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23.求心求唇 (斎藤・夢主・張)
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「斎藤さん?どうしたんですか。」
診療所から帰って来てからの斎藤は武尊から見ても不機嫌だ。
武尊が聞いても眉間にすごい縦じわを寄せて武尊を見る。
普通の人ならその顔を見ただけで即逃げ出すであろうが武尊はそれが別に自分に対して怒ってるわけではないのが分かるので平気だ。
「斎藤さん、何か考え事してるんだと思うんですけど、そのままでいいので聞いて欲しいことがあるんです。」
と、武尊は言った。
「先ほど川路から聞いたんですけどね、明日の夜会、軍のお偉いさんも参加するんですって。」
斎藤は机上で両手をあごの下で組んで武尊の方を見た。
もちろん、煙草を咥えたまま。
「昨日、築地へ行ったんですけどね、」
「築地だと?」
斎藤は昨日武尊が帰ってきた時、何も言ってなかったので、特に斎藤からも何をやっていたかなど聞かなかった。
「ええ、まだ私の勝手な推測の段階なんですけど例の武器密輸の件なんですけど、もうすでに取引が終わった後だと思うんです。」
武尊の言葉を聞いて斎藤の眼の色が不機嫌モードから仕事モードに戻る。
「続けろ。」
斎藤が話の先を促した。
「密輸された物・・・・確証はぜんぜんないんですけど海軍の船か、築地の海軍の施設の倉庫辺りにあるんじゃないかと思うんです。」
「まさかと思うが、仮にそうだとすれば見つからない訳だな。だが、何故そんなことになる。何も考えなしにそう考えたんじゃないんだろ。」
武尊は、実は・・・、と、道に迷った時隅田川で見た陸海両軍人の話と、そこから考えた自分の仮説を斎藤に話した。
それを聞いて斎藤は
「まあ・・・可能性はなきしもあらず、か。」
斎藤は紫煙を吐き出した。
「だが今の段階では警察は手は出せんな。」
「で、なんですけど、斎藤さん。」
武尊は机の向かい側に来て声のトーンを落として
「これも根拠なんてないんですけど、軍ってもともと武器を持っているじゃないですか。だから民間に対して武力を使うならわざわざ武器を密輸する必要がないと思うんです。と、すると、やっぱり今までの内戦みたいに政府相手に不満分子が反乱、若しくは武力を盾に要求する可能性があると思うんです。」
と、言った。
「夜会か・・・・。」
「そうなんです。明日の夜会は軍、警察のお偉いさん・・・・つまり明治政府の要人がたくさん来ますよね。ご婦人連れと言う面からしても混乱を起こしたら収集が付けにくいと思うんです。そこを狙われたらちょっと・・・。」
斎藤は武尊の考えに驚いていた。
どういう発想でそのような仮説を立てられるのか。
まして素人がこのような筋書きを立てられるわけがないのに、と。
そしてこの話は仮説の段階でしかないが、考えられない事ではない。
斎藤は
「放っては置けんな。」
と言って立ちあがった。
診療所から帰って来てからの斎藤は武尊から見ても不機嫌だ。
武尊が聞いても眉間にすごい縦じわを寄せて武尊を見る。
普通の人ならその顔を見ただけで即逃げ出すであろうが武尊はそれが別に自分に対して怒ってるわけではないのが分かるので平気だ。
「斎藤さん、何か考え事してるんだと思うんですけど、そのままでいいので聞いて欲しいことがあるんです。」
と、武尊は言った。
「先ほど川路から聞いたんですけどね、明日の夜会、軍のお偉いさんも参加するんですって。」
斎藤は机上で両手をあごの下で組んで武尊の方を見た。
もちろん、煙草を咥えたまま。
「昨日、築地へ行ったんですけどね、」
「築地だと?」
斎藤は昨日武尊が帰ってきた時、何も言ってなかったので、特に斎藤からも何をやっていたかなど聞かなかった。
「ええ、まだ私の勝手な推測の段階なんですけど例の武器密輸の件なんですけど、もうすでに取引が終わった後だと思うんです。」
武尊の言葉を聞いて斎藤の眼の色が不機嫌モードから仕事モードに戻る。
「続けろ。」
斎藤が話の先を促した。
「密輸された物・・・・確証はぜんぜんないんですけど海軍の船か、築地の海軍の施設の倉庫辺りにあるんじゃないかと思うんです。」
「まさかと思うが、仮にそうだとすれば見つからない訳だな。だが、何故そんなことになる。何も考えなしにそう考えたんじゃないんだろ。」
武尊は、実は・・・、と、道に迷った時隅田川で見た陸海両軍人の話と、そこから考えた自分の仮説を斎藤に話した。
それを聞いて斎藤は
「まあ・・・可能性はなきしもあらず、か。」
斎藤は紫煙を吐き出した。
「だが今の段階では警察は手は出せんな。」
「で、なんですけど、斎藤さん。」
武尊は机の向かい側に来て声のトーンを落として
「これも根拠なんてないんですけど、軍ってもともと武器を持っているじゃないですか。だから民間に対して武力を使うならわざわざ武器を密輸する必要がないと思うんです。と、すると、やっぱり今までの内戦みたいに政府相手に不満分子が反乱、若しくは武力を盾に要求する可能性があると思うんです。」
と、言った。
「夜会か・・・・。」
「そうなんです。明日の夜会は軍、警察のお偉いさん・・・・つまり明治政府の要人がたくさん来ますよね。ご婦人連れと言う面からしても混乱を起こしたら収集が付けにくいと思うんです。そこを狙われたらちょっと・・・。」
斎藤は武尊の考えに驚いていた。
どういう発想でそのような仮説を立てられるのか。
まして素人がこのような筋書きを立てられるわけがないのに、と。
そしてこの話は仮説の段階でしかないが、考えられない事ではない。
斎藤は
「放っては置けんな。」
と言って立ちあがった。