「・・・・ふぅ。」



武尊は斎藤が出て行った扉を見つめる。



そして

「あっ・・・・。」



思わず股間に手を当てた。



「大丈夫、染みてきてないや。」



きっと褌がなかったらズボンにシミを作ってしまったと思った。



中途半端に与えられた快感に物足りなさと身体の疼きを覚える武尊。








つらい・・・。







息を止め、両腕で腕に爪が食い込むほど自分を抱きしめた。
。



息を吐ききると深呼吸をして



「・・・・仕事しなくっちゃね。」



と立ち上がる。









斎藤が置いて行ったおにぎりを手に持ち窓際へ行く。



明るい陽射しが木々を照らし影が地に落ちる。



おにぎりをパクリながら武尊は目を細めて外を見る。









今は明治・・・。





私は何処へ行くのだろう。





未来・・・。





私の未来は何処にあるのだろう。








心が揺れる。






・・・・・・弱いな、私。



何かしていないと心が流されてしまいそうだと。



輝く日差しが嫌いになりそうだ。



・・・・・・闇に意識を沈めたい。



ちょっとだけそう思ってすぐにその思考をやめる。



（だめ・・・・。今は斎藤さんの部下として手足となる。自分のことは考えない・・・。）









武尊は息を思いっきり吸い込むと



「だあぁぁぁ！」



武尊は気合いを入れるためにグ－で拳を突き上げ・・・そのまま固まった。





（一人でやっても恥ずかしい・・・・。仕事しよっと・・・。）