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10.藤田家へいらっしゃい (斎藤・夢主・時尾)
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外へ出るともう真っ暗で夜空にはあまたの星が輝いていた。
署に着いたときは夕方だったのに、
いったいどのくらい自分は気を失っていたのか。
それにしても秋の夜空の星ってこんなに多かったっけ?
「すご~い・・・・東京の空ってこんなに星が見えたんだ・・・・。」
武尊が思わず声に出して呟く。
「ん、なんだ?」
と斎藤に聞かれ慌てる武尊。
「いえ、なんでも・・・あはは。」
話を逸らそうとくるっと回ったとき視界に入ったのが東の方にくっきり輝く月。
月を見入るように見ている武尊の横に斎藤が来ると
「明日は満月だな。」
と呟く。
「ええ・・・。」
(そしてまた月が欠けて行く・・・。)
だけれども、もう武尊は怖くない。
二人は交わす言葉もなく斎藤の家に着いた。
『藤田』と表札がある垣根のある小さな家。
斎藤が玄関を開けるとタタタと足音がして一人の女がでて玄関で三つ指をそろえて座り
「おかえりなさい五郎さん。」
と挨拶をする。
「ああ、帰った。」
「あら、そちら様は?」
と聞く妻に斎藤は
「土岐武尊という。幕末からのよしみだ。今回俺の仕事を手伝う事になった。しばらく家に泊めるからいろいろ頼む。」
「はい、わかりました。」
「武尊、これが家内の時尾だ。」
と、斎藤が妻を武尊に紹介する。
「武尊さん、狭い家ですがご自宅と同じようにくつろいでくださいね。」
柔らかに微笑みながら武尊に話しかける時尾。
「武尊?」
斎藤は靴を脱ごうとしている所だったが武尊の反応がないので振り返って武尊を見た。
武尊は玄関に入ったところからの斎藤の動作、言葉に、なんというか・・・・本当にこれがあの斎藤さん?
と思うわけであって、そしてまた奥様が清楚で品があって、そして優しく、でも芯の強い人だと、直感でわかって、
そしてこの二人の間には深い絆があるような気がして、
自分がこの場にいるのは場違いな気がして、
その場で動くことが出来ずにいた。
自分は今どんな顔をしているのだろう。
心が痛い。
ここから逃げ出したい・・・。
「武尊さん?」
と、時尾が呼びかけて初めて、
「あ、土岐武尊です!お世話になります!よろしくお願いします!」
と我に返り、勢いよく時尾に礼をした。
「すみません、手ぶらで!」
「いいえ、気になさらず。さ、上がってくださいな。」
にこやかにほほ笑む時尾。
武尊はその笑顔をまじまじと見た。
本当に素敵な笑顔って、こういう笑顔のことを言うんだなぁ・・・。
やっぱ、・・・・・・かなわないや。
ふっ、と、武尊は笑うと
「お邪魔しま-す!」
と元気よく藤田宅にあがった。
署に着いたときは夕方だったのに、
いったいどのくらい自分は気を失っていたのか。
それにしても秋の夜空の星ってこんなに多かったっけ?
「すご~い・・・・東京の空ってこんなに星が見えたんだ・・・・。」
武尊が思わず声に出して呟く。
「ん、なんだ?」
と斎藤に聞かれ慌てる武尊。
「いえ、なんでも・・・あはは。」
話を逸らそうとくるっと回ったとき視界に入ったのが東の方にくっきり輝く月。
月を見入るように見ている武尊の横に斎藤が来ると
「明日は満月だな。」
と呟く。
「ええ・・・。」
(そしてまた月が欠けて行く・・・。)
だけれども、もう武尊は怖くない。
二人は交わす言葉もなく斎藤の家に着いた。
『藤田』と表札がある垣根のある小さな家。
斎藤が玄関を開けるとタタタと足音がして一人の女がでて玄関で三つ指をそろえて座り
「おかえりなさい五郎さん。」
と挨拶をする。
「ああ、帰った。」
「あら、そちら様は?」
と聞く妻に斎藤は
「土岐武尊という。幕末からのよしみだ。今回俺の仕事を手伝う事になった。しばらく家に泊めるからいろいろ頼む。」
「はい、わかりました。」
「武尊、これが家内の時尾だ。」
と、斎藤が妻を武尊に紹介する。
「武尊さん、狭い家ですがご自宅と同じようにくつろいでくださいね。」
柔らかに微笑みながら武尊に話しかける時尾。
「武尊?」
斎藤は靴を脱ごうとしている所だったが武尊の反応がないので振り返って武尊を見た。
武尊は玄関に入ったところからの斎藤の動作、言葉に、なんというか・・・・本当にこれがあの斎藤さん?
と思うわけであって、そしてまた奥様が清楚で品があって、そして優しく、でも芯の強い人だと、直感でわかって、
そしてこの二人の間には深い絆があるような気がして、
自分がこの場にいるのは場違いな気がして、
その場で動くことが出来ずにいた。
自分は今どんな顔をしているのだろう。
心が痛い。
ここから逃げ出したい・・・。
「武尊さん?」
と、時尾が呼びかけて初めて、
「あ、土岐武尊です!お世話になります!よろしくお願いします!」
と我に返り、勢いよく時尾に礼をした。
「すみません、手ぶらで!」
「いいえ、気になさらず。さ、上がってくださいな。」
にこやかにほほ笑む時尾。
武尊はその笑顔をまじまじと見た。
本当に素敵な笑顔って、こういう笑顔のことを言うんだなぁ・・・。
やっぱ、・・・・・・かなわないや。
ふっ、と、武尊は笑うと
「お邪魔しま-す!」
と元気よく藤田宅にあがった。