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プロローグ (夢主)
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武尊の怪我の回復が順調なので所長は一安心し、次の実験を行おうと考えていた。
細胞培養装置の可動を始めるに当たり、受精させる精子を自分の精子を使用すると意気揚々の所長だった。
所長にとって自分の精子など単なる遺伝子のメッセンジャーとしか考えていない。
彼にとってクローンの卵子と結合させることは単なる実験なのだ。
だがその実験に興味を持ったのは所長だけではなかった。
武尊の主治医もマッドサイエンティスト。自分の遺伝子も武尊の卵子に植え付けたいと狙っていた。
そのため所長の保存してある精子をこっそり自分のものにすり替える準備をしている。
様々な検査を長年自らの手で行っているうちに主治医も心の中では武尊がもはや人間ではなく実験動物のような感覚で扱うようになっていたのだ。
そんな野望を抱く武尊の主治医のパソコンには武尊のデータが入っている。
研究所のメインデータが失われるとは考えにくいが万が一を考えてデータの一部をUSBメモリーに落としておいたのだ。
しかし、精子取り換え計画で頭がいっぱいだった彼は昨日武尊を診察しに行った時にうっかり落としてしまったのだった。
『No.16に関するデータについて』のタイトル。
内容は、なんと狂気にあふれた実験。
こんなことをするなんて・・・・。なんでこんな資料がここに?
しかし、いくつかファイルを見ているうちに武尊は気が付いてしまった。
(名前は伏せてあるけど、これってもしかして・・・私のこと?)
武尊の顔は恐怖で真っ青になった。
そのころ、研究所メインコントロールルームは大騒ぎとなっていた。
武尊の実験のことは研究所とはいえども一部の者の極秘で行っていた。
武尊のパソコンはコントロールルームで常に管理されており、武尊が見る画面と同じものが同時に表示されるようになっているのだった。
これも所長曰く武尊の思考回路分析の為だというが。
ともかく内容が内容だけにざわめきの嵐となった。
武尊は逃げなきゃと、直感した。
ここから逃げないともっと恐ろしい事が起こると。
夢なら覚めて、今すぐに。