「ん・・・・。」




ぼんやりした意識で目を少し開く。



窓から差し込む太陽の光が室内に差し込んでいる。



ああ、今日も天気がいい・・・。






と思って・・・・。




「え！太陽の日差しがこんなに！？」



確か夜明け前にここへ帰って来て仮眠を・・・。



って、斎藤さんは？



と室内を見回すが斎藤はいない。




「って、いるわけないか、こんなに日が高いのに。」



ものすごい寝坊しっちゃったわけね・・・・。



何やってるんだろう、私。



自己嫌悪にどっぷりつかって立ち上がった。



その時扉が開いた。



「斎藤さん。」



「ようやく起きたか。」



「はい・・。すみません。」



そう言って頭を９０度下げたまま動かない。



斎藤は武尊が逆に寝ていてよかったと思った。



まさか四乃森が来るとは思っていなかったからだ。



四乃森に武尊を合わせたくない気持ちが斎藤にある。



「武尊、資料室に空の寿司桶と蕎麦のざるがある。張と一緒に返しに行ってお前は飯を食ってこい。」



そう言われ、顔をあげて斎藤を見る。



「え？出前取ったんですか？」



「いや、差し入れがあっただけだ。」



そう言って斎藤が武尊にお金を渡す。





ぐるるるる。




と武尊のお腹の虫が鳴る。



（もう！こんなときにまた都合よくなるなんて！しかも、また斎藤さんの前で！）



と慌てる武尊。



「お腹の虫は健全なようだな。」



と斎藤に言われ顔が真っ赤になる武尊。



「じゃあ、行ってきます｡」




「待て、武尊。俺はこれからまたアジトの捜索にでかける。帰りは遅くなる。今日はちゃんと帰れよ。」



と、最後に煙草を咥えながらジロっと武尊を睨んだ。



武尊は睨んでくれたことがちょっと嬉しいぐらいで



「はい。」



と、笑顔で返事をするとパタパタと下へ降りて行った。