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44.二十六夜待 (斎藤・夢主)
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それっきりだった。
武尊はその後、新撰組から離れ、斎藤ともそのまま会う事はなかった。
月に関係する事で記憶にあるのはこのことぐらい。
武尊はずっと遠い目をしている斎藤の方を向き、
「斎藤さん、・・・もしかして今日、二十六夜待?」
と聞いた。
斎藤は武尊の方を向き武尊の瞳を見て
「ああ。」
と答えた。
口元に笑みを浮かべて。
そんな斎藤を目を丸くして見つめ返す武尊。
自分が今まですっかりが忘れていた約束を、十年以上前の小さな約束をこの人は覚えていてくれた。
(そうだったんだ・・・。)
武尊は嬉しくて
「ありがとう・・・・、斎藤さん・・・連れてきてくれて。」
そう言って、地面に着いている斎藤の手の甲に武尊が上から手を重ねる。
「今頃思い出したのか、阿呆。」
「へへ・・。」
と、照れ臭そうに笑う武尊。
だけどその笑いがそのまま、
「・・・へっくしゅん!」
に変わり、今度は斎藤が一瞬引いた。
「おい、大丈夫か。」
「あ・・・、汗が冷えちゃったみたい。でも大丈夫。」
はははと笑う武尊に、
「もっとこっちへ来い。」
と斎藤は重なっている武尊の手を取り自分の方へ引っ張った。
「わっ。」
「この方が少しでも風よけになるだろう。」
「ちょっ、斎藤さん、警官二人がこんなにくっついてちゃ、変に思われるって!」
と慌てる武尊に斎藤は、
「誰も見ちゃいないさ。それとも武尊は嫌なのか。」
「い、嫌じゃない・・・・。」
と恥ずかしくて下を向きながら答える武尊にククっと笑う斎藤。
「まあ、おとなしくしておけ、明日は仕事がたくさんあるから風邪でも引かれるとかなわん。」
そう言ってフーっと煙を吐きだす。
「はい・・・。」
そう言って斎藤の言う通り、すっかりおとなしくなった武尊。
服越しでも斎藤の体温が伝わって来るようで顔が少し赤くなるのが分かった。
月が昇るまで二人は無言のまま。
何を語るでもなく、ただ寄り添っていた。
しばらくして遅い月が昇った。
ようやく斎藤が口を開く。
「武尊、月が昇ったぞ。」
「うん・・・三日月と形が反対なんだね。」
「どうだ、仏の姿に見えるか。」
「う~ん・・・・。」
首を右へ左へ傾け、真面目に見ようとしている武尊に思わず
「阿呆。」
という斎藤。
「だめ。そんな風には見えないや。でも仏様の姿は見えなかったけど、斎藤さんにこうやって連れてきてもらって一緒に居られることが嬉しい。」
と嬉しい事を素直に口にする武尊が可愛くて、
「俺が仏様に見えるか?」
と言った。
(あっ、斎藤さんが珍しく冗談言った?)
皮肉じゃないその言いざまがおかしくて
「ぜーんぜん!」
と言って、笑いが我慢できなくて武尊はプッと笑った。
(あ、斎藤さんも笑ってる。)
思わず
「仏様も大事だけど、斎藤さんの方がもっと大事。」
と、思ったことをポロっと漏らすと、今まで笑っていた斎藤が急に真面目な顔になり、
「そんなことを言うとばちがあたるぞ。そう言うことをいう口は・・・・。」
斎藤は煙草を地面にこすり付け消すと、
武尊に急に覆いかぶさった。
「!、斎藤さ・・。」
驚いて斎藤の名前を呼ぼうとしたが、最後まで言わせてもらえなかった。
「ん~、んん~~!」
斎藤は武尊の唇を奪うとそのまま押し倒した。
ここは野外で警官二人がこんな事をしているのが誰かに見られたら・・・・と、抵抗するが手首を掴まれて身体が自由にならない。
(苦い・・。)
武尊は斎藤の煙草の味を口内に感じた。
だけどその苦さが武尊の神経を麻痺させる。
斎藤の舌が逃げる武尊の舌を追いかける。
逃げても行き場のない狭い場所で二人の舌が絡み合う。
「ん・んん・・・・・。」
武尊の身体のスイッチが入り、快楽から逃れようと身体をくねらせて逃れようとするが斎藤はそうはさせない。
そのうち、身体をのけぞらせて小刻みに震える武尊を確認して斎藤はようやく武尊から顔を離した。
「相変わらずいい反応だな。」
「斎藤さん・・・こんな所で・・・・。」
と武尊は荒い息をしながら涙目で抗議した。
「こんな所で何だ。興奮したか?」
斎藤がクククと笑う。
「なっ!斎藤さんのいぢわるぅぅぅうう!!」
斎藤は真っ赤になる武尊を楽しそうに見ると、
「さて・・・、月も見たことだ、帰るか。立てるか武尊。」
斎藤はそう言って立ち上がって、武尊の手を引っ張り立たせた。
少しよろけて斎藤にもたれかかる武尊。
「歩けるか。」
と訪ねる斎藤に、
「歩くしかないでしょう。」
いささか力の入らない足で立ちながら武尊は答えた。
「今夜は警視庁の方で泊まりだな。」
「仕方ないですね・・・・。」
他に泊まるところなんてない。
職場で寝たことは何度かあるけど今日は斎藤さんが一緒だ。
だめだ・・・、今の口付けで頭おかしくなってる。
私、資料室で寝よう・・・・。
そうでもしないと、胸がドキドキして寝むれそうにない。
何度も口付けしたけど、いつもそこまで。
こんな事ばかりしてたら本当、おかしくなってしまう・・・・・。
武尊は爪が痛いぐらいに拳を握りしめた。
「武尊。」
そんなことを考えている最中に名前を呼ばれて、また心臓がドクっと反応する。
慌てて斎藤を見ると数歩前にいる。
「行くぞ。」
と、言われ、
「あ、はい!」
と答えて、まだしびれが残る足を踏み出した。
余談雑談:
二十六日目の月、一体何時ごろに昇るんだ?と思い、当然ながら調べるわけですが、なんと、約三時半ぐらいですって!
すっかり夜更かしの夢主でした。
それにしても斎藤さんは仕事帰りで寝てもないし、これだけ元気なのはやはり只者ではない・・・(笑)。
武尊はその後、新撰組から離れ、斎藤ともそのまま会う事はなかった。
月に関係する事で記憶にあるのはこのことぐらい。
武尊はずっと遠い目をしている斎藤の方を向き、
「斎藤さん、・・・もしかして今日、二十六夜待?」
と聞いた。
斎藤は武尊の方を向き武尊の瞳を見て
「ああ。」
と答えた。
口元に笑みを浮かべて。
そんな斎藤を目を丸くして見つめ返す武尊。
自分が今まですっかりが忘れていた約束を、十年以上前の小さな約束をこの人は覚えていてくれた。
(そうだったんだ・・・。)
武尊は嬉しくて
「ありがとう・・・・、斎藤さん・・・連れてきてくれて。」
そう言って、地面に着いている斎藤の手の甲に武尊が上から手を重ねる。
「今頃思い出したのか、阿呆。」
「へへ・・。」
と、照れ臭そうに笑う武尊。
だけどその笑いがそのまま、
「・・・へっくしゅん!」
に変わり、今度は斎藤が一瞬引いた。
「おい、大丈夫か。」
「あ・・・、汗が冷えちゃったみたい。でも大丈夫。」
はははと笑う武尊に、
「もっとこっちへ来い。」
と斎藤は重なっている武尊の手を取り自分の方へ引っ張った。
「わっ。」
「この方が少しでも風よけになるだろう。」
「ちょっ、斎藤さん、警官二人がこんなにくっついてちゃ、変に思われるって!」
と慌てる武尊に斎藤は、
「誰も見ちゃいないさ。それとも武尊は嫌なのか。」
「い、嫌じゃない・・・・。」
と恥ずかしくて下を向きながら答える武尊にククっと笑う斎藤。
「まあ、おとなしくしておけ、明日は仕事がたくさんあるから風邪でも引かれるとかなわん。」
そう言ってフーっと煙を吐きだす。
「はい・・・。」
そう言って斎藤の言う通り、すっかりおとなしくなった武尊。
服越しでも斎藤の体温が伝わって来るようで顔が少し赤くなるのが分かった。
月が昇るまで二人は無言のまま。
何を語るでもなく、ただ寄り添っていた。
しばらくして遅い月が昇った。
ようやく斎藤が口を開く。
「武尊、月が昇ったぞ。」
「うん・・・三日月と形が反対なんだね。」
「どうだ、仏の姿に見えるか。」
「う~ん・・・・。」
首を右へ左へ傾け、真面目に見ようとしている武尊に思わず
「阿呆。」
という斎藤。
「だめ。そんな風には見えないや。でも仏様の姿は見えなかったけど、斎藤さんにこうやって連れてきてもらって一緒に居られることが嬉しい。」
と嬉しい事を素直に口にする武尊が可愛くて、
「俺が仏様に見えるか?」
と言った。
(あっ、斎藤さんが珍しく冗談言った?)
皮肉じゃないその言いざまがおかしくて
「ぜーんぜん!」
と言って、笑いが我慢できなくて武尊はプッと笑った。
(あ、斎藤さんも笑ってる。)
思わず
「仏様も大事だけど、斎藤さんの方がもっと大事。」
と、思ったことをポロっと漏らすと、今まで笑っていた斎藤が急に真面目な顔になり、
「そんなことを言うとばちがあたるぞ。そう言うことをいう口は・・・・。」
斎藤は煙草を地面にこすり付け消すと、
武尊に急に覆いかぶさった。
「!、斎藤さ・・。」
驚いて斎藤の名前を呼ぼうとしたが、最後まで言わせてもらえなかった。
「ん~、んん~~!」
斎藤は武尊の唇を奪うとそのまま押し倒した。
ここは野外で警官二人がこんな事をしているのが誰かに見られたら・・・・と、抵抗するが手首を掴まれて身体が自由にならない。
(苦い・・。)
武尊は斎藤の煙草の味を口内に感じた。
だけどその苦さが武尊の神経を麻痺させる。
斎藤の舌が逃げる武尊の舌を追いかける。
逃げても行き場のない狭い場所で二人の舌が絡み合う。
「ん・んん・・・・・。」
武尊の身体のスイッチが入り、快楽から逃れようと身体をくねらせて逃れようとするが斎藤はそうはさせない。
そのうち、身体をのけぞらせて小刻みに震える武尊を確認して斎藤はようやく武尊から顔を離した。
「相変わらずいい反応だな。」
「斎藤さん・・・こんな所で・・・・。」
と武尊は荒い息をしながら涙目で抗議した。
「こんな所で何だ。興奮したか?」
斎藤がクククと笑う。
「なっ!斎藤さんのいぢわるぅぅぅうう!!」
斎藤は真っ赤になる武尊を楽しそうに見ると、
「さて・・・、月も見たことだ、帰るか。立てるか武尊。」
斎藤はそう言って立ち上がって、武尊の手を引っ張り立たせた。
少しよろけて斎藤にもたれかかる武尊。
「歩けるか。」
と訪ねる斎藤に、
「歩くしかないでしょう。」
いささか力の入らない足で立ちながら武尊は答えた。
「今夜は警視庁の方で泊まりだな。」
「仕方ないですね・・・・。」
他に泊まるところなんてない。
職場で寝たことは何度かあるけど今日は斎藤さんが一緒だ。
だめだ・・・、今の口付けで頭おかしくなってる。
私、資料室で寝よう・・・・。
そうでもしないと、胸がドキドキして寝むれそうにない。
何度も口付けしたけど、いつもそこまで。
こんな事ばかりしてたら本当、おかしくなってしまう・・・・・。
武尊は爪が痛いぐらいに拳を握りしめた。
「武尊。」
そんなことを考えている最中に名前を呼ばれて、また心臓がドクっと反応する。
慌てて斎藤を見ると数歩前にいる。
「行くぞ。」
と、言われ、
「あ、はい!」
と答えて、まだしびれが残る足を踏み出した。
余談雑談:
二十六日目の月、一体何時ごろに昇るんだ?と思い、当然ながら調べるわけですが、なんと、約三時半ぐらいですって!
すっかり夜更かしの夢主でした。
それにしても斎藤さんは仕事帰りで寝てもないし、これだけ元気なのはやはり只者ではない・・・(笑)。