※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
77.蒼紫の願い (蒼紫・夢主)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
武尊が次に目を覚ましたのは約二時間後の朝の六時半ごろだった。
ゆっくり目を開けるとすっかり明るい病室。
ここは何処だ?と、武尊は体を起こそうとすると背中とお腹に激痛が走った。
「痛っ!」
何だ、どうした?加えて身体は鉛のように重たい。
頭もぼ-っとする・・・。
と、武尊が動けずに上を向いてそう思っていたら再び座禅を組んでいた蒼紫が立ちあがって武尊の所へ来て言った。
「気分はどうだ、武尊。」
急に自分の視界に現れた蒼紫を武尊は驚いて見た。
「あれ・・・?四乃森さん?どうして?・・・・・うわっ、ひどい声だ、私。」
武尊はまるで激しい情事の後のような自分の掠れた声にびっくりした。
蒼紫は先ほど目を覚ました事を武尊は覚えていないのかと察し、
「ここは診療所の病室だ。武尊は丸一日半寝ていたんだ。」
と、先程と同じ事を言った。
「一日半・・・・・。」
武尊は小さく呟いた。
何でそんなに寝ているんだろう、どうして自分はこんな所にいるんだろう。
と、一瞬思ったが自分のこの掠れた声と体の疲労感に覚えがあった。それは幕末の頃・・。
(十六夜丸・・・・っ!)
その瞬間、武尊は昨日、いや、一昨日何が起こったか思い出した。
武尊は跳ね起きたかったが、背中の皮が突っ張る様に悲鳴を上げた。
「くうっ・・。」
と言いつつも、それでも武尊は体を起こそうと肘を踏ん張った。
「武尊、無理をするな。」
と、蒼紫が武尊の体を支えた。
武尊は蒼紫の腕の着物の裾につかまりながら、
「四乃森さん、・・・斎藤さん、斎藤さんは?」
と蒼紫に聞いた。
武尊と蒼紫の目が合う。
すがるような武尊の視線。
蒼紫はそれをどう受け止めてよいのか少し迷いながら武尊の瞳を見つめた。
(そんなに斎藤がいいのか・・・。)
蒼紫は武尊の瞳を見ていると胸の内がチクチクする感覚がした。
しかし命を張ってまで武尊が斎藤に伝えようとした事、それを聞いて斎藤がどう行動したかを武尊に伝えてやらねば。
自分の口からあの斎藤の名前を出すことにいい思いはしない蒼紫だったが、それは言わねばと思い、
「・・・斎藤はあの後すぐに武尊の言ったとおり沢下条張の所へ行ったぞ。」
と、蒼紫は武尊の瞳をじっと見つめたまま武尊にそう告げた。
それを聞いて武尊はパァ-っと表情を明るくした。
「・・・・よかった。」
武尊は口元をほころばせながら喜んだ。
そして蒼紫に、
「体を起こしたいんだけどいいですか?」
と蒼紫に体を起こすのを手伝ってもらった。
だが、体を90°起こしたところで目の前がくらっときて武尊は蒼紫の腕にしがみついた。
蒼紫も体を起こしている最中に武尊の体の力がふっと抜けたと思ったら腕の中に武尊が倒れ込んできた。
「武尊、無理はするな。」
「う・・ん・・・。」
武尊は遠くなりかける意識を必死で留まらせて蒼紫の呼びかけに何とか返事をした。
(うあっ・・・・すごい立ちくらみ・・・・座ろうと思っただけなのに。)
と、武尊はそう思った。
それにしてもひどい。
このままブラックアウトしそうだと、必死で武尊は我慢した。
武尊の顔色を見て、
「まだ寝ていたほうがいい。」
と、蒼紫はそう言うと武尊を元の通りに寝かせた。
ゆっくり目を開けるとすっかり明るい病室。
ここは何処だ?と、武尊は体を起こそうとすると背中とお腹に激痛が走った。
「痛っ!」
何だ、どうした?加えて身体は鉛のように重たい。
頭もぼ-っとする・・・。
と、武尊が動けずに上を向いてそう思っていたら再び座禅を組んでいた蒼紫が立ちあがって武尊の所へ来て言った。
「気分はどうだ、武尊。」
急に自分の視界に現れた蒼紫を武尊は驚いて見た。
「あれ・・・?四乃森さん?どうして?・・・・・うわっ、ひどい声だ、私。」
武尊はまるで激しい情事の後のような自分の掠れた声にびっくりした。
蒼紫は先ほど目を覚ました事を武尊は覚えていないのかと察し、
「ここは診療所の病室だ。武尊は丸一日半寝ていたんだ。」
と、先程と同じ事を言った。
「一日半・・・・・。」
武尊は小さく呟いた。
何でそんなに寝ているんだろう、どうして自分はこんな所にいるんだろう。
と、一瞬思ったが自分のこの掠れた声と体の疲労感に覚えがあった。それは幕末の頃・・。
(十六夜丸・・・・っ!)
その瞬間、武尊は昨日、いや、一昨日何が起こったか思い出した。
武尊は跳ね起きたかったが、背中の皮が突っ張る様に悲鳴を上げた。
「くうっ・・。」
と言いつつも、それでも武尊は体を起こそうと肘を踏ん張った。
「武尊、無理をするな。」
と、蒼紫が武尊の体を支えた。
武尊は蒼紫の腕の着物の裾につかまりながら、
「四乃森さん、・・・斎藤さん、斎藤さんは?」
と蒼紫に聞いた。
武尊と蒼紫の目が合う。
すがるような武尊の視線。
蒼紫はそれをどう受け止めてよいのか少し迷いながら武尊の瞳を見つめた。
(そんなに斎藤がいいのか・・・。)
蒼紫は武尊の瞳を見ていると胸の内がチクチクする感覚がした。
しかし命を張ってまで武尊が斎藤に伝えようとした事、それを聞いて斎藤がどう行動したかを武尊に伝えてやらねば。
自分の口からあの斎藤の名前を出すことにいい思いはしない蒼紫だったが、それは言わねばと思い、
「・・・斎藤はあの後すぐに武尊の言ったとおり沢下条張の所へ行ったぞ。」
と、蒼紫は武尊の瞳をじっと見つめたまま武尊にそう告げた。
それを聞いて武尊はパァ-っと表情を明るくした。
「・・・・よかった。」
武尊は口元をほころばせながら喜んだ。
そして蒼紫に、
「体を起こしたいんだけどいいですか?」
と蒼紫に体を起こすのを手伝ってもらった。
だが、体を90°起こしたところで目の前がくらっときて武尊は蒼紫の腕にしがみついた。
蒼紫も体を起こしている最中に武尊の体の力がふっと抜けたと思ったら腕の中に武尊が倒れ込んできた。
「武尊、無理はするな。」
「う・・ん・・・。」
武尊は遠くなりかける意識を必死で留まらせて蒼紫の呼びかけに何とか返事をした。
(うあっ・・・・すごい立ちくらみ・・・・座ろうと思っただけなのに。)
と、武尊はそう思った。
それにしてもひどい。
このままブラックアウトしそうだと、必死で武尊は我慢した。
武尊の顔色を見て、
「まだ寝ていたほうがいい。」
と、蒼紫はそう言うと武尊を元の通りに寝かせた。