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16.攻撃のお稽古 (時尾・夢主・斎藤)
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「武尊さん、月も出てますし、縁側で食べません?」
そう言って時尾はお茶とおはぎを運んできた。
「はい。」
そう言って縁側へ行くと満月より一日過ぎた月が空に明るい。
虫の音、蚊取り線香の匂い、
そしておはぎ。
平凡な街の人々の暮らし。
動乱が終わって十一年・・・。
これが幕末それぞれの人間が願った世界なのか。
そうでないにしても、もう幕末の頃には時は戻らない。
西南戦争も終わり国内も安定化へ向かってる時分、さらなる政府への反乱、まして志々雄が起こそうとしていた動乱を阻止する。
それが斎藤さんの悪即斬なのかな。
そんな思いを胸に腕を組み仁王立ちで夜空を仰ぐ武尊。
「どうぞ。」
と言われて時尾を見れば正座してお茶を武尊のほうに差し出しているところ。
「ありがとうございます。何もお手伝い出来てないのにすみません。」
しまった、気が利かなくて恥ずかしいと思いながら正座して武尊はおはぎを頂く。
「おいし-!」
おいしい、おいしい、と連発する武尊に時尾が照れ笑い。
最初武尊を女だと知った時、時尾は嫉妬した。
夫が今まで女を家に連れてくることは一度もなかった。
だが、今、目の前にいる武尊を見ても、不思議と憎む気持ちにはなれない。
ちょっと変わったところがあるとは思うものの、同性としてみても素直でかわいいと思う。
時尾は、おはぎを作っているとき、昔、父が
「お前は武家の娘。主人が妾を持っても正室として堂々と振舞わなければならない。」
と言っていたことを思い出した。
時尾は祖父も『妾は男の甲斐性』とよく言っていた。
私はそんなのは嫌・・・・と思いながらも武家に妾を持つ者も結構多かった。
そんな家柄に育ったにもかかわらず、いつかは夫に妾ができることを恐れていた。
が、この人なら、良いのかもしれない。
と、目の前でおいしそうにおはぎを頬張る武尊を見て時尾はそう思った。
「あ、時尾さん、明日早く出ます。」
と武尊が言うと時尾は
「では玄関におはぎと五郎さんの着替えを置いておきますので持って行ってもらってもいいでしょうか。」
「わかりました。」
おはぎを食べ終わり、お茶をごくごく飲んで武尊は時尾に言った。
「私が御給金もらって、お休み取れたら時尾さんと一緒にお出かけしたいな。」
「いいですね。私も武尊さんと御一緒してみたいですわ。」
そう言って二人は微笑んだ。
そう言って時尾はお茶とおはぎを運んできた。
「はい。」
そう言って縁側へ行くと満月より一日過ぎた月が空に明るい。
虫の音、蚊取り線香の匂い、
そしておはぎ。
平凡な街の人々の暮らし。
動乱が終わって十一年・・・。
これが幕末それぞれの人間が願った世界なのか。
そうでないにしても、もう幕末の頃には時は戻らない。
西南戦争も終わり国内も安定化へ向かってる時分、さらなる政府への反乱、まして志々雄が起こそうとしていた動乱を阻止する。
それが斎藤さんの悪即斬なのかな。
そんな思いを胸に腕を組み仁王立ちで夜空を仰ぐ武尊。
「どうぞ。」
と言われて時尾を見れば正座してお茶を武尊のほうに差し出しているところ。
「ありがとうございます。何もお手伝い出来てないのにすみません。」
しまった、気が利かなくて恥ずかしいと思いながら正座して武尊はおはぎを頂く。
「おいし-!」
おいしい、おいしい、と連発する武尊に時尾が照れ笑い。
最初武尊を女だと知った時、時尾は嫉妬した。
夫が今まで女を家に連れてくることは一度もなかった。
だが、今、目の前にいる武尊を見ても、不思議と憎む気持ちにはなれない。
ちょっと変わったところがあるとは思うものの、同性としてみても素直でかわいいと思う。
時尾は、おはぎを作っているとき、昔、父が
「お前は武家の娘。主人が妾を持っても正室として堂々と振舞わなければならない。」
と言っていたことを思い出した。
時尾は祖父も『妾は男の甲斐性』とよく言っていた。
私はそんなのは嫌・・・・と思いながらも武家に妾を持つ者も結構多かった。
そんな家柄に育ったにもかかわらず、いつかは夫に妾ができることを恐れていた。
が、この人なら、良いのかもしれない。
と、目の前でおいしそうにおはぎを頬張る武尊を見て時尾はそう思った。
「あ、時尾さん、明日早く出ます。」
と武尊が言うと時尾は
「では玄関におはぎと五郎さんの着替えを置いておきますので持って行ってもらってもいいでしょうか。」
「わかりました。」
おはぎを食べ終わり、お茶をごくごく飲んで武尊は時尾に言った。
「私が御給金もらって、お休み取れたら時尾さんと一緒にお出かけしたいな。」
「いいですね。私も武尊さんと御一緒してみたいですわ。」
そう言って二人は微笑んだ。