翌日、孤島で緋村剣心と雪代縁は互いの真実と巴の笑顔をかけて闘った。




雪代縁がそこで知ったのは姉は今の自分には決して笑ってくれないという絶望。



一番最愛の姉が自分より自分を殺した男を選んだという事実。



悔しくて、悔しくて、苦しくて・・・。



一番憎んだ男を殺す事でしか人誅が達成されないはずだったのに、その言葉が縁の心に刺さった。



目的を失った行き場のない怒りに今までどんな事をしても流れなかった涙が溢れて地に落ちた。





そんな縁に胸を痛めながら剣心は思う。



縁をこのようにしてしまった原因は間違いなく巴を斬殺した拙者・・・。



だが巴が守ってくれたこの命、



例え縁に、



数多く奪った命に



許されることがなくても、



これからの自分の人生、



剣と心を賭し、完遂する・・・・｡





それが拙者が導き出した人斬りの罪を償う答え｡



そして、人々皆というのは無理かもしれない・・、が、せめて自分の目に映る人が、弱きものが苦しんでいる人がいるなら、守りたい・・・。




いや、守って見せる。




縁・・・、きっと巴は見守ってくれるから・・・巴の魂はいつも縁を見守ってくれているから・・・・生きるでござるよ、縁。




そして縁もいつか巴の笑顔があるように｡






そんな思いを胸に警官に連れて行かれる縁を見送る剣心。




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警視庁の船は往路と同じ長い時間をかけ航行し、ようやく東京湾へ入った。






丁度その頃、雪代縁は巴の日記張と共にに行方不明となった・・。