※1 記憶を失っている時の名前は変換できません。
8.下山~葵屋へ (比古・夢主・翁)
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武尊を弟子に任命した、ということで比古は愛酒、万寿の蓋をキュポンと開け、杯を持ってきた。
「飲め、武尊。入門祝いと門出の酒だ。」
「う!お酒!」
「ん?飲めないのか?」
「ええと、確かアルコール許容量は・・・日本酒度数15~20度においては・・・・約80cc・・。小さい御猪口一杯ぐらいなら大丈夫です。」
比古がよくわからないという顔をする。
「ええと、私、お酒に対して弱いということらしいです。」
武尊は急に斎藤に食事を御馳走になったときのことを思い出す。
(げ!摂取量を超えるとああなるんだ!未来にいるときにアルコール摂取時の作用についてドクから『許容量以上摂取すると感覚過敏になるからアルコールは飲むな。』って言われてたのってそういう意味だったんだ・・・。)
どういう結果になるかは体験済み。
痴態をさらしたことを思い出して顔が赤くなる。
「何かやらかした覚えがあるようだな、武尊。」
ちょっと、むっとして比古が言う。
「いえ、前にこの時代に来たときは未来の記憶がなかったからその事も気が付かなくてちょっと・・・・。」
耳まで赤くして武尊があたふたと答える。
武尊のその言い訳の様子から察するに、酔っぱらって肥溜めに落ちたとか、道端で寝入ったという事ではなさそうだ。
「・・・・・・・・・今度は俺の前だけにしておけよ。」
比古は過ぎた事に腹を立ててもしょうがないと自分に言い聞かす。
「気をつけます!」
武尊はそういうが、そういう所は意外に抜けてると思っている比古はため息をついた。
「では武尊の無事と目的達成を祈願して。」
「私も比古さんの無病息災を祈願して・・・・って比古さん何歳なんですか?」
「四十三だが。」
「え---------!(全然そんな風に見えない!っていうか嘘----!)」
「おい、そこ固まるとこじゃねぇぞ、コラ。武尊はいくつなんだ。」
「二十五ぐらいかと・・・。」
「二十五か。じゃじゃ馬も大概にしとけよ。」
「私そんなんじゃないですよ~。もう~。」
ぷぅ、と頬を膨らませるかわいい姿もしばらく見納めか。
「武尊。しばしの別れだ。」
「はい。行ってきます。」
二人は杯を酌み交わした。