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79.キナ臭いもの (張・斎藤・夢主)
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「と、言う訳や。」
斎藤は張の報告を聞き終えると眉間のしわを増々深くして煙草をふかした。
「それで。」
と言う斎藤に、張は
「それで、ちゅうか、とりあえず旦那の耳に入れんと、と、思って戻ってきたんやけどどないしましょ、旦那。」
「阿呆、そんなことで戻って来るな。」
「せな事言っても甥の方は行方不明やし、手がかりあらへんくなってもうたねん。」
「阿呆はいつまでたっても阿呆か。叔父の方を張れ。頭を使えばそれくらいの事はすぐ思いつくはずだ。」
「うわ、関西人に阿呆言うた!」
「ぐだぐだ言わずに早く行け。」
「うわ、人使いが荒いうえに阿呆言うし・・・わいこのまま消えたろうかな。せや、武尊と一緒に行けばええやん。」
と、張が武尊と一緒ならこんな気分も一掃して楽しく任務が出来る・・と思って部屋を見回すが武尊の姿はない。
最初は小用かと思っていた張もおかしいと思って、
「・・・・旦那、武尊はどこにおんねん。」
武尊がいつも使っている机にはドサっと書類が置かれたままになっている。
斎藤は、
「・・・・・・・武尊はちょっと調子が悪い。」
と歯切れ悪く答えた。
張は、
「またかいな。意外に武尊は体が弱いんちゃうか。・・・・仕方あらへんわ。さっさと終わらせて旦那の家に見舞いに寄りますわ。」
と言うと、仕方あらへんな、と張の背中はそう言いつつ部屋を出た。
斎藤は、表情を変えず煙草をふかしてはいたが、
(来るな。絶対家に来るな!)
と、内心叫んでいた。
張に来られたら困る。
調子のいい張の事だ。
時尾に言わなくていい事をあれこれ言われては非常に困る。
時尾のことだからその場は話をうまく取り繕うだろうが、武尊が出張でないことがばれたら・・・。
と、斎藤は思わずそんな場面を想像してしまったが、
「いや、今はそんな私情を考えるべきではない。」
と、自分に言って頭の中を切り替える為にも立ち上がって窓から外を眺めながら煙草を吸った。
「工部省の方から来た馬車に伊藤卿か・・・。確か伊藤卿は内務卿に就任する前は工部卿を何年かやっていたな・・・。」
斎藤は伊藤卿が今回の事件に関係しているのではないかという推測が増々強くなった。
「面倒なことになりそうだ。」
斎藤は警視庁の門を睨みながらそう呟いた。
斎藤は張の報告を聞き終えると眉間のしわを増々深くして煙草をふかした。
「それで。」
と言う斎藤に、張は
「それで、ちゅうか、とりあえず旦那の耳に入れんと、と、思って戻ってきたんやけどどないしましょ、旦那。」
「阿呆、そんなことで戻って来るな。」
「せな事言っても甥の方は行方不明やし、手がかりあらへんくなってもうたねん。」
「阿呆はいつまでたっても阿呆か。叔父の方を張れ。頭を使えばそれくらいの事はすぐ思いつくはずだ。」
「うわ、関西人に阿呆言うた!」
「ぐだぐだ言わずに早く行け。」
「うわ、人使いが荒いうえに阿呆言うし・・・わいこのまま消えたろうかな。せや、武尊と一緒に行けばええやん。」
と、張が武尊と一緒ならこんな気分も一掃して楽しく任務が出来る・・と思って部屋を見回すが武尊の姿はない。
最初は小用かと思っていた張もおかしいと思って、
「・・・・旦那、武尊はどこにおんねん。」
武尊がいつも使っている机にはドサっと書類が置かれたままになっている。
斎藤は、
「・・・・・・・武尊はちょっと調子が悪い。」
と歯切れ悪く答えた。
張は、
「またかいな。意外に武尊は体が弱いんちゃうか。・・・・仕方あらへんわ。さっさと終わらせて旦那の家に見舞いに寄りますわ。」
と言うと、仕方あらへんな、と張の背中はそう言いつつ部屋を出た。
斎藤は、表情を変えず煙草をふかしてはいたが、
(来るな。絶対家に来るな!)
と、内心叫んでいた。
張に来られたら困る。
調子のいい張の事だ。
時尾に言わなくていい事をあれこれ言われては非常に困る。
時尾のことだからその場は話をうまく取り繕うだろうが、武尊が出張でないことがばれたら・・・。
と、斎藤は思わずそんな場面を想像してしまったが、
「いや、今はそんな私情を考えるべきではない。」
と、自分に言って頭の中を切り替える為にも立ち上がって窓から外を眺めながら煙草を吸った。
「工部省の方から来た馬車に伊藤卿か・・・。確か伊藤卿は内務卿に就任する前は工部卿を何年かやっていたな・・・。」
斎藤は伊藤卿が今回の事件に関係しているのではないかという推測が増々強くなった。
「面倒なことになりそうだ。」
斎藤は警視庁の門を睨みながらそう呟いた。