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76.対面の時 (夢主・十六夜丸・蒼紫)
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武尊が後ろを振り返るとそこには自分がいた。
(なんで?私はここにいるのに?)
と、首を下げて自分を見たら、ない!自分の体が!
手もない。
いや、グ-をすれば、グ-、パ-をすればパ-。
足だって思いっ切り地面の石を踏んづけている感触100%だ。
武尊は自分の足元からゆっくり、目の前の自分に視線を移した。
目の前にいるのはやっぱり自分だと、武尊はまじまじと見た。
でも、一つだけ違う。
その眼は鮮血のように赤い・・・・紅い眼・・・・。
「何をぽか-んとしてるんだよ。って言っても初めてか、俺を見るのは。」
と、相手が言った。
(誰?って言っても自分なのに・・・でも自分はここにいる・・・自分でない自分・・・・。)
若しかして死んだクロ-ン達の霊?
とも武尊は思ったが、斎藤の話をふと思い出した。自分と同じ顔で紅い眼・・。
「・・・十六夜丸。」
「御名答、やっとわかったか。」
「やっと・・・って。もったいぶらなくていいから早く言ってよ!わからないじゃないの!って、どうして私の姿なの?!それにここはどこ?」
「俺もまさか俺の支配時間外で宿主と話すなんて思ってもみなかったぜ。」
「宿主・・・って・・・、何・・・何の事よ・・・。そもそもあんたって誰!」
「いきなりうるさい女だ。」
「うるさくもなるわよ!あんたの所為で・・・私は・・・・っ。」
(十六夜丸の所為で私はたくさん人を殺した・・・・んだ・・。)
武尊は怒りと悲しみが込み上げ、その思いで胸が締め付けられた。
リ-ン・・・
また一振り鈴がなった。
不思議なことにその音は武尊の怒りも悲しみもふっと軽くした。
武尊はその不思議な音を追って辺りを見回した。
「あの音が気になるか?ここは・・・・あの世とこの世の間だ。」
と、十六夜丸が静かに言った。
「え・・・・・?」
武尊は思いもよらない言葉に驚き、十六夜丸を凝視した。
「あの鈴の音についていけばやがて三途の川に出る。」
武尊は鈴の音が消えて行った方を遠く、遠く見ながらそう言った。
武尊も十六夜丸と同じ方向を遠く見た。
武尊は小さいころより時折、あの鈴の音が聞こえていた。
あの澄んだ、心洗われるような、でも少し物悲しい音色。
武尊はその音が嫌いではなかった。
それがまさか、その音がここのもの・・・死者を導く音色だったなんて。
でも・・・なんでそんな音が小さい時より聞こえていたのだろう。
武尊がそう不思議に思っていると十六夜丸が、
「お前の不思議な力・・・その霊力。人間では選ばれた者が長い修行を積まないと得られない力。なぜお前がそんな力を手に出来たのか、今回・・・・お前に憑いていてその理由がわかった。それはお前が今立っている場所にある。」
そう言われて武尊は思わず足元を見た。
「そうじゃない武尊、お前の魂だ。お前の魂はこの場所につながっている・・・・だから時折何らかの理由でお前の波長が現世とここを繋いだ時に聞こえたのだろう。・・・ここは死者の世界。・・・お前、死人から生まれたんだろ?俺もまさか人間がそんな事が出来るようになるとは未だ信じられん。恐ろしいな人間っていうのは。」
武尊はその言葉に凍りついた。
武尊は何も言えず目を見開いて十六夜丸を見た。
武尊が一番負い目を感じていること。
それを言われた。
しかし、何故その事を十六夜丸が知っているのか。
武尊は固まりつつも先ほどの十六夜丸の言葉を思い出す。
(『お前に憑いた』って言った・・・それって私に憑りついたって事?)
その瞬間、武尊は今日自分に起こった事を思い出した。
豪雨の中、刀で斬り合おうとしている二人の間に割って入ったら斬られて、もう死ぬ、と思った瞬間に斎藤さんが自分に・・・。
(赤い薬・・・・!)
そうだ、そうだった。
私は斎藤さんにあの赤い薬を飲まされて・・・・。
私は十六夜丸になったのだろうか?
でも斎藤さんはどうやってあの薬を手にいれたの?
あの時武尊は意識がもうろうとしていて斎藤が薬を飲ませる過程を見ていなかった。
でも、こうやって十六夜丸が私の目の前にいるって言う事は、あの薬を飲まされた後私は十六夜丸になったからと考える方が理屈に合う。
・・・・久々のあの酷い味。
武尊はあの酷い味と共に、斎藤が十六夜丸は治癒能力があると言っていたのを思い出した。
でも・・・私がここにいるって言う事は・・私、死んだってことだよね。
つまり、十六夜丸でも治せなかったという事だろうと、武尊は考えた。
まあ、たぶんすごい怪我だったと思うよ自分でも。あれだけ痛かったというか、熱かったというか、その瞬間自分でも死んだ!って思ったもんね。
でも死んだら自分が何処へ行くのかなんか考えたこともなかったけど、こういう所だったとは・・・・。
武尊はいきなり終わってしまった自分の人生に、ははっと笑うとへなへなと座り込んだ。
「おい、何やってんだ。」
気が抜けたように座り込んだ武尊に十六夜丸は言った。
武尊は武尊自身の姿は霊力不足の為見えてないが、十六夜丸にはしっかり見えている。
「だって・・・、私死んじゃったんでしょ?」
自嘲するように言う武尊に十六夜丸は
「まだ死んだわけじゃない・・・そうだな、生死の境をさまよっていると、いったところか。」
「え?」
武尊が顔をあげて十六夜丸を見上げた。
「明治 はお前がいた時代みたいな医者の力はないんだよ。俺は出来る事はやったが後はお前の身体次第だな。俺としてもお前がこのまま死なれちゃあ俺の腹が可哀想だ。」
「え?腹って・・・、あなた、私を食べるの?」
武尊は先ほど十六夜丸によって夢魔のように自分が犯されたことは記憶に残っていない。
その時間は十六夜丸の支配時間。
十六夜丸は眼と同じぐらい赤い舌をちろっと出して自分の唇を舐めると武尊を見下ろし、
「そう、俺の糧はお前の『気』・・・。」
(なんで?私はここにいるのに?)
と、首を下げて自分を見たら、ない!自分の体が!
手もない。
いや、グ-をすれば、グ-、パ-をすればパ-。
足だって思いっ切り地面の石を踏んづけている感触100%だ。
武尊は自分の足元からゆっくり、目の前の自分に視線を移した。
目の前にいるのはやっぱり自分だと、武尊はまじまじと見た。
でも、一つだけ違う。
その眼は鮮血のように赤い・・・・紅い眼・・・・。
「何をぽか-んとしてるんだよ。って言っても初めてか、俺を見るのは。」
と、相手が言った。
(誰?って言っても自分なのに・・・でも自分はここにいる・・・自分でない自分・・・・。)
若しかして死んだクロ-ン達の霊?
とも武尊は思ったが、斎藤の話をふと思い出した。自分と同じ顔で紅い眼・・。
「・・・十六夜丸。」
「御名答、やっとわかったか。」
「やっと・・・って。もったいぶらなくていいから早く言ってよ!わからないじゃないの!って、どうして私の姿なの?!それにここはどこ?」
「俺もまさか俺の支配時間外で宿主と話すなんて思ってもみなかったぜ。」
「宿主・・・って・・・、何・・・何の事よ・・・。そもそもあんたって誰!」
「いきなりうるさい女だ。」
「うるさくもなるわよ!あんたの所為で・・・私は・・・・っ。」
(十六夜丸の所為で私はたくさん人を殺した・・・・んだ・・。)
武尊は怒りと悲しみが込み上げ、その思いで胸が締め付けられた。
リ-ン・・・
また一振り鈴がなった。
不思議なことにその音は武尊の怒りも悲しみもふっと軽くした。
武尊はその不思議な音を追って辺りを見回した。
「あの音が気になるか?ここは・・・・あの世とこの世の間だ。」
と、十六夜丸が静かに言った。
「え・・・・・?」
武尊は思いもよらない言葉に驚き、十六夜丸を凝視した。
「あの鈴の音についていけばやがて三途の川に出る。」
武尊は鈴の音が消えて行った方を遠く、遠く見ながらそう言った。
武尊も十六夜丸と同じ方向を遠く見た。
武尊は小さいころより時折、あの鈴の音が聞こえていた。
あの澄んだ、心洗われるような、でも少し物悲しい音色。
武尊はその音が嫌いではなかった。
それがまさか、その音がここのもの・・・死者を導く音色だったなんて。
でも・・・なんでそんな音が小さい時より聞こえていたのだろう。
武尊がそう不思議に思っていると十六夜丸が、
「お前の不思議な力・・・その霊力。人間では選ばれた者が長い修行を積まないと得られない力。なぜお前がそんな力を手に出来たのか、今回・・・・お前に憑いていてその理由がわかった。それはお前が今立っている場所にある。」
そう言われて武尊は思わず足元を見た。
「そうじゃない武尊、お前の魂だ。お前の魂はこの場所につながっている・・・・だから時折何らかの理由でお前の波長が現世とここを繋いだ時に聞こえたのだろう。・・・ここは死者の世界。・・・お前、死人から生まれたんだろ?俺もまさか人間がそんな事が出来るようになるとは未だ信じられん。恐ろしいな人間っていうのは。」
武尊はその言葉に凍りついた。
武尊は何も言えず目を見開いて十六夜丸を見た。
武尊が一番負い目を感じていること。
それを言われた。
しかし、何故その事を十六夜丸が知っているのか。
武尊は固まりつつも先ほどの十六夜丸の言葉を思い出す。
(『お前に憑いた』って言った・・・それって私に憑りついたって事?)
その瞬間、武尊は今日自分に起こった事を思い出した。
豪雨の中、刀で斬り合おうとしている二人の間に割って入ったら斬られて、もう死ぬ、と思った瞬間に斎藤さんが自分に・・・。
(赤い薬・・・・!)
そうだ、そうだった。
私は斎藤さんにあの赤い薬を飲まされて・・・・。
私は十六夜丸になったのだろうか?
でも斎藤さんはどうやってあの薬を手にいれたの?
あの時武尊は意識がもうろうとしていて斎藤が薬を飲ませる過程を見ていなかった。
でも、こうやって十六夜丸が私の目の前にいるって言う事は、あの薬を飲まされた後私は十六夜丸になったからと考える方が理屈に合う。
・・・・久々のあの酷い味。
武尊はあの酷い味と共に、斎藤が十六夜丸は治癒能力があると言っていたのを思い出した。
でも・・・私がここにいるって言う事は・・私、死んだってことだよね。
つまり、十六夜丸でも治せなかったという事だろうと、武尊は考えた。
まあ、たぶんすごい怪我だったと思うよ自分でも。あれだけ痛かったというか、熱かったというか、その瞬間自分でも死んだ!って思ったもんね。
でも死んだら自分が何処へ行くのかなんか考えたこともなかったけど、こういう所だったとは・・・・。
武尊はいきなり終わってしまった自分の人生に、ははっと笑うとへなへなと座り込んだ。
「おい、何やってんだ。」
気が抜けたように座り込んだ武尊に十六夜丸は言った。
武尊は武尊自身の姿は霊力不足の為見えてないが、十六夜丸にはしっかり見えている。
「だって・・・、私死んじゃったんでしょ?」
自嘲するように言う武尊に十六夜丸は
「まだ死んだわけじゃない・・・そうだな、生死の境をさまよっていると、いったところか。」
「え?」
武尊が顔をあげて十六夜丸を見上げた。
「
「え?腹って・・・、あなた、私を食べるの?」
武尊は先ほど十六夜丸によって夢魔のように自分が犯されたことは記憶に残っていない。
その時間は十六夜丸の支配時間。
十六夜丸は眼と同じぐらい赤い舌をちろっと出して自分の唇を舐めると武尊を見下ろし、
「そう、俺の糧はお前の『気』・・・。」