武尊はそのまましばらくぼ－っとしながら身体が沈んでいくのに身をまかせていると、向こうの方になにやら明るい物が見えてきた。



（なんだろう？）



と思い武尊は平泳ぎでその空間で手でかいでみると、これまたプ－ルで泳ぐように前に進むことが出来た。



平泳ぎに、ドルフィンキック、息継ぎをしなくても面白いように進むその空間を武尊は用心しながら進んでいくと、ゴチン！と何かにぶつかった。



「痛っ！？」



武尊が止まって前方に手を伸ばせば、まるで透明な壁があるみたいでそこから向こうに進めない。



武尊は上、下、右、左へと少し泳いでその壁を調べるがどうやら延々と続いているらしいことが分かった。



（まあ、よくよく考えたらここも現実とはかけ離れてるところだけどね・・・。夢の中か、意識のどこかはしらないけれど・・・。）



と、自分で自分に納得する武尊だった。



武尊は見えない壁より光る方向をじっと見た。



遠くから見ると明るい光のように見えたものは、ここから見ると四つの光の玉のようなものであることが武尊にわかった。



赤、黄色、緑、橙色｡



（あれ？この光どこかで見たような・・・・。あっ、大阪からの船の中で四乃森さんにの傍で瞑想した時に見た光だ。あの時は白い光の玉のまわりをこの四つの光が回ってたんだっけ・・・。）



と、武尊が思い出していたら、それらの光の玉が徐々に武尊に近づいてきた。



武尊も闇に淡く光るその四つの玉から目が離せないで見ていると、玉は武尊の少し手前で止まって・・・・・。



「あっ！」



それらは武尊の目の前で人型に変わった。