落ち着いた後、武尊は



「斎藤さん・・・・、激しすぎるよ・・・。」



と、ぼそっとこぼした。



「阿呆、俺はお前の望むままにしただけだぞ。」



と楽しそうに言う。




「いじわる・・・・。」



ああ、この性格は変わってないや・・・と、武尊は少し嬉しく思い、ふふっと笑った。




「ところで斎藤さん、どうして私の左肩に傷があるって知ってるんですか？」




斎藤はそれを聞いて少し厳しい目になって、




「そのうち話してやる。それに俺もその件に関しては聞きたいこともあるしな。」



と言った。




「十六夜丸が撃たれたの？」




「・・・・嗚呼。」




「ふ～ん。」





やっぱり・・・・、十六夜丸が撃たれたんだ。




やっと、自分の推測ではなく、一つの事実を掴んだ。





詳しいことは今は教えてくれないみたいだけどいつか話してくれそうだし、今はいいとするか｡




武尊の小さな満足はふう、というため息になった｡




斎藤の胸によりかかり斎藤も預けられる重さをただ感じていて、失われた今までの時間の埋め合わせをするように寄り添っていた。




しばらくして、その沈黙を破ったのは武尊｡