帰り道武尊の心の中は複雑で




何が正しく




何が間違っているのか




そればかりが堂々頭の中を巡った｡







気が付けば家の前。



「ただいま帰りました－｡」



武尊は裏口へ回る。



「あ、武尊さん、お帰りなさい。」



時尾が相変わらず優しい顔で迎える。



一瞬、自分がこの家の主人になった錯覚がする。



斎藤さんも家に帰るたびこんな嬉しい気持ちになるのかな。



「時尾さん！」



そう武尊は時尾の名前を呼ぶと時尾の腰に抱きつき持ち上げぐるぐる回った。



「武尊さん！」



驚く時尾をそのまま抱きしめ



「ただいま、武尊さん。」



と言った・・・・・・後に我に返り、



「武尊さん！ごめんなさい！別に変な意味じゃなくて！！『おかえりなさい』っていわれてなんか嬉しかっただけなんです！！えへへ・・・・。」



と、照れ笑いをした。






「今日は泊まっていかれるんでしょ？」



と聞かれ



「はい。」



と武尊が答えると、時尾が



「今日はおはぎを作ったんですよ｡後で一緒に食べましょう。」



と言われ、



「おはぎ？やった－！」



と飛び上がって喜ぶ武尊を見て時尾は武尊さんって子供みたいに可愛らしいと思ったのであった。