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7.三日目の朝 (比古・夢主)
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武尊はいい匂いで目が覚めると、
「おう、武尊。丁度魚が焼けたぞ。顔洗ってこい。」
と言われた。
目が覚めたと言っても低血圧の上に昨日の睡眠不足。
しかし、ここの主にそう言われたら起きない訳にいかない。
「はぁ~い。比古さん、おはようございますぅ~。」
と寝ぼけまなこで、のたのたと立ち上がる。
ついでに小屋の入り口で柱に頭を打ち付け、ゴン!と音をさせる。
「いてっ!」
比古はそれを見て
「・・・・・・・。」
何と言っていいのやら。
戻ってきて武尊は魚に驚く!
「比古さん、魚がいる!どうして!?」
「さっき魚が焼けたと言ったが・・・・(聞いてなかったな。)獲ってきただけだが。」
「すご-い!比古さん!いただきま-す!」
食事は昨日の朝以来で武尊は目を輝かせた。
「武尊はもっと体力つけないとな。」
この比古の言葉に深い意味はない。
「すみません・・今日も寝坊で・・・・。」
「気にするな。戻ってきたら釣りでも教えるか。」
「やった-!なんか楽しみ-!・・って、戻って来たらって、、、若しかして今日、山降りたらそのまま東京行きですか?」
武尊は差し出されたお椀を受け取りながら言った。
「ああ、俺の元馬鹿弟子が今東京にいてな・・・。こないだ世話をしてやったから今度は俺の頼みを押し付けようと思ってな。」
比古は自分にも汁をよそいながら武尊に食べろとジェスチャーをした。
武尊は『頂きます。』をしながら比古に聞いた。
「お弟子さん・・て”剣の”方ですか?」
それにしても”馬鹿弟子”とは・・武尊はその弟子という人が気の毒になった。
そう思っているとこに比古が言う。
「飛天御剣流というのは圧倒的強さを持つ古流の剣なんだが、その強さ故、自由の剣でなくてはならない。加担したほうに必ず勝利をもたらす言わば”陸の黒船”だ。にも関わらす馬鹿弟子はそれが分からず幕末、長州派維新志士として人を斬った・・。」
突然の重い話に武尊は目を一瞬見開いて息を呑んだ。
「戊辰戦争が終わり、その馬鹿弟子は十年全国を流れ歩きこの間ようやく一つ気持ちに蹴りがついたみたいでな。武尊の枷の一つ、もう一人の武尊が人を斬ったということに悩んでいるんだったら話を聞けば何か参考になるかもしれない、ということだ。ないかもしれないがただぶらぶら歩いても答えを見つけるのは難しいからな。」
「そう・・ですよね。比古さんのお弟子さんでも十年かかったんだから私一人だったら一生かかっても・・。」
「おい、十年だろうが一生だろうが俺はそんなに待つ気はねぇぞ。」
「そ、そうですよね。」
流石に十年や一生待たせるのはどうかと武尊は思った。
「年末だ。」
「え?」
「今年の年末までだ。」
真面目な顔で比古が言った。
確かに今からだと約四カ月ある。それが長いのか短いのか武尊には分からない。
武尊が戸惑っていると比古が武尊の顔をじっと見て言う。
「俺にもその期間で武尊が枷を外せるのかなんてわかるわけがないんだが、武尊の顔を見ていると今年中じゃないと駄目な予感がしてな。」
と比古は汁物をずずっと啜った。
「というわけで東京での住まいは心配するな。」
「はい・・。」
比古がこれだけ武尊の為にお膳立てしてくれているのだ。
枷を外すのに頑張ると誓ったすぐ後に東京の人の【気】が怖いといつまでも言っている場合ではないのだと武尊は自分を叱咤した。
「ほら、魚も焦げる。」
「あ、はい!」
武尊は魚にかぶりいて熱々をハフハフしながら頭の中はまた別のことを考えていた。
(そっか、私がいなくなってから・・慶応4年=明治元年で今が十一年ということは10年前なんだ。)
武尊にとって戊辰戦争はまだ数週間前のこと。
「おう、武尊。丁度魚が焼けたぞ。顔洗ってこい。」
と言われた。
目が覚めたと言っても低血圧の上に昨日の睡眠不足。
しかし、ここの主にそう言われたら起きない訳にいかない。
「はぁ~い。比古さん、おはようございますぅ~。」
と寝ぼけまなこで、のたのたと立ち上がる。
ついでに小屋の入り口で柱に頭を打ち付け、ゴン!と音をさせる。
「いてっ!」
比古はそれを見て
「・・・・・・・。」
何と言っていいのやら。
戻ってきて武尊は魚に驚く!
「比古さん、魚がいる!どうして!?」
「さっき魚が焼けたと言ったが・・・・(聞いてなかったな。)獲ってきただけだが。」
「すご-い!比古さん!いただきま-す!」
食事は昨日の朝以来で武尊は目を輝かせた。
「武尊はもっと体力つけないとな。」
この比古の言葉に深い意味はない。
「すみません・・今日も寝坊で・・・・。」
「気にするな。戻ってきたら釣りでも教えるか。」
「やった-!なんか楽しみ-!・・って、戻って来たらって、、、若しかして今日、山降りたらそのまま東京行きですか?」
武尊は差し出されたお椀を受け取りながら言った。
「ああ、俺の元馬鹿弟子が今東京にいてな・・・。こないだ世話をしてやったから今度は俺の頼みを押し付けようと思ってな。」
比古は自分にも汁をよそいながら武尊に食べろとジェスチャーをした。
武尊は『頂きます。』をしながら比古に聞いた。
「お弟子さん・・て”剣の”方ですか?」
それにしても”馬鹿弟子”とは・・武尊はその弟子という人が気の毒になった。
そう思っているとこに比古が言う。
「飛天御剣流というのは圧倒的強さを持つ古流の剣なんだが、その強さ故、自由の剣でなくてはならない。加担したほうに必ず勝利をもたらす言わば”陸の黒船”だ。にも関わらす馬鹿弟子はそれが分からず幕末、長州派維新志士として人を斬った・・。」
突然の重い話に武尊は目を一瞬見開いて息を呑んだ。
「戊辰戦争が終わり、その馬鹿弟子は十年全国を流れ歩きこの間ようやく一つ気持ちに蹴りがついたみたいでな。武尊の枷の一つ、もう一人の武尊が人を斬ったということに悩んでいるんだったら話を聞けば何か参考になるかもしれない、ということだ。ないかもしれないがただぶらぶら歩いても答えを見つけるのは難しいからな。」
「そう・・ですよね。比古さんのお弟子さんでも十年かかったんだから私一人だったら一生かかっても・・。」
「おい、十年だろうが一生だろうが俺はそんなに待つ気はねぇぞ。」
「そ、そうですよね。」
流石に十年や一生待たせるのはどうかと武尊は思った。
「年末だ。」
「え?」
「今年の年末までだ。」
真面目な顔で比古が言った。
確かに今からだと約四カ月ある。それが長いのか短いのか武尊には分からない。
武尊が戸惑っていると比古が武尊の顔をじっと見て言う。
「俺にもその期間で武尊が枷を外せるのかなんてわかるわけがないんだが、武尊の顔を見ていると今年中じゃないと駄目な予感がしてな。」
と比古は汁物をずずっと啜った。
「というわけで東京での住まいは心配するな。」
「はい・・。」
比古がこれだけ武尊の為にお膳立てしてくれているのだ。
枷を外すのに頑張ると誓ったすぐ後に東京の人の【気】が怖いといつまでも言っている場合ではないのだと武尊は自分を叱咤した。
「ほら、魚も焦げる。」
「あ、はい!」
武尊は魚にかぶりいて熱々をハフハフしながら頭の中はまた別のことを考えていた。
(そっか、私がいなくなってから・・慶応4年=明治元年で今が十一年ということは10年前なんだ。)
武尊にとって戊辰戦争はまだ数週間前のこと。