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3.甲板の上で (蒼紫・夢主)
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蒼紫は土岐といると心が軽くなることに気が付いた。
(お前は不思議な奴だな。)
横で普通に座禅している武尊を見ると悪いと思いつつもが少し笑ってしまいそうになった。
(俺の正体を知らないからなのか?)
忍集団の頂点に立つと自ずと周りが距離を置く。そういう環境が長かった蒼紫は武尊の無防備さが新鮮だった。
その時蒼紫にまたあの鈴の音が聞こえた。
船の上には風の音、波の音、船の音しかしないはずなのに、と蒼紫は周囲を見回したがやはり何もない。
この間と今、共通しているのは武尊だけ。
リーン・・
どうやら音は武尊の中から聞こえてくるようだ。
まさかとは思うが腹話術でもしているんじゃないか、と思った蒼紫は口元を確認する為武尊の顎をクイっと持ち上げた・・
途端・・
「うわああああ!」
っと言って武尊が覚醒し、一歩後ろへ飛んだら足がもつれて・・転がった。
「土岐、驚くのは俺の方だ。どうした、急に。」
「し、四乃森さん、今私に何かしました!?」
武尊が焦りながら聞く。
「少し顔に触れただけだが・・。」
(・・それか!)
と武尊は理由が分かった。
「四乃森さん・・・・。言うの忘れてましたけど、、、。」
この際、恥ずかしいとかは関係ない。
四乃森さんはどんな行動にでるかわからないから先に言っておかなければ。
二度とあんな痴態はごめんだ。
「私、感じやすいんです・・・、触られると弱いんです。四乃森さんは一度見てるからわかると思いますけど・・・私だってあちこちで欲情したくありません・・・。」
「過敏、ということか・・。難儀な体だな。」
「まあ・・・そうです。難儀だし、不可解だし、ほんと、すぐ生きていることをやめたくなる・・・・。変な私です。」
自分で自分のことを言うと悲しくなる気持ちが強くなる・・・いけないいけない、こんなことでは。
もう部屋に戻る頃合いかな・・・。
「そろそろ戻って休みませんか。」
と言って、武尊は立ち上がって、蒼紫の方を振り向くと
「あ、そうだ。変な私ついでにもう一つ。私、先ほど・・・・・。」
武尊は蒼紫の周りを回る四つの光の話をしようと思ったが解ってもらえないかもと思い
「いえ・・・なんでもありません。戻りましょう。」
蒼紫はゆっくり立ち上がりながら
「いくらお前が不可解でも手放す気になれぬ・・・。」
と言った。
「四乃森さん・・・?」
武尊は蒼紫を見上げる。
「何故かな・・。」
蒼紫は武尊の問いかけに答えず、独り言のようにつぶやいた。