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10.接点は江戸城 (蒼紫・翁・操・夢主)
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(京都の甘味処か・・・。なんか思い出しちゃうな。)
武尊にとって沖田、斎藤に会ったのはまだ約二年前の感覚。
今も、笑いながら暖簾をくぐって沖田さんが入ってきてその後、斎藤さんが沖田さんを探して入ってきた時のことが鮮明に思い出される。
なのに沖田さんはもうこの世にいなくて、斎藤さんも京都にはいなくて、新撰組もなくなって、時は明治になって・・・。
思いにふけってると
「・・・さん、武尊さん。」
目の前で操がひらひらと手を振る。
「え、ああ、どうしました?」
「ほら、武尊さん、やっぱり、うわの空。皆食べ終わってるんだけどもうちょっとしたら出発していい?」
「あ、はい。今食べちゃいます。すみません。」
武尊は残っていた豆大福を口に放り込んだ。
「ん、ん~~!」
そして案の定、のどにつまらせた。
「土岐君、そんなにあわてて食べんでもええじゃろうに。」
「武尊さんって、ドジ~。」
二人に笑われながら何とかお茶で流し込んだ。
さあ、目指せ清水寺。
清水の舞台を少し行った所に舞台と京都の町が見渡せる場所がある。
「いつ来ても絶景じゃの。」
翁も頷きながら景色に見入る。
「本当、いい所ですね。」
武尊も感心して景色を見る。
千年変わらぬという古都。
だが武尊は何か違和感を感じる。
(何かが違う・・・。)
少し考えた後、はたと思いつき、
「あ、京都タワーがないんだ!」
と口に出してしまった。
しまった!っと口を押さえるがそれがかえって怪しさを増す。
操と翁が口を開いて質問する前に、自分で
「何でもありませんよ~!はははは~。」
っと突っ込みを入れて、じゃ、次行こうか!と、歩き出した。
が、足の疲労の所為か足が思う様に動かなくて
「あっ・・・。」
足首がぐねっと曲がって前に倒れ・・・・。
「危ない。」
蒼紫がすかさず手を伸ばして武尊を捕まえた。
「痛っ・・。」
武尊は小さく呻いた。
捕まえてくれたのはよかったがそこは湿布の張った手首。
でもお陰で下り坂を転ばなくて済んだ。
「ありがとうございます・・四乃森さん。」
「礼には及ばない。・・・かなり足に来ているな。今日はもう帰った方がいい。翁、いいだろう。」
「そうじゃのぅ、東京へ行くともっと歩かなければならんし。体調を崩してはいかんからのぅ。他はまたの機会にするか。のぅ、操。」
「あ~ん、折角蒼紫様も一緒だったのに-。でもしょうがないわね。武尊さん、また行こうね!」
かくして四人は葵屋へ戻った。