※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
41.回想・それぞれの想い (斎藤・蒼紫・夢主)
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斎藤は蒼紫に足止めをくらった後、甲板をぐるっと回って反対側の甲板で船室を背にし、もたれかかった。
煙草をふかしながら昔を回想する。
幕末・・・・・、京の郊外のある公家の屋敷で初めてあいつを見たことを。
それが後に沖田さんを探しに入った甘味屋で、新撰組が見廻る界隈で呑気にあんみつを食べるあれに思わず、阿呆かと思ったことを。
だがそんなあれが・・・武尊が女だとわかり、俺の方が惚れてしまったということを。
だが時代は動乱の最中。
俺は新撰組として生きる中、武尊は姿を消した。
再び会津戦争で偶然にあいつに会い・・・・そして・・・・死んだと思っていた。
あれから十年、再び武尊に出会い、今度こそは手放さないように、どこにもやらないようにと、思っているのだが・・・・・。
十年・・・・。
十年か・・・・。
振り返れば一瞬、というがその間にお互い別の道を歩いてきた。
俺は名前を変え、結婚もした。
武尊にも名の十年があったはずだ。
武尊はごく最近の事は話さない。
だが武尊を見ていれば今も武尊の気持ちが俺にあるというのが手にとるようにわかる。
この十年、武尊には一緒になる相手がいなかったのだろうか?
確かに武尊の事情は普通ではない。
今も十六夜丸の事となると激しく取り乱す。
武尊は俺以外では扱えん・・・・・。
武尊と十六夜丸の両方を知っている俺でなければ。
そして武尊を受け止めてやれるのは俺だけだ、と、斎藤は自負する。
だがただ一つ、武尊が自分の事情を何処までだか分からないが話したと思われる武尊の師匠の存在が斎藤には引っかかる。
その師匠、つまり抜刀斎の師匠でもある男だが、そいつが十年経ったとはいえ、まだ記憶が残る輩がどこにいるかわからない所にただの女である武尊を放り出した。
抜刀斎とは違い、身寄りもなく、維新志士様の肩書もなく、刀も持たず、普段は身を守ることが出来るかできないか、そんな女を、だ。
だとすればずいぶん厳しい師匠だな。
一体どういうつもりなのか。
武尊が自分の事を話しているということは武尊がそれだけ師匠とやらを信頼しているという事なのだろうが、その師匠とやらは十六夜丸がどういう奴なのか知らないという。
俺の仮説が正しければ、十六夜丸は今でも甦る。
あの十六夜丸が・・・。
ふと斎藤の脳裏に十六夜丸の撃たれた時の姿が甦る。
「ちっ。」
俺はどうしたいんだ?
もし、あいつに、十六夜丸に再び会ってしまったら。
煙草をふかしながら昔を回想する。
幕末・・・・・、京の郊外のある公家の屋敷で初めてあいつを見たことを。
それが後に沖田さんを探しに入った甘味屋で、新撰組が見廻る界隈で呑気にあんみつを食べるあれに思わず、阿呆かと思ったことを。
だがそんなあれが・・・武尊が女だとわかり、俺の方が惚れてしまったということを。
だが時代は動乱の最中。
俺は新撰組として生きる中、武尊は姿を消した。
再び会津戦争で偶然にあいつに会い・・・・そして・・・・死んだと思っていた。
あれから十年、再び武尊に出会い、今度こそは手放さないように、どこにもやらないようにと、思っているのだが・・・・・。
十年・・・・。
十年か・・・・。
振り返れば一瞬、というがその間にお互い別の道を歩いてきた。
俺は名前を変え、結婚もした。
武尊にも名の十年があったはずだ。
武尊はごく最近の事は話さない。
だが武尊を見ていれば今も武尊の気持ちが俺にあるというのが手にとるようにわかる。
この十年、武尊には一緒になる相手がいなかったのだろうか?
確かに武尊の事情は普通ではない。
今も十六夜丸の事となると激しく取り乱す。
武尊は俺以外では扱えん・・・・・。
武尊と十六夜丸の両方を知っている俺でなければ。
そして武尊を受け止めてやれるのは俺だけだ、と、斎藤は自負する。
だがただ一つ、武尊が自分の事情を何処までだか分からないが話したと思われる武尊の師匠の存在が斎藤には引っかかる。
その師匠、つまり抜刀斎の師匠でもある男だが、そいつが十年経ったとはいえ、まだ記憶が残る輩がどこにいるかわからない所にただの女である武尊を放り出した。
抜刀斎とは違い、身寄りもなく、維新志士様の肩書もなく、刀も持たず、普段は身を守ることが出来るかできないか、そんな女を、だ。
だとすればずいぶん厳しい師匠だな。
一体どういうつもりなのか。
武尊が自分の事を話しているということは武尊がそれだけ師匠とやらを信頼しているという事なのだろうが、その師匠とやらは十六夜丸がどういう奴なのか知らないという。
俺の仮説が正しければ、十六夜丸は今でも甦る。
あの十六夜丸が・・・。
ふと斎藤の脳裏に十六夜丸の撃たれた時の姿が甦る。
「ちっ。」
俺はどうしたいんだ?
もし、あいつに、十六夜丸に再び会ってしまったら。