多いんか。」
「下っ端はともかくある程度上の者は元薩摩藩士が多い事は確かだ。」
「別にお互い仲良く維新をやった仲やんか。ええやん、長州のもんが薩摩の所へ来ても。」
「これだから阿呆は困る。幕末あれだけ仲の悪かった奴らが手を組んだのは徳川幕府打倒という目的があったからこそ。維新が成り、十年が過ぎた今、その両者はいかに政治の覇権を握らんと水面下でしのぎを削っているのが現実だ。」
「ほんなら旦那は長州もんの陸軍がどうにかうまく海軍を利用して武器を密輸したと考えよるんか。」
「それも一理ありと考えるべきだろう。だが、本来の筋書きはもう少し複雑であるような感は否めんな。でないと密輸した武器を使って海軍軍人が起こした夜会襲撃や直接川路を狙った意味がわからん。」
そこまで言って斎藤はフゥ-と煙草の煙を長く吐いた。
そして遠くから海軍倉庫を睨む。
「張・・・。」
「へい、旦那。」
「明日は昼間も目を離すなよ。今日来た奴が何らかの指示を出したのなら近々必ず動きがある。」
「明日も旦那が来るんで?」
「いや、明日は昼から一つ警察署を回る予定がある。武尊をやろう。」
そう言うと斎藤は戻っていった。
斎藤の姿が消えてから張がぼやく。
「あ~、ええなぁ、旦那は。流石のわいもええ加減疲れたで。めっちゃ布団で寝たい気分やわ-。これ終わったら絶対トンズラしたる・・・・したるで-!。」