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1.港で待ち合わせ (蒼紫・翁・操・夢主)
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汽車の中。
武尊は外の景色が珍しくて窓に釘づけだ。
幕末に比べてたった十年ちょっとなのにものすごい進歩だ。
武尊は時代の変わり目のその早さに驚きを隠せない。
これが近代化文明ってやつか・・・。
だがこの近代化の先に待つのは世界を巻き込んでいく戦争・・・・。
江戸時代のまま時が止まってしまえばよかったのに・・・・。
そんなことも思う武尊であった。
だけど今やその武尊自身も時の流れによって流される一枚の花びらと同じ。
いろいろな思いが武尊の頭を交差していると
「土岐君。」
翁が呼んだ。
「あ、はい!」
「何か憂いを帯びているように思えてのう。何か心配ごとでもあるのじゃないかと・・・。」
「いえ、鉄道ってすごいなって。感激してたところです。」
だがそこで翁は声を小さくして武尊に話しかける。
「・・・・・土岐君。ちく-っと聞いてみたかったのじゃが。」
「はい。」
「蒼紫のこと、どう思う?」
「・・・・は?」
いきなり何を言い出すかと思えば・・・・。
「特にどうとは・・・・。第一印象は冷たくて怖い人っと思ったのですが今の印象は・・・。」
「印象は・・、どうじゃ。」
翁も武尊の言葉を興味深々で待つ。
「・・・・・変な人。」
と、言ってしまった。
しまった-っと思った。
仮にもお世話になった葵屋の、たぶんナンバ-2の座に在ろうと思われる人を『変な人』と、葵屋の御主人の前で言うなんて。
「いや、翁さん、あの、いや、四乃森さんはいい人だと思います。」
と、あたふたとフォローするが、武尊のフォロ-を聞いているのか聞いていないのか、翁は話を続ける。
「土岐君、お前さんが来てから少しの間じゃったが儂が思うに蒼紫は変わったように思えてのぅ。」
「いきなりあざ、つくられましたから・・・って嘘ですよ。もう怒ってませんから。(原因は十六夜丸・・・、つまり私だし。)」
「いやいや、そうではない。蒼紫は・・・少し前、いろいろあってのぅ。ここの所は禅寺へ通い詰めて話しかけるのもままならぬ様子じゃったんじゃ。」
「はあ・・・。」
「ところがじゃ、土岐君が来てから蒼紫の目に生気が戻ってきたようになったのじゃ。」
「・・・それはたまたま、四乃森さんが禅で心に悟ったものがあった時期と重なっただけだと思います。私はどちらかと言えば厄介者でしたので・・。」
武尊は少し寂しそうな顔でそう言った。
「そんなことはないぞ。操も土岐君と出かけるときは楽しそうじゃったし、土岐君を京都見物に連れて行ったときに蒼紫が来ると言ったときの操は本当嬉しそうじゃったし。これも土岐君が来てくれたからじゃからのぅ。」
翁はここで一息をついた。
「まあ、土岐君が見た通り蒼紫はああいう面があるがのぅ、葵屋の皆から慕われとる。」
「ええ、わかります。」
「蒼紫は儂らの家族のようなものじゃて。あやつの人生、これから少しは人並みに幸せになって欲しいと願っておる。そして儂もぼちぼち隠居したいと思っておるしのぅ。」
「操ちゃんは四乃森さんをとても慕っているみたいですからお二人で葵屋をついでいけば万々歳じゃないですか。」
「それがのぅ・・・。蒼紫はまだそこまでじゃないような感じでのう・・。もしかしたら、おなごを本気で好いたことがないからかもしれんからのぅ・・。」
「そんなことわかりませんよ~。でも、四乃森さん、普通は、ああいった物静かな方みたいですから、そっちの方は奥手でいらっしゃるとか・・・。」
武尊は自分でそう言ったものの、あの庵で蒼紫が自分にしたことをちらっと思い出した。
あれは奥手どころかかなり女の扱いに慣れたようだったけど・・・・・。
自分がどんなけ鳴かされたことか・・・・馬鹿武尊、今は思い出すな-!
「・・・でも、翁さん、四乃森さんは間違いなく操ちゃんを大事にしています。操ちゃんがもう少し色気づけばきっとうまくいきますよ!」
と、武尊は翁を元気づけるつもりでそう言った。
「いや・・・。土岐君、操はあれでも十六でのぅ。」
「え。」
(確かこの時代十六といえばお嫁に行っても全然おかしくない年頃って言うか、結婚適齢期?)
「翁さん、大丈夫ですよ~。四乃森さんも変わって来てるんでしょ?きっとうまくいきますよ~。はははは-。」
「・・・・で、武尊君、蒼紫のことどう思う?」
って、なんで、話もとに戻るんかい!翁さ-ん!
武尊は外の景色が珍しくて窓に釘づけだ。
幕末に比べてたった十年ちょっとなのにものすごい進歩だ。
武尊は時代の変わり目のその早さに驚きを隠せない。
これが近代化文明ってやつか・・・。
だがこの近代化の先に待つのは世界を巻き込んでいく戦争・・・・。
江戸時代のまま時が止まってしまえばよかったのに・・・・。
そんなことも思う武尊であった。
だけど今やその武尊自身も時の流れによって流される一枚の花びらと同じ。
いろいろな思いが武尊の頭を交差していると
「土岐君。」
翁が呼んだ。
「あ、はい!」
「何か憂いを帯びているように思えてのう。何か心配ごとでもあるのじゃないかと・・・。」
「いえ、鉄道ってすごいなって。感激してたところです。」
だがそこで翁は声を小さくして武尊に話しかける。
「・・・・・土岐君。ちく-っと聞いてみたかったのじゃが。」
「はい。」
「蒼紫のこと、どう思う?」
「・・・・は?」
いきなり何を言い出すかと思えば・・・・。
「特にどうとは・・・・。第一印象は冷たくて怖い人っと思ったのですが今の印象は・・・。」
「印象は・・、どうじゃ。」
翁も武尊の言葉を興味深々で待つ。
「・・・・・変な人。」
と、言ってしまった。
しまった-っと思った。
仮にもお世話になった葵屋の、たぶんナンバ-2の座に在ろうと思われる人を『変な人』と、葵屋の御主人の前で言うなんて。
「いや、翁さん、あの、いや、四乃森さんはいい人だと思います。」
と、あたふたとフォローするが、武尊のフォロ-を聞いているのか聞いていないのか、翁は話を続ける。
「土岐君、お前さんが来てから少しの間じゃったが儂が思うに蒼紫は変わったように思えてのぅ。」
「いきなりあざ、つくられましたから・・・って嘘ですよ。もう怒ってませんから。(原因は十六夜丸・・・、つまり私だし。)」
「いやいや、そうではない。蒼紫は・・・少し前、いろいろあってのぅ。ここの所は禅寺へ通い詰めて話しかけるのもままならぬ様子じゃったんじゃ。」
「はあ・・・。」
「ところがじゃ、土岐君が来てから蒼紫の目に生気が戻ってきたようになったのじゃ。」
「・・・それはたまたま、四乃森さんが禅で心に悟ったものがあった時期と重なっただけだと思います。私はどちらかと言えば厄介者でしたので・・。」
武尊は少し寂しそうな顔でそう言った。
「そんなことはないぞ。操も土岐君と出かけるときは楽しそうじゃったし、土岐君を京都見物に連れて行ったときに蒼紫が来ると言ったときの操は本当嬉しそうじゃったし。これも土岐君が来てくれたからじゃからのぅ。」
翁はここで一息をついた。
「まあ、土岐君が見た通り蒼紫はああいう面があるがのぅ、葵屋の皆から慕われとる。」
「ええ、わかります。」
「蒼紫は儂らの家族のようなものじゃて。あやつの人生、これから少しは人並みに幸せになって欲しいと願っておる。そして儂もぼちぼち隠居したいと思っておるしのぅ。」
「操ちゃんは四乃森さんをとても慕っているみたいですからお二人で葵屋をついでいけば万々歳じゃないですか。」
「それがのぅ・・・。蒼紫はまだそこまでじゃないような感じでのう・・。もしかしたら、おなごを本気で好いたことがないからかもしれんからのぅ・・。」
「そんなことわかりませんよ~。でも、四乃森さん、普通は、ああいった物静かな方みたいですから、そっちの方は奥手でいらっしゃるとか・・・。」
武尊は自分でそう言ったものの、あの庵で蒼紫が自分にしたことをちらっと思い出した。
あれは奥手どころかかなり女の扱いに慣れたようだったけど・・・・・。
自分がどんなけ鳴かされたことか・・・・馬鹿武尊、今は思い出すな-!
「・・・でも、翁さん、四乃森さんは間違いなく操ちゃんを大事にしています。操ちゃんがもう少し色気づけばきっとうまくいきますよ!」
と、武尊は翁を元気づけるつもりでそう言った。
「いや・・・。土岐君、操はあれでも十六でのぅ。」
「え。」
(確かこの時代十六といえばお嫁に行っても全然おかしくない年頃って言うか、結婚適齢期?)
「翁さん、大丈夫ですよ~。四乃森さんも変わって来てるんでしょ?きっとうまくいきますよ~。はははは-。」
「・・・・で、武尊君、蒼紫のことどう思う?」
って、なんで、話もとに戻るんかい!翁さ-ん!