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45.優しい眼の狼 (斎藤・夢主)
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帰り道、言葉少なく歩く二人。
あまりにも無言だと余計な事を考えてしまいそうで武尊は口を開いた。
「斎藤さん・・・・。蕎麦屋台の御主人の山崎さんって、もしかして新撰組の人だったんですか?」
「・・ん?山崎烝(すすむ)のことか?」
「名前は覚えていないんですが、私が世話になった蕎麦屋台の御主人です。」
「ああ・・・、山崎さんは新撰組隊士だった男だ。今頃気が付いたのか?」
「ええ、さっき昔の事を思い出した時に、若しかしてって・・・。」
「山崎さんはあの頃監察方を務めていた。副長が武尊を見張らせる為につけたんだ。初日から武尊が女とわかったいい眼の男だ。」
「え---!」
「副長に報告するというのをやめさせるのに苦労したぞ。十六夜丸という確証もないのに女が屯所にいるとわかってみろ、俺がいない間武尊の身の保証はできかねんからな。それを山崎に納得させた。」
「いろいろ気を使っていただいてありがとうございました。でもどうして女だとわかったんでしょう。」
「山崎さんは蘭方医の松本良順からも医学を学んでいたことだから別の目で体を見る知識でもあったんだろう。」
「でも、もし、私が十六夜丸になってしまっていたら・・・、きっと山崎さんを・・・。」
いつものように武尊は自分が恐ろしくなってうつむいた。
「山崎さんは香取流棒術の達人だ。そう簡単には殺られんさ。」
と、斎藤が言うと武尊は少し安心して
「へ-、すごい人なんですね。」
と言った。
「いや、正しく言えば、すごい人だった、んだ・・・。」
「・・え?」
「山崎さんは鳥羽・伏見の戦いで重症を負って死んだ。」
「・・・・・・。」
それを聞いて顔を曇らす武尊をちらりと見ながら斎藤は山崎について付け加えた。
「山崎さんは局長にも気にいられるほどのいい男だった。性格もいい上、文武両道ときた。」
ぽろっ・・・・。
目を開けて歩きながらも武尊の両眼から涙がぽろぽろ零れ落ちていく。
「おい、武尊。そんな顔をするな。もう・・・昔の話だ。」
「でも、・・・やっぱり知っている人が亡くなったって聞くとやっぱり悲しい。いい人だったもの。」
「・・・そうだな、いい人だったよ、山崎さんは・・・・。」
斎藤も戊辰戦争での山崎を思い出し夜空を仰いで煙草をふかした。
あまりにも無言だと余計な事を考えてしまいそうで武尊は口を開いた。
「斎藤さん・・・・。蕎麦屋台の御主人の山崎さんって、もしかして新撰組の人だったんですか?」
「・・ん?山崎烝(すすむ)のことか?」
「名前は覚えていないんですが、私が世話になった蕎麦屋台の御主人です。」
「ああ・・・、山崎さんは新撰組隊士だった男だ。今頃気が付いたのか?」
「ええ、さっき昔の事を思い出した時に、若しかしてって・・・。」
「山崎さんはあの頃監察方を務めていた。副長が武尊を見張らせる為につけたんだ。初日から武尊が女とわかったいい眼の男だ。」
「え---!」
「副長に報告するというのをやめさせるのに苦労したぞ。十六夜丸という確証もないのに女が屯所にいるとわかってみろ、俺がいない間武尊の身の保証はできかねんからな。それを山崎に納得させた。」
「いろいろ気を使っていただいてありがとうございました。でもどうして女だとわかったんでしょう。」
「山崎さんは蘭方医の松本良順からも医学を学んでいたことだから別の目で体を見る知識でもあったんだろう。」
「でも、もし、私が十六夜丸になってしまっていたら・・・、きっと山崎さんを・・・。」
いつものように武尊は自分が恐ろしくなってうつむいた。
「山崎さんは香取流棒術の達人だ。そう簡単には殺られんさ。」
と、斎藤が言うと武尊は少し安心して
「へ-、すごい人なんですね。」
と言った。
「いや、正しく言えば、すごい人だった、んだ・・・。」
「・・え?」
「山崎さんは鳥羽・伏見の戦いで重症を負って死んだ。」
「・・・・・・。」
それを聞いて顔を曇らす武尊をちらりと見ながら斎藤は山崎について付け加えた。
「山崎さんは局長にも気にいられるほどのいい男だった。性格もいい上、文武両道ときた。」
ぽろっ・・・・。
目を開けて歩きながらも武尊の両眼から涙がぽろぽろ零れ落ちていく。
「おい、武尊。そんな顔をするな。もう・・・昔の話だ。」
「でも、・・・やっぱり知っている人が亡くなったって聞くとやっぱり悲しい。いい人だったもの。」
「・・・そうだな、いい人だったよ、山崎さんは・・・・。」
斎藤も戊辰戦争での山崎を思い出し夜空を仰いで煙草をふかした。