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11.其々の理由 (蒼紫・夢主)
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お風呂もあがり、食事もいただき、血流が消化の為にお腹に集まりだしたら睡魔が武尊を襲う。
(うう、眠い・・・・。あ・・・。)
なにげに自分の左腕の指の跡が目に入る。
(あ、湿布貼ってもらってなかった・・・。)
別に放っておいてもよかったが、操に貼ってもらった湿布が気持ちよかったので今晩ぐらい貼ってもいいな・・・と思った。
(四乃森さんの部屋か・・・。)
ちょっと悩んだが
(はぁ、気は進まないけどささっと行って帰ってくればいいか。)
と、眠気カウントダウンに入りそうなのを我慢して部屋を出る。
(確か一番奥って言ってたよね・・・。)
廊下を歩いていくと最奥からぼんやり灯りがついているのが分かる。
その灯りの灯った部屋の前まで来ると武尊は声をかける。
「四乃森さん、いらっしゃいますか?」
「ああ。来たか。」
障子を開けるとなにやら読書中のこと。
「座れ。」
と言われ適当に座る。
蒼紫は皿に入っている薬を布に塗りそれを武尊の腕に貼りつけていく。
改めて見る腕は白い肌に浅黒い指の痕。そんなに自分は力が入ってしまったのかと蒼紫は思った。
「明日、もう一日ぐらい貼り換えればかなりよくなるはずだ。」
「ありがとうございます。これ、効きますよね。気持ちがいいです。」
「それはよかった・・。」
「でも・・四乃森さんがあんなことしなかったら湿布をはる必要もなかったですよ。」
といじわる気に言ってみる。
蒼紫はそれには答えず
「・・・・・土岐、単刀直入に聞こう。俺の顔に見覚えはないか。」
「ないです。四乃森さんは私に会ったことがあるんですか?」
武尊が首を傾げて言う。
「・・・・。」
そっちに覚えがないのに、「江戸城で会っただろう。」とは言えない。
自分は公儀隠密御庭番衆の御頭だったと、そう簡単に一般人に言えるわけがない。
武尊には蒼紫が返答に詰まっている理由は分からないが
「私は・・・・、私の姿をした人がどこで何をしたかが知りたいんです。ちょっと残念かな。四乃森さん知ってそうだと思ったんですけど。」
「なぜ、知りたいんだ。」
それは私が十六夜丸だから・・。もう一人の私が何をしたか、それがわからないと過去の枷から抜け出せない。
だけど、十六夜丸って幕末京都でもかなり殺っちゃってるみたいだし・・・。
ということは、四乃森さん、あなたの目の前にいるのは凶悪殺人者なんですよ?
なんて、言えるわけがない。
「四乃森さんがさっきの私の質問に答えてくれたら私も言ってもいいですよ。」
ふふっと武尊は口だけで笑いながら言う。
日中見た土岐はなんの取り柄もない少し抜けた人物だと思ったが、今話してみると返って謎が増す。
「そういえば土岐。」
「はい。」
「日中、何を見ていたのだ。お前の目は目の前の景色を移してはいなかった。、特に甘味処と清水寺では。」
武尊はいつのまに見られてたんだとびっくりしつつも
「ふふふ・・・・・過去と未来です。」
そう言って武尊はまた遠い所を見る。
「じゃあ、私も一つ質問。四乃森さんは何を読んでらっしゃたのですか。」
『じゃあ、私 』と言った言葉の抑揚が男らしくない奴だと何気に武尊の胸に目が行った。
蒼紫が見たのは風呂上りで緩めに合わせた襟の間から見えた晒 。』
元職業柄、晒を使う”くのいち”もよく見てきた。
「・・・土岐、お前・・・・・女か!」
「ええ---?!今気が付いたんですか!?」
確かに男装はしているが”男”だと言った覚えはない。
袴姿とは違って見りゃわかるだろー!と突っ込みを入れたくなる。
分からなかったのか・・。
心中複雑な武尊。
(過去初対面で分からなかった人に斎藤さんがいたけど、あの時は虚無僧の恰好だったから分からなかったんだろうと武尊は思った。)
「いや、俺がお前に、、、お前と似たやつに会った時、そいつはは男の言いぐさに男の立ち振る舞いだったからな。お前を男だと思い込んでいた。」
「だから男の部屋に来るのに戸惑ったんです。やっとわかった、私を女だと思ってなかったからだ。」
「いや、男か女の問題ではなく、お前が俺が思った通りの人物だったら・・・・奥の部屋であるここの方が都合がいい・・・。ただそれだけだ。」
蒼紫は畳の下に隠してある小太刀をちらっと見た。
蒼紫のチラ見の視線の先に何があるのかは分からなかったが自分が十六夜丸だと思われたら何かヤバイと武尊は予感した。
蒼紫は話題をここで切り替えた。
「土岐の質問だが、この本のことだったな。これは三国志という書物だ。知っているか?」
「はい、名前ぐらいは。」
「そうか、明日その足で出歩くのがつらかったら暇つぶしに貸そうか。」
「いえ、、、私、読めませんから・・・。」
蒼紫の読みかけをちら見した武尊はそう言った。
崩し字でないにしても・・・・平仮名もカタカナもない漢字だけの本が読めるか!漢語の本じゃないか~!と武尊は心で叫ぶ。
「そうか・・。」
「では四乃森さん、湿布有難うございました。私帰りますね。」
「ああ。」
「おやすみなさい。」
そう言って武尊は部屋を出た。
(あ-あ。十六夜丸のこと聞くのって難しいな~。)
実はこの葵屋が元隠密集団の住処だと・・・武尊は夢にも思わなかった。
(うう、眠い・・・・。あ・・・。)
なにげに自分の左腕の指の跡が目に入る。
(あ、湿布貼ってもらってなかった・・・。)
別に放っておいてもよかったが、操に貼ってもらった湿布が気持ちよかったので今晩ぐらい貼ってもいいな・・・と思った。
(四乃森さんの部屋か・・・。)
ちょっと悩んだが
(はぁ、気は進まないけどささっと行って帰ってくればいいか。)
と、眠気カウントダウンに入りそうなのを我慢して部屋を出る。
(確か一番奥って言ってたよね・・・。)
廊下を歩いていくと最奥からぼんやり灯りがついているのが分かる。
その灯りの灯った部屋の前まで来ると武尊は声をかける。
「四乃森さん、いらっしゃいますか?」
「ああ。来たか。」
障子を開けるとなにやら読書中のこと。
「座れ。」
と言われ適当に座る。
蒼紫は皿に入っている薬を布に塗りそれを武尊の腕に貼りつけていく。
改めて見る腕は白い肌に浅黒い指の痕。そんなに自分は力が入ってしまったのかと蒼紫は思った。
「明日、もう一日ぐらい貼り換えればかなりよくなるはずだ。」
「ありがとうございます。これ、効きますよね。気持ちがいいです。」
「それはよかった・・。」
「でも・・四乃森さんがあんなことしなかったら湿布をはる必要もなかったですよ。」
といじわる気に言ってみる。
蒼紫はそれには答えず
「・・・・・土岐、単刀直入に聞こう。俺の顔に見覚えはないか。」
「ないです。四乃森さんは私に会ったことがあるんですか?」
武尊が首を傾げて言う。
「・・・・。」
そっちに覚えがないのに、「江戸城で会っただろう。」とは言えない。
自分は公儀隠密御庭番衆の御頭だったと、そう簡単に一般人に言えるわけがない。
武尊には蒼紫が返答に詰まっている理由は分からないが
「私は・・・・、私の姿をした人がどこで何をしたかが知りたいんです。ちょっと残念かな。四乃森さん知ってそうだと思ったんですけど。」
「なぜ、知りたいんだ。」
それは私が十六夜丸だから・・。もう一人の私が何をしたか、それがわからないと過去の枷から抜け出せない。
だけど、十六夜丸って幕末京都でもかなり殺っちゃってるみたいだし・・・。
ということは、四乃森さん、あなたの目の前にいるのは凶悪殺人者なんですよ?
なんて、言えるわけがない。
「四乃森さんがさっきの私の質問に答えてくれたら私も言ってもいいですよ。」
ふふっと武尊は口だけで笑いながら言う。
日中見た土岐はなんの取り柄もない少し抜けた人物だと思ったが、今話してみると返って謎が増す。
「そういえば土岐。」
「はい。」
「日中、何を見ていたのだ。お前の目は目の前の景色を移してはいなかった。、特に甘味処と清水寺では。」
武尊はいつのまに見られてたんだとびっくりしつつも
「ふふふ・・・・・過去と未来です。」
そう言って武尊はまた遠い所を見る。
「じゃあ、私も一つ質問。四乃森さんは何を読んでらっしゃたのですか。」
『じゃあ、私 』と言った言葉の抑揚が男らしくない奴だと何気に武尊の胸に目が行った。
蒼紫が見たのは風呂上りで緩めに合わせた襟の間から見えた
元職業柄、晒を使う”くのいち”もよく見てきた。
「・・・土岐、お前・・・・・女か!」
「ええ---?!今気が付いたんですか!?」
確かに男装はしているが”男”だと言った覚えはない。
袴姿とは違って見りゃわかるだろー!と突っ込みを入れたくなる。
分からなかったのか・・。
心中複雑な武尊。
(過去初対面で分からなかった人に斎藤さんがいたけど、あの時は虚無僧の恰好だったから分からなかったんだろうと武尊は思った。)
「いや、俺がお前に、、、お前と似たやつに会った時、そいつはは男の言いぐさに男の立ち振る舞いだったからな。お前を男だと思い込んでいた。」
「だから男の部屋に来るのに戸惑ったんです。やっとわかった、私を女だと思ってなかったからだ。」
「いや、男か女の問題ではなく、お前が俺が思った通りの人物だったら・・・・奥の部屋であるここの方が都合がいい・・・。ただそれだけだ。」
蒼紫は畳の下に隠してある小太刀をちらっと見た。
蒼紫のチラ見の視線の先に何があるのかは分からなかったが自分が十六夜丸だと思われたら何かヤバイと武尊は予感した。
蒼紫は話題をここで切り替えた。
「土岐の質問だが、この本のことだったな。これは三国志という書物だ。知っているか?」
「はい、名前ぐらいは。」
「そうか、明日その足で出歩くのがつらかったら暇つぶしに貸そうか。」
「いえ、、、私、読めませんから・・・。」
蒼紫の読みかけをちら見した武尊はそう言った。
崩し字でないにしても・・・・平仮名もカタカナもない漢字だけの本が読めるか!漢語の本じゃないか~!と武尊は心で叫ぶ。
「そうか・・。」
「では四乃森さん、湿布有難うございました。私帰りますね。」
「ああ。」
「おやすみなさい。」
そう言って武尊は部屋を出た。
(あ-あ。十六夜丸のこと聞くのって難しいな~。)
実はこの葵屋が元隠密集団の住処だと・・・武尊は夢にも思わなかった。