※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
38.ザ・忍者 (蒼紫・夢主)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
出港の汽笛が鳴った。
水面に蒸気機関の振動が海面に波を起こしそれが海岸に打ち付ける。
「ねぇ、緋村、蒼紫様を見なかった?」
「いや、見ていないでござる。どうかしたのでござるか操殿。」
「蒼紫様がいないの。」
操が泣きそうな顔で剣心に言った。
先に船に乗ってつい緋村や弥彦と話し込んでしまったけど、気が付けばなかなか姿を見せない蒼紫に操は心配になって甲板を一周してきたところだった。
「蒼紫が操殿を置いていくことなどござらんよ。安心するでござるよ。」
と剣心は言った。
「そうだぜ、お前なんか野放しにしたら俺達迷惑・・・・。」
「なんですって~!弥彦ぉぉおお!」
くわっと、弥彦に向かって拳をグーにする操。
「おとなしくしなさいよ。あなたも女の子なんだから。」
と恵が操を諭すように言った。
「私、今度は中のほう探してくるね。」
と言って操は船室の方へ走って行った。
気が付けば日はとっくの昔に落ちており紫色の空が徐々に青くなって星が瞬き始めていた。
すっかり蒼紫の話に夢中になっていて時間の事を忘れていた、と武尊は焦っていた。
船着き場までは距離500mといったところか。
斎藤さんの見送りもすっかり忘れていた。
しまったと思いつつも今はそれどころではない。
武尊は全速力で走った。
「四乃森さん、すみません!私が余計なこと言いだしたばかりに!」
と走りながら武尊は蒼紫に言った。
「気にするな。まだ間に合う。」
(え、間に合うってなんか、船、なんだか出港しちゃったように見えるんだけど・・・。)
だが全速力で走っているためそれ以上の思考は無理だ。
「武尊・・・。」
武尊の横で蒼紫が走りながら声をかける。
「はいっ。」
とりあえず返事をするが横を向く余裕など武尊にはない。
「後、これだけは言っておく。俺は武尊の気持ちを優先して斎藤との仲を見守ってはいるが、諦めたわけではないからな。」
(え?はい~~っ?!この状況で聞いても頭に入って来ません-っ!)
と思っていたら、横を走っていた蒼紫が武尊とどんどん距離を離して走っていく。
(うそ-!)
自慢ではないが、遺伝子操作の所為もあって運動能力には決して劣るという訳ではないと思っている武尊。
400mのタイムだったら男子オリンピックの競技にも出場できるほどだ。
ただ、体力が続かないのでそうそうそんなことはしないのだが・・、今日は別。
蒼紫を置いてけぼりにさせるわけにはいかないと、とりあえず死ぬ気で走るが、それをさらに上回る速さで駆け抜ける蒼紫に武尊は驚いた。
(見たことないこんな人!)
蒼紫が乗船場に着く頃にはすでに船は岸から十数メートル離れてしまっていた。
(ああ、船、もう出ちゃってる・・・どうしよう!あっ、あれってもしかして斎藤さん!?)
すみれ色の空に黒い船影。
甲板の一番岸に近い所に人影が一つ。
その黒い影が斎藤さんだと分かった。
(斎藤さん、船とめて-!)
そんなこと無理と分かっていてもつい思ってしまう。
そう思いつつ武尊が後ろから蒼紫を見ていると、蒼紫はそのままのスピードで船に向かって・・・・・。
(と、飛んだ----ぁ?!!)
ふわっと舞い上がるよう飛んだ蒼紫はそのまま甲板に着地した。
(うっそぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!)
信じられない!
今日はいろいろ驚いて、うっそ-と言った気がするが、これが今日一番驚いたうっそ-である。
武尊は自分の目を疑った。
乗船場の端までとりあえず息を切らしながら走った。
そのころにはすでに30mは船は岸から離れていた。
(よ・・・よかった・・・四乃森さん間に合って・・・・。)
ぜ-ぜ-は-は-、言いながら武尊は前かがみで膝に手にを付いたが、斎藤を見送らねばと、
「いって・・(ぜ-ぜ-は-は-) らっしゃ-い! (ぜ-ぜ-は-は-)」
力いっぱいの声を振り絞り甲板の斎藤に手を振った。
水面に蒸気機関の振動が海面に波を起こしそれが海岸に打ち付ける。
「ねぇ、緋村、蒼紫様を見なかった?」
「いや、見ていないでござる。どうかしたのでござるか操殿。」
「蒼紫様がいないの。」
操が泣きそうな顔で剣心に言った。
先に船に乗ってつい緋村や弥彦と話し込んでしまったけど、気が付けばなかなか姿を見せない蒼紫に操は心配になって甲板を一周してきたところだった。
「蒼紫が操殿を置いていくことなどござらんよ。安心するでござるよ。」
と剣心は言った。
「そうだぜ、お前なんか野放しにしたら俺達迷惑・・・・。」
「なんですって~!弥彦ぉぉおお!」
くわっと、弥彦に向かって拳をグーにする操。
「おとなしくしなさいよ。あなたも女の子なんだから。」
と恵が操を諭すように言った。
「私、今度は中のほう探してくるね。」
と言って操は船室の方へ走って行った。
気が付けば日はとっくの昔に落ちており紫色の空が徐々に青くなって星が瞬き始めていた。
すっかり蒼紫の話に夢中になっていて時間の事を忘れていた、と武尊は焦っていた。
船着き場までは距離500mといったところか。
斎藤さんの見送りもすっかり忘れていた。
しまったと思いつつも今はそれどころではない。
武尊は全速力で走った。
「四乃森さん、すみません!私が余計なこと言いだしたばかりに!」
と走りながら武尊は蒼紫に言った。
「気にするな。まだ間に合う。」
(え、間に合うってなんか、船、なんだか出港しちゃったように見えるんだけど・・・。)
だが全速力で走っているためそれ以上の思考は無理だ。
「武尊・・・。」
武尊の横で蒼紫が走りながら声をかける。
「はいっ。」
とりあえず返事をするが横を向く余裕など武尊にはない。
「後、これだけは言っておく。俺は武尊の気持ちを優先して斎藤との仲を見守ってはいるが、諦めたわけではないからな。」
(え?はい~~っ?!この状況で聞いても頭に入って来ません-っ!)
と思っていたら、横を走っていた蒼紫が武尊とどんどん距離を離して走っていく。
(うそ-!)
自慢ではないが、遺伝子操作の所為もあって運動能力には決して劣るという訳ではないと思っている武尊。
400mのタイムだったら男子オリンピックの競技にも出場できるほどだ。
ただ、体力が続かないのでそうそうそんなことはしないのだが・・、今日は別。
蒼紫を置いてけぼりにさせるわけにはいかないと、とりあえず死ぬ気で走るが、それをさらに上回る速さで駆け抜ける蒼紫に武尊は驚いた。
(見たことないこんな人!)
蒼紫が乗船場に着く頃にはすでに船は岸から十数メートル離れてしまっていた。
(ああ、船、もう出ちゃってる・・・どうしよう!あっ、あれってもしかして斎藤さん!?)
すみれ色の空に黒い船影。
甲板の一番岸に近い所に人影が一つ。
その黒い影が斎藤さんだと分かった。
(斎藤さん、船とめて-!)
そんなこと無理と分かっていてもつい思ってしまう。
そう思いつつ武尊が後ろから蒼紫を見ていると、蒼紫はそのままのスピードで船に向かって・・・・・。
(と、飛んだ----ぁ?!!)
ふわっと舞い上がるよう飛んだ蒼紫はそのまま甲板に着地した。
(うっそぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!)
信じられない!
今日はいろいろ驚いて、うっそ-と言った気がするが、これが今日一番驚いたうっそ-である。
武尊は自分の目を疑った。
乗船場の端までとりあえず息を切らしながら走った。
そのころにはすでに30mは船は岸から離れていた。
(よ・・・よかった・・・四乃森さん間に合って・・・・。)
ぜ-ぜ-は-は-、言いながら武尊は前かがみで膝に手にを付いたが、斎藤を見送らねばと、
「いって・・(ぜ-ぜ-は-は-) らっしゃ-い! (ぜ-ぜ-は-は-)」
力いっぱいの声を振り絞り甲板の斎藤に手を振った。