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12.切ない思いを胸に (斎藤・夢主・時尾)
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熟睡した所為か、翌朝早くに目が覚めた武尊。
京都はもう少し寒かったのに。
たまたま寒気が通過しただけだったのかも。
今朝はむしろ晩夏の暑さが戻って来たみたいだ。
今日は制服着なくっちゃ、なのよねぇ~。
武尊はさらしを巻き、ズボンをはき、ベルトを締め、暑いからとシャツは着ないで制服の上着を着た。
でも、靴下は・・・・足袋か。
久々の洋装。
やっぱり、着やすいなぁ。
と少し嬉しくなる。
昨晩のイライラはどこへやら。
朝のすがすがしい空気が武尊の気持ちもすっきりさせる。
まだ、自分の他に物音がなかったので藤田夫婦はまだ寝ているんだと思い座禅を組む。
しばらくすると近づく足音がしたので目を開いて音のする方を見る。
「武尊、起きているか。」
「はい、おはようございます斎藤さん、早いですね。」
と言ったものの、斎藤もすでに制服姿であった。
「行くぞ。」
と言われ、もうそんな時間なのかと、思う。
なんせ時計がないから。
斎藤は武尊の制服姿を見ると、
「悪くないな。」
と言った。
「斎藤さん、時尾さんは?」
武尊の頭ではこの時代の女の人って旦那より早く起きて家事とかしている頭があったのだ。
「ああ、ちょっと・・・。」
と斎藤は口を濁す。
斎藤さんが口を濁すなんて珍しい事もあるものだと武尊は思った。
が、そういえば、昨日の時尾さんの首筋にあった赤い印が・・。
武尊はそれを思い出すと
「ああ-。」
と納得の声を出し、
「行きますか、斎藤さん。」
と武尊は立ち上がった。
外に出ても、ちらちら武尊は斎藤を見る。
先ほどのバツの悪そうな顔、斎藤さんもそういう顔が出来るんだ。
と思うと鬼の首を押さえた気分になる。
そんな武尊の視線に気が付き
「なんだ。」
と不機嫌そうな声で咎められる。
「いえ、別に~。」
とにやにや顔で言うと
「痛!」
とげんこつが飛んできた。
「阿呆。」
「気にしなくていいじゃないですか~!だってご夫婦なんでしょ?」
「・・・・お前は何とも思もわないのか。」
と、斎藤が聞くと武尊は急に真面目な声になり、
「仲良く連れ添っているご夫婦の関係にどうしろと。」
武尊は斎藤の前に出て立ち止まり、声をやわらげて
「それに、私は斎藤さんが今、こうやって無事生きていてくれていると言うだけで満足なんです。私は斎藤さんが好きだという気持ちは変わりませんし、斎藤さんが時尾さんとこれからもいい夫婦でいてくれることが私の願いなんです。私、時尾さんのこと、とてもいい人だと思いますから。」
と、斎藤の眼をまっすぐ見て言った。
「と、言うことで、遠慮なく一ヶ月お世話になりますが、どうか私のことは気になさらずじゃんじゃんやっちゃってくださいね-!」
武尊は自分の心の隅がちくちく痛むのを押さえながらそう言った。
そう言うしかなかった。
それが本心だから。
私は想うだけ、それだけでいい。
それにその大好きな人は目の前にいる。
夢ではなく、本当に私の目の前にいてくれる。
ここで踏ん切りをつけなくては。
私は決して藤田夫婦の幸せを壊す存在であってはいけない。
と、自分に言い聞かせた。
京都はもう少し寒かったのに。
たまたま寒気が通過しただけだったのかも。
今朝はむしろ晩夏の暑さが戻って来たみたいだ。
今日は制服着なくっちゃ、なのよねぇ~。
武尊はさらしを巻き、ズボンをはき、ベルトを締め、暑いからとシャツは着ないで制服の上着を着た。
でも、靴下は・・・・足袋か。
久々の洋装。
やっぱり、着やすいなぁ。
と少し嬉しくなる。
昨晩のイライラはどこへやら。
朝のすがすがしい空気が武尊の気持ちもすっきりさせる。
まだ、自分の他に物音がなかったので藤田夫婦はまだ寝ているんだと思い座禅を組む。
しばらくすると近づく足音がしたので目を開いて音のする方を見る。
「武尊、起きているか。」
「はい、おはようございます斎藤さん、早いですね。」
と言ったものの、斎藤もすでに制服姿であった。
「行くぞ。」
と言われ、もうそんな時間なのかと、思う。
なんせ時計がないから。
斎藤は武尊の制服姿を見ると、
「悪くないな。」
と言った。
「斎藤さん、時尾さんは?」
武尊の頭ではこの時代の女の人って旦那より早く起きて家事とかしている頭があったのだ。
「ああ、ちょっと・・・。」
と斎藤は口を濁す。
斎藤さんが口を濁すなんて珍しい事もあるものだと武尊は思った。
が、そういえば、昨日の時尾さんの首筋にあった赤い印が・・。
武尊はそれを思い出すと
「ああ-。」
と納得の声を出し、
「行きますか、斎藤さん。」
と武尊は立ち上がった。
外に出ても、ちらちら武尊は斎藤を見る。
先ほどのバツの悪そうな顔、斎藤さんもそういう顔が出来るんだ。
と思うと鬼の首を押さえた気分になる。
そんな武尊の視線に気が付き
「なんだ。」
と不機嫌そうな声で咎められる。
「いえ、別に~。」
とにやにや顔で言うと
「痛!」
とげんこつが飛んできた。
「阿呆。」
「気にしなくていいじゃないですか~!だってご夫婦なんでしょ?」
「・・・・お前は何とも思もわないのか。」
と、斎藤が聞くと武尊は急に真面目な声になり、
「仲良く連れ添っているご夫婦の関係にどうしろと。」
武尊は斎藤の前に出て立ち止まり、声をやわらげて
「それに、私は斎藤さんが今、こうやって無事生きていてくれていると言うだけで満足なんです。私は斎藤さんが好きだという気持ちは変わりませんし、斎藤さんが時尾さんとこれからもいい夫婦でいてくれることが私の願いなんです。私、時尾さんのこと、とてもいい人だと思いますから。」
と、斎藤の眼をまっすぐ見て言った。
「と、言うことで、遠慮なく一ヶ月お世話になりますが、どうか私のことは気になさらずじゃんじゃんやっちゃってくださいね-!」
武尊は自分の心の隅がちくちく痛むのを押さえながらそう言った。
そう言うしかなかった。
それが本心だから。
私は想うだけ、それだけでいい。
それにその大好きな人は目の前にいる。
夢ではなく、本当に私の目の前にいてくれる。
ここで踏ん切りをつけなくては。
私は決して藤田夫婦の幸せを壊す存在であってはいけない。
と、自分に言い聞かせた。