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1.今再び時を越えて (斎藤・研究所の人間・夢主・比古)
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武尊はバタンとノートパソコンを閉じ自室を出た。
非常口はこっち。
ああ・・・もう・・・くまさんスリッパ走りにくい!
それに、肩・・・・痛っ・・・。
地上は五階(地下四階)の研究所を出る寸前に非常ベルが鳴る。
(見つかった・・!?)
捕まったらたぶんもう二度と自由は訪れないだろう・・・・そんな予感がした。
かといってどこへ逃げる?
車道を車で追われたら一発で見つかる。
(海・・・・!)
ただ海へ。
何の根拠もなかったが鉄条網をよじ登って超え、道路わきから笹をこいで海の方へ向かった。
武尊が研究所を急いで出て行ったことはモニターで映っていたから早々にばれた。
SPの二人のスマホにコントロールルームから連絡が入る。
【武尊を追え。】
武尊の位置情報も逐次送られた。
**************
北海道の日本海側は断崖が多い。
海の方向へ向かって木々の間を抜けていったら崖に出た。
下から吹き上げる海風。
波が砕け散る音が地に響く。
もうこれ以上は進めない。
(私って何だったんだろう・・。)
逃げる間にずっと考えていた自分自身の存在の意味を。
万物の輪廻を破って人の手によって作り出された”物”、そう”物”なのだ。
この身体に人と変わらぬ血が流れていようとも。
しかし、今の人間社会では世界中どこへ行ってもクローンを人間として扱ってくれることはない。
(どうりでやけに大事に扱われてきたわけだ、人間ではなく現代科学の結晶だもんな・・・・。)
そしてこれから自分に対して行われようとしていることを考えると、
(私はこの世に生きていてはいけない存在なのかもしれない。人として生きていけなくても、死んでしまえばその【死】をはこの大地に生きとし生けるものと同じく私の肉体を自然に帰してくれるだろうか。)
武尊は断崖の縁に立った。
「待て!」
振り向きたくなかったが振り向いた。
SP二人と後ろから息せき切って走ってくる白衣が数名。
以外に早く見つかったと思ったが、今の武尊にとってそんなことはどうでも良かった。
武尊は今まで信頼していたスタッフが裏では違う意味で自分のことを見ていたと思うと研究所の人間を見るだけでイライラした。
「私のこと、、知ってたんでしょ?」
武尊にそう言われて思わずその場から動けないSP二人。
「可哀想だと思うなら最後ぐらいは私の自由にさせて。」
その時汚い声を荒げながら所長が走ってきた。
「武尊、(ゼーハー。)データを見たなら話は早い。お前は選ばれたんじゃ、神に。」
どの口がそんなことを言う、と武尊は呆れた。
「散々違法な人体実験をしておいて今更何を。」
と冷たい目で所長を見た。
「いいか、武尊。人類の進歩とは常に犠牲の上にあるものなのじゃ。お前たちのおかげで何十、何百の命が助かったと思っているのじゃ。」
(だからって。)
きれいごとを聞いても武尊の心は動かなかった。
「その犠牲でどれだけ儲けたの?」
「研究開発には巨額の金がかかる。売れる物は売っていくのが当たり前じゃ。特に若返りの薬はのぅ、金を注ぎ込む金持ちはいくらでもおる。ブタとか魚とかではなく若い人間の女の物を使ってできるものは効果も抜群じゃ~。ひょっひょっひょっ。」
武尊は何を使ってそんな薬を作っているのが知ってしまったので考えると具合が悪くなった。
この人たち狂ってる・・・!
気持ち悪い・・・・・。
・・・・人間は・・・・汚い・・・・。
武尊の中で人間に対する嫌悪と怒りが急激に膨らんだ。
自分の言葉がどんなに武尊を不快にさせたかも分からず、
「さっ、馬鹿なことは考えずにこっちにくるんじゃ。」
と、あっさり所長は言った。
武尊は目の前にいる『人間』達がじりじり自分に迫って来るのに嫌悪感で動けないでいた。
武尊は次第に周りを囲まれる。
10分ぐらい続いた膠着状態しびれを切らした所長が
「早く来こんか!虫けら以下のくせに!何様じゃと思っとるんじゃ!行け!」
所長の命令と同時にSPが武尊に飛び掛かった。
が、武尊の方が反応が早かった。
武尊は後ろへ跳んだ。
そしてそのまま下に落ちて行って・・・・。
非常口はこっち。
ああ・・・もう・・・くまさんスリッパ走りにくい!
それに、肩・・・・痛っ・・・。
地上は五階(地下四階)の研究所を出る寸前に非常ベルが鳴る。
(見つかった・・!?)
捕まったらたぶんもう二度と自由は訪れないだろう・・・・そんな予感がした。
かといってどこへ逃げる?
車道を車で追われたら一発で見つかる。
(海・・・・!)
ただ海へ。
何の根拠もなかったが鉄条網をよじ登って超え、道路わきから笹をこいで海の方へ向かった。
武尊が研究所を急いで出て行ったことはモニターで映っていたから早々にばれた。
SPの二人のスマホにコントロールルームから連絡が入る。
【武尊を追え。】
武尊の位置情報も逐次送られた。
**************
北海道の日本海側は断崖が多い。
海の方向へ向かって木々の間を抜けていったら崖に出た。
下から吹き上げる海風。
波が砕け散る音が地に響く。
もうこれ以上は進めない。
(私って何だったんだろう・・。)
逃げる間にずっと考えていた自分自身の存在の意味を。
万物の輪廻を破って人の手によって作り出された”物”、そう”物”なのだ。
この身体に人と変わらぬ血が流れていようとも。
しかし、今の人間社会では世界中どこへ行ってもクローンを人間として扱ってくれることはない。
(どうりでやけに大事に扱われてきたわけだ、人間ではなく現代科学の結晶だもんな・・・・。)
そしてこれから自分に対して行われようとしていることを考えると、
(私はこの世に生きていてはいけない存在なのかもしれない。人として生きていけなくても、死んでしまえばその【死】をはこの大地に生きとし生けるものと同じく私の肉体を自然に帰してくれるだろうか。)
武尊は断崖の縁に立った。
「待て!」
振り向きたくなかったが振り向いた。
SP二人と後ろから息せき切って走ってくる白衣が数名。
以外に早く見つかったと思ったが、今の武尊にとってそんなことはどうでも良かった。
武尊は今まで信頼していたスタッフが裏では違う意味で自分のことを見ていたと思うと研究所の人間を見るだけでイライラした。
「私のこと、、知ってたんでしょ?」
武尊にそう言われて思わずその場から動けないSP二人。
「可哀想だと思うなら最後ぐらいは私の自由にさせて。」
その時汚い声を荒げながら所長が走ってきた。
「武尊、(ゼーハー。)データを見たなら話は早い。お前は選ばれたんじゃ、神に。」
どの口がそんなことを言う、と武尊は呆れた。
「散々違法な人体実験をしておいて今更何を。」
と冷たい目で所長を見た。
「いいか、武尊。人類の進歩とは常に犠牲の上にあるものなのじゃ。お前たちのおかげで何十、何百の命が助かったと思っているのじゃ。」
(だからって。)
きれいごとを聞いても武尊の心は動かなかった。
「その犠牲でどれだけ儲けたの?」
「研究開発には巨額の金がかかる。売れる物は売っていくのが当たり前じゃ。特に若返りの薬はのぅ、金を注ぎ込む金持ちはいくらでもおる。ブタとか魚とかではなく若い人間の女の物を使ってできるものは効果も抜群じゃ~。ひょっひょっひょっ。」
武尊は何を使ってそんな薬を作っているのが知ってしまったので考えると具合が悪くなった。
この人たち狂ってる・・・!
気持ち悪い・・・・・。
・・・・人間は・・・・汚い・・・・。
武尊の中で人間に対する嫌悪と怒りが急激に膨らんだ。
自分の言葉がどんなに武尊を不快にさせたかも分からず、
「さっ、馬鹿なことは考えずにこっちにくるんじゃ。」
と、あっさり所長は言った。
武尊は目の前にいる『人間』達がじりじり自分に迫って来るのに嫌悪感で動けないでいた。
武尊は次第に周りを囲まれる。
10分ぐらい続いた膠着状態しびれを切らした所長が
「早く来こんか!虫けら以下のくせに!何様じゃと思っとるんじゃ!行け!」
所長の命令と同時にSPが武尊に飛び掛かった。
が、武尊の方が反応が早かった。
武尊は後ろへ跳んだ。
そしてそのまま下に落ちて行って・・・・。