※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
2.望むもの、それは絶対的な死 (比古・夢主)
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見えない手。
だけどその手を掴もうと手を伸ばした時、
電気が・・いや、太い電柱が身体をつき抜けた感じがした。
海に叩きつけられて死んだ。そう思った。
でも目を覚ませば・・そこはどう見ても死後の世界ではないみたいで、、、林の中?
痺れが残っててまだ身体動かないけが目に写る景色は木が上に向かって枝を広げている。
見える角度で自分が倒れていることを自覚する。
(海はどこ?)
波の音も海の匂いもしない。
代わりに土の匂いが近くからするだけ・・。
そんなことを考えていると
顔がくすぐったい。
目だけ下を向けるとザトウムシが自分の顔を踏んづけて揚揚と横切っていく。
なんで海じゃないところにいるんだろうと思いつつ、今日の出来事を思い出してみる。
朝までは今までと同じ自分でいられたのに。
それなのにいきなり突きつけられた自分の身の上。
もう自分は人ではない。
『虫けら以下』と言う言葉が武尊を深く傷つけた。
今この世に生きるすべての生き物、例え今自分の顔を横切ったちいさな虫でさえその命が輝いてみえる。
自分はこの世にあってはいけない存在・・・。
くやしくさと悲しさで溢れる涙を少し動かせるようになった右手で拭うように泣いた。
カサッ
不意に感じた気配と足音に武尊は反射的に反応した。
音のする方に対して立ち上がって構えを取ろうとしたがまだしびれが残っててよろめいて膝をついた。
武尊の目は音をさせたものをみて驚いた。
長身でやたら目が鋭い男。
圧倒する迫力・威圧感。
(雰囲気が只者ではない・・・・何者?)
白いマントの男が半歩前へ出ると武尊は無意識に半歩下がる。
武尊の神経はこの空気で無意識に戦闘モードに入っていた。
だが、白マント中、左足の横に見た木刀を見たた瞬間、何故それが本物の刀だと思ったのだろうか。
(この男はたぶんものすごく強い・・・・。この男が刀を振るうその先には絶対的な死があるはず・・・。)
と、思った。
(今こそ私を自由に・・)
願いを叶えるため、武尊は今まで相手にぶつけていた『気』を解いてその男にお願いした。
「私を殺してください。」