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6.星の降る夜に (比古・夢主)
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「武尊。」
熱を帯びた声で名前を呼ばれて思わず心臓がドクっと打つ。
まるで心臓が返事をしているみたいだ。
武尊は慌てて肩手で自分の胸に手をやって心臓を押さえる。
「もう一度言う、お前だけだ。俺にとって特別な女は。」
武尊はハッとした。
(え?!これって・・・。まさかの・・・・コクり!?昼間言われた時は気付かなかったけど・・・って、まさか十三年間も?)
こんな私とは知らずに?
「比古さん・・私にそんな価値は・・。」
「何の価値だ?愛するのに価値がいるのか、武尊。」
『愛する』という言葉に武尊は困惑した。
私が愛される?こんな私でも?
誰かを愛したことがないから”愛”が何だか分からない。
(いや・・夢だと思っていたから、思い出したら辛かったから、深く考えていなかたけど大事なものを受けとったことはある・・。)
相手の名前を呼ぶことを許された。それは相手の本質に触れることと同じ。そしてそれを口にすることで自分の魂を相手に委ねる。
それが愛?
私が持つ感情ははじめと比古さんでは少し違う。
「まだ・・・どう考えていいか分かりません。でも・・・。」
武尊は自分の今の気持ちを伝えなくては、そう思った。
「日中、比古さんに話を聞いてもらって私の存在を認めてもらって本当に救われたんです。まずお礼を言わせてください。有難うございました。」
それだけじゃない。
「こんな私ですが、・・・・私にとっても比古さんは特別なんです。比古さんだけなんです。何ていうか、こうやって側にいれる人間は・・・。」
「どういう意味だ。」
「ええ・・と、比古さんは人間臭くない?みたいな。」
「なんだそりゃ。」
「はは。」
武尊は比古の気の抜けた返事に思わず笑う。
「私、人間が嫌いです。今まではそんなことも思ったことがなかったんですがここに飛ばされる前に私は虫けら以下だと言われて・・私を物のように扱う人間が持つ悪意の【気】が気持ち悪くて、怖くて・・。でも比古さんにはそんな悪意の【気】がまるでないんです。」
「当たり前だ。俺が武尊に対して持ってるのは愛情だからな。」
比古が自慢気に言う。
そんな比古の言い方が天然なのかわざとなのかは分からなかったが武尊にとってはかわいく見えて、すこし笑った。
比古は武尊の笑顔を見て目を細めた。
「もう寝ろ。朝になるぞ。」
「寝すぎて眠くないです。」
「今日はお前を町へ連れて行く。」
「え?」
「いつまでも俺の着物ってわけにもいかねぇし、履物もなきゃ困るだろう。」
「ええ・・それはそうですが・・」
冬も来る。このままでは本当に困るし、比古の着物も借りっぱなしというわけにもいかないので渋々うなずくが、また崖に追い詰められた際の人間の【気】を思い出して具合が悪くなる。
「それから武尊、俺はお前を東京へ行かそうと思う。」
熱を帯びた声で名前を呼ばれて思わず心臓がドクっと打つ。
まるで心臓が返事をしているみたいだ。
武尊は慌てて肩手で自分の胸に手をやって心臓を押さえる。
「もう一度言う、お前だけだ。俺にとって特別な女は。」
武尊はハッとした。
(え?!これって・・・。まさかの・・・・コクり!?昼間言われた時は気付かなかったけど・・・って、まさか十三年間も?)
こんな私とは知らずに?
「比古さん・・私にそんな価値は・・。」
「何の価値だ?愛するのに価値がいるのか、武尊。」
『愛する』という言葉に武尊は困惑した。
私が愛される?こんな私でも?
誰かを愛したことがないから”愛”が何だか分からない。
(いや・・夢だと思っていたから、思い出したら辛かったから、深く考えていなかたけど大事なものを受けとったことはある・・。)
相手の名前を呼ぶことを許された。それは相手の本質に触れることと同じ。そしてそれを口にすることで自分の魂を相手に委ねる。
それが愛?
私が持つ感情ははじめと比古さんでは少し違う。
「まだ・・・どう考えていいか分かりません。でも・・・。」
武尊は自分の今の気持ちを伝えなくては、そう思った。
「日中、比古さんに話を聞いてもらって私の存在を認めてもらって本当に救われたんです。まずお礼を言わせてください。有難うございました。」
それだけじゃない。
「こんな私ですが、・・・・私にとっても比古さんは特別なんです。比古さんだけなんです。何ていうか、こうやって側にいれる人間は・・・。」
「どういう意味だ。」
「ええ・・と、比古さんは人間臭くない?みたいな。」
「なんだそりゃ。」
「はは。」
武尊は比古の気の抜けた返事に思わず笑う。
「私、人間が嫌いです。今まではそんなことも思ったことがなかったんですがここに飛ばされる前に私は虫けら以下だと言われて・・私を物のように扱う人間が持つ悪意の【気】が気持ち悪くて、怖くて・・。でも比古さんにはそんな悪意の【気】がまるでないんです。」
「当たり前だ。俺が武尊に対して持ってるのは愛情だからな。」
比古が自慢気に言う。
そんな比古の言い方が天然なのかわざとなのかは分からなかったが武尊にとってはかわいく見えて、すこし笑った。
比古は武尊の笑顔を見て目を細めた。
「もう寝ろ。朝になるぞ。」
「寝すぎて眠くないです。」
「今日はお前を町へ連れて行く。」
「え?」
「いつまでも俺の着物ってわけにもいかねぇし、履物もなきゃ困るだろう。」
「ええ・・それはそうですが・・」
冬も来る。このままでは本当に困るし、比古の着物も借りっぱなしというわけにもいかないので渋々うなずくが、また崖に追い詰められた際の人間の【気】を思い出して具合が悪くなる。
「それから武尊、俺はお前を東京へ行かそうと思う。」