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30.お買いものについていく (比古・翁・時尾・夢主)
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(さて、用は済んだ、万寿でも調達して帰るとするか。)
と思い歩いていると、
「これは比古殿。」
と向かいの辻道から出て来た男に声をかけられた。
「葵屋の翁か。先日は世話になったな。」
「いやいや大したことでは。土岐君はちゃんと東京へ向かわせましたぞ。」
「すまねぇな、面倒をかけて。」
そんな挨拶を交わしながら二人は行く方向が同じと見えて並んで歩く。
翁は歩きながらふと、
(・・・・比古清十郎、人を避け山に暮らすこの男にとって一体土岐君がどのような立場にある人間なのか、探索方として・・・否、葵屋を仕切るものとして知りたい所よのぅ。以前比古殿が土岐君を連れてきたときにはあまり気にしなかったが、土岐君が女だと知った今、その辺を確かめておかなくては・・・操の為にも蒼紫の為にも。)
と思っていると、比古に
「翁、言いたいことがあったらさっさと言え。」
と言われた。
翁は
(御庭番京都探索方であるこの儂の心までも御見通しということかの、噂に違わず大した洞察力じゃわい。)
と驚きながらものらりくらりと話をする。
「比古殿。何日か土岐君を葵屋で世話をさせてもらったのじゃが、いい子じゃった。」
と言うと、比古は、そうだろう、そうだろうと頷く。
「儂がもう少し若ければ嫁にと思うたんじゃがのぅ。」
と、ちらっと意味深に翁が比古を見て言うと比古が、
「爺は及びじゃないぜ。」
と鼻で笑う。
翁が
「いやいや儂としては結構本気なんじゃがのぅ。」
と言うと、
「武尊が俺の所に戻ってくる前なら、遊びなら場合によっては目をつむってやるが・・・だがそうでないなら・・・。」
比古は一瞬翁を本気で睨むが、すぐ前を向いてこう言った。
「ま、心配することはねぇ。武尊は俺しか選ばない。」
と、言い切った。
(噂に違わぬ自信家じゃのぅ。だがこれで比古殿が土岐君をどう思っているのかがわかったぞぃ。)
心でため息をつきながら翁は
(蒼紫よ・・・、早く操と帰って来い。東京で遊んでおるには長すぎるぞい。)
と思った。
そんな頃、東京で比古のそれぞれの弟子がまだ会うことなく、大事件に巻き込まれているという事を二人は知る由もなかった。
と思い歩いていると、
「これは比古殿。」
と向かいの辻道から出て来た男に声をかけられた。
「葵屋の翁か。先日は世話になったな。」
「いやいや大したことでは。土岐君はちゃんと東京へ向かわせましたぞ。」
「すまねぇな、面倒をかけて。」
そんな挨拶を交わしながら二人は行く方向が同じと見えて並んで歩く。
翁は歩きながらふと、
(・・・・比古清十郎、人を避け山に暮らすこの男にとって一体土岐君がどのような立場にある人間なのか、探索方として・・・否、葵屋を仕切るものとして知りたい所よのぅ。以前比古殿が土岐君を連れてきたときにはあまり気にしなかったが、土岐君が女だと知った今、その辺を確かめておかなくては・・・操の為にも蒼紫の為にも。)
と思っていると、比古に
「翁、言いたいことがあったらさっさと言え。」
と言われた。
翁は
(御庭番京都探索方であるこの儂の心までも御見通しということかの、噂に違わず大した洞察力じゃわい。)
と驚きながらものらりくらりと話をする。
「比古殿。何日か土岐君を葵屋で世話をさせてもらったのじゃが、いい子じゃった。」
と言うと、比古は、そうだろう、そうだろうと頷く。
「儂がもう少し若ければ嫁にと思うたんじゃがのぅ。」
と、ちらっと意味深に翁が比古を見て言うと比古が、
「爺は及びじゃないぜ。」
と鼻で笑う。
翁が
「いやいや儂としては結構本気なんじゃがのぅ。」
と言うと、
「武尊が俺の所に戻ってくる前なら、遊びなら場合によっては目をつむってやるが・・・だがそうでないなら・・・。」
比古は一瞬翁を本気で睨むが、すぐ前を向いてこう言った。
「ま、心配することはねぇ。武尊は俺しか選ばない。」
と、言い切った。
(噂に違わぬ自信家じゃのぅ。だがこれで比古殿が土岐君をどう思っているのかがわかったぞぃ。)
心でため息をつきながら翁は
(蒼紫よ・・・、早く操と帰って来い。東京で遊んでおるには長すぎるぞい。)
と思った。
そんな頃、東京で比古のそれぞれの弟子がまだ会うことなく、大事件に巻き込まれているという事を二人は知る由もなかった。