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79.キナ臭いもの (張・斎藤・夢主)
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張は斎藤に命じられて例の海軍倉庫事件の時に捕縛した軍人が証言した、彼を海軍に入隊を進めたという叔父の事を調べていた。
元長州派維新志士だったというその叔父。
今は工部省のお役人。
「工部省と言えば今流行の新しい工場、鉄道、造船、鉱山、製鉄、電信なんかを一気に牛耳っている所の役人ちゅうわけやな。金のにおいがするわするわ・・。」
張は町を歩きながら呟く。
「コネがあるんならあんな気弱な甥を軍隊になんぞに入れんでも工場で雇ってやればええやんなぁ。」
張のぶつくさ言いながら歩いていると割と人通りのあるその通りをすごい勢いで馬車が駆け抜けていった。
「危ないやんか、ボケ!」
と、張が馬車の後ろを見ながら髪を逆立てていると、馬車の暴走ぶりに憤りを感じたのは張だけではなかったようで、周りもざわざわしていた。
その中でこんな会話が張の耳にも入って来た。
「嫌ねぇ-。一体誰の馬車なのかしら。」
「今のは内務卿の馬車じゃねぇか。まったく何考えてやがんだ。」
(内務卿ちゅうたら・・・伊藤ちゅう名前やったな確か。)
と、張は先日斎藤の部屋から見た人物を思い出した。
とは言っても警視庁の門から馬車に乗るまでの後ろ姿しか見えなかったが。
「・・・・ふぅん。」
張の勘がピンときた。
「キナ臭いにおいがしよるわ・・・。」
工部省で調べものをした後、張が向かっているのは捕縛した軍人がいる警察署。
(もうちょい叔父についての詳しい話、聞かせてもらおうやんけ。)
そう思って足を運んだのだが、拘置所の警官に、
「あ、あの軍人なら今朝早く別の所へ移すと言ってここから出ましたよ。」
と言われた。
「ほなアホな!わい旦那から聞いてないで。」
「そんなこと言われましても、自分は申し受けの時にそう聞いただけですので。」
と、警官に言われた瞬間、張は嫌な予感がした。
「その交代した警官ちゅうのはどこにおるんや。」
「下番しましたので、長屋の方に帰っているかと・・・。」
「どこや、それ!早よ言うてや。」
張は相手の警官が最後まで話終わるのが待てずに急かして住所を聞き出すとその方角へ向かってすっ飛んで行った。
元長州派維新志士だったというその叔父。
今は工部省のお役人。
「工部省と言えば今流行の新しい工場、鉄道、造船、鉱山、製鉄、電信なんかを一気に牛耳っている所の役人ちゅうわけやな。金のにおいがするわするわ・・。」
張は町を歩きながら呟く。
「コネがあるんならあんな気弱な甥を軍隊になんぞに入れんでも工場で雇ってやればええやんなぁ。」
張のぶつくさ言いながら歩いていると割と人通りのあるその通りをすごい勢いで馬車が駆け抜けていった。
「危ないやんか、ボケ!」
と、張が馬車の後ろを見ながら髪を逆立てていると、馬車の暴走ぶりに憤りを感じたのは張だけではなかったようで、周りもざわざわしていた。
その中でこんな会話が張の耳にも入って来た。
「嫌ねぇ-。一体誰の馬車なのかしら。」
「今のは内務卿の馬車じゃねぇか。まったく何考えてやがんだ。」
(内務卿ちゅうたら・・・伊藤ちゅう名前やったな確か。)
と、張は先日斎藤の部屋から見た人物を思い出した。
とは言っても警視庁の門から馬車に乗るまでの後ろ姿しか見えなかったが。
「・・・・ふぅん。」
張の勘がピンときた。
「キナ臭いにおいがしよるわ・・・。」
工部省で調べものをした後、張が向かっているのは捕縛した軍人がいる警察署。
(もうちょい叔父についての詳しい話、聞かせてもらおうやんけ。)
そう思って足を運んだのだが、拘置所の警官に、
「あ、あの軍人なら今朝早く別の所へ移すと言ってここから出ましたよ。」
と言われた。
「ほなアホな!わい旦那から聞いてないで。」
「そんなこと言われましても、自分は申し受けの時にそう聞いただけですので。」
と、警官に言われた瞬間、張は嫌な予感がした。
「その交代した警官ちゅうのはどこにおるんや。」
「下番しましたので、長屋の方に帰っているかと・・・。」
「どこや、それ!早よ言うてや。」
張は相手の警官が最後まで話終わるのが待てずに急かして住所を聞き出すとその方角へ向かってすっ飛んで行った。