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17.半分どうぞ (蒼紫・夢主)
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蒼紫は武尊が気をやって寝てしまっている間ずっと考えていた。
武尊が十六夜丸だとしたら、どうしても合点がいかない十年前と変わらぬ容姿。
そして十六夜丸だったとしてもまるでないその記憶。
最初は言い逃れの為の嘘だとも思っていたが、その本人だとしたらあまりにも弱すぎる。
どれ一つとっても解決することはない。
蒼紫の頭を以てもすべてが不可解。
そしてなにより女なのだ、土岐は・・・。
それだけが自分の手でそれを確かめた事実。
蒼紫は手の中のおにぎりを一口、口にする。
「土岐、幕末の頃、お前とよく似た姿の者に会った。だがそれは十年前の事。お前がそいつと言うのなら容姿が一致しない。なのにどうしてお前は同一人物だと断言するのか。他にもいろいろ不可解な点がある。が、今はそれを解明するものが何もない。・・・よって、経過観察だ。逆に手伝ってやってもいい。お前が知りたいという・・・・十六夜丸の所業を。」
武尊は蒼紫が言った十六夜丸の名前に一瞬青くなり、思わず振り返った。
「どうしてその名前を?本人から聞いたの?」
「容姿から辿ればおのずと噂される人物の名前ぐらいは上がって来る。」
「ではどんな人物だったかも聞いたでしょう?教えてくれませんか?」
「では交換条件を出そう。お前の隠していることを話せ。」
「別に隠しているわけでは・・・・。」
(話すと、ものすご~~~く長くなりそうで・・・・。特に四乃森さん、根ほり葉ほり聞いてくるし・・・。でも、新しい情報は知りたいし・・・)
武尊は腕を組んで、う~~ん、と考える。
(だめだ、いい考えが浮かばない。)
(こんなときはこう言うんだったっけ、『前向きに検討します。』、・・・・な-んてね。)
「考えさせてください。」
(とりあえずこう言っておこう・・・。今、本当、考える力・・0%・・。)
そしてコートを蒼紫に手渡し、一礼し、
「四乃森さん、コートありがとうございました。もう日が落ちますね。帰りましょう。操ちゃんたちが心配します。」
帰り道、武尊が進んだ後を少し遅れて歩く蒼紫。
少し歩いて武尊は立ち止って蒼紫に言った。
「一つだけ確かな事があります。今の私は勝手に十六夜丸になんかなったりしない。だから安心してください・・って言っても信じるか信じないかは四乃森さん次第ですが・・・・ぁ・・
・・・っ、くしゅん!」
辺りはすでに暗くなって冷たい風がヒュっと吹いた。。
冷えると思ったら空には澄み渡る空に月と星。
その明るさに思わず見上げた月に向かって語りかけた。
(あなたはすべてを見て来たんでしょう?そしてこれからも。町に来て数日だけど既に前途多難です・・・・私が約束守れず死んじゃったら・・私の死を比古さんに優しく伝えてくださいね・・・。)
武尊が十六夜丸だとしたら、どうしても合点がいかない十年前と変わらぬ容姿。
そして十六夜丸だったとしてもまるでないその記憶。
最初は言い逃れの為の嘘だとも思っていたが、その本人だとしたらあまりにも弱すぎる。
どれ一つとっても解決することはない。
蒼紫の頭を以てもすべてが不可解。
そしてなにより女なのだ、土岐は・・・。
それだけが自分の手でそれを確かめた事実。
蒼紫は手の中のおにぎりを一口、口にする。
「土岐、幕末の頃、お前とよく似た姿の者に会った。だがそれは十年前の事。お前がそいつと言うのなら容姿が一致しない。なのにどうしてお前は同一人物だと断言するのか。他にもいろいろ不可解な点がある。が、今はそれを解明するものが何もない。・・・よって、経過観察だ。逆に手伝ってやってもいい。お前が知りたいという・・・・十六夜丸の所業を。」
武尊は蒼紫が言った十六夜丸の名前に一瞬青くなり、思わず振り返った。
「どうしてその名前を?本人から聞いたの?」
「容姿から辿ればおのずと噂される人物の名前ぐらいは上がって来る。」
「ではどんな人物だったかも聞いたでしょう?教えてくれませんか?」
「では交換条件を出そう。お前の隠していることを話せ。」
「別に隠しているわけでは・・・・。」
(話すと、ものすご~~~く長くなりそうで・・・・。特に四乃森さん、根ほり葉ほり聞いてくるし・・・。でも、新しい情報は知りたいし・・・)
武尊は腕を組んで、う~~ん、と考える。
(だめだ、いい考えが浮かばない。)
(こんなときはこう言うんだったっけ、『前向きに検討します。』、・・・・な-んてね。)
「考えさせてください。」
(とりあえずこう言っておこう・・・。今、本当、考える力・・0%・・。)
そしてコートを蒼紫に手渡し、一礼し、
「四乃森さん、コートありがとうございました。もう日が落ちますね。帰りましょう。操ちゃんたちが心配します。」
帰り道、武尊が進んだ後を少し遅れて歩く蒼紫。
少し歩いて武尊は立ち止って蒼紫に言った。
「一つだけ確かな事があります。今の私は勝手に十六夜丸になんかなったりしない。だから安心してください・・って言っても信じるか信じないかは四乃森さん次第ですが・・・・ぁ・・
・・・っ、くしゅん!」
辺りはすでに暗くなって冷たい風がヒュっと吹いた。。
冷えると思ったら空には澄み渡る空に月と星。
その明るさに思わず見上げた月に向かって語りかけた。
(あなたはすべてを見て来たんでしょう?そしてこれからも。町に来て数日だけど既に前途多難です・・・・私が約束守れず死んじゃったら・・私の死を比古さんに優しく伝えてくださいね・・・。)