「斎藤さん、ただいま帰りました！」



息せき切って階段を駆け上がってきた武尊は早速鯨波から得た情報を上司に報告する。



斎藤は武尊の報告が終わると



「こっちも何とか警備の警官をかき集めた所だ。俺は今から現場に警官を配備しに行って来るからな。」


と席を立った。



武尊は



「あ、斎藤さん・・・。」



と斎藤を呼び止める。



「どうした。」



「斎藤さん・・・・すみません、少し仮眠したいんですけど・・・・。」



と武尊は斎藤の目の色を伺いながら控えめにお願いしてみた。



すると意外にも



「当たり前だ。今日の仕事は夕方からが本番だ｡今のうちに仮眠しておけ。」



との返事。





そして斎藤はいつものように武尊の髪をクシャっとかきあげると自分をじっと見つめる武尊の目を少し目を細めて受け止め、






「・・・・・鍵は閉めていいからな。ゆっくり寝ていろ。」





と付け足し部屋を出た。