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6.星の降る夜に (比古・夢主)
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武尊が目を覚ましたのは夜も更けてからのこと。
目を開けたら真っ暗だった。
まだここに来て二日目。
一瞬ここはどこ?っと思ってしまったがそういえばここは明治の山の中なんだ、電気はなかったと思い出す。
目を凝らすと窓の外から青い景色が見えるのと、囲炉裏の中で消えそうな残り火が小さく光っていた。
外からは虫の声が聞こえるが小屋の中は物音ひとつしない。
(今何時だろう・・・・。随分寝ちゃったな、私・・。)
時計がないのでまったく時間の感覚が分からない。
(あ・・・・比古さんどうしたんだろう。お布団占領しちゃった。そういえば昨日も。)
一組しかない(と思われる)布団なのに、申し訳ない、風邪でも引きはしないかと上半身をおこし暗い室内で目を凝らす。
すると囲炉裏のすぐ横に大きな黒い影があった。
(たぶん、この影、比古さんだな。そんなとこで寝ちゃったんだ。ごめんなさい。)
トイレに行きたかったのと水が飲みたかったのでそ~っと起きた。
抜き足、差し足・・・・・。
足音を立てないように静かに表へ出る。
空気が冷たい。
足が夜露で濡れる。
空を見上げると満点の星だ。
傾いてはいる月が森の間から見えて闇夜を照らす。
金と銀の粒子が空から降り注いでいるような気がして武尊はしばし天を仰いでいた。
首が痛くなってきたので仰ぎ見るのをやめてトイレトイレ・・と、小屋から離れた適当なところで”こんなとこでごめんなさい”と思いつつ小用を済ませ。小屋の周りをうろうろと歩く。
(どれだけ寝たのだろう、まったく眠くない。)
座るのに適当な石を見つけ腰を掛ける。
「ずいぶん泣いちゃったな・・・あんなに泣いたのは始めてだ・・。」
武尊は昼間の号泣する情けない姿を思い出し恥ずかしい・・と思う反面、あの時は泣きたかったんだと思った。
比古に『私は私だ、他の何者でもない』と言われたことが嬉しかった。
自分という存在を認めてくれたことが武尊の消えかけていた魂を救った。
(ありがとう・・比古さん・・。)
この広い世界、たった一人でいい。
誰にも認められなくてもたった一人、比古さんがいてくれたら・・・・・。
そう考えていて、はっとした。
(じゃあ、比古さんがいなくなったら?山の中の小屋は実は仕事用で京都に妻や子がいたら?)
こんなにいい人に妻子がいないわけがない。
自分の考えが甘かったとため息がでた。
(そうだよね・・私は女として愛される資格はないし・・。)
私は作り物で子供を産む機能もないただの動くお人形。
でも、比古の言葉が嬉しかったのは本当だ。
(たとえ作り物でも比古さんがいれば、私が私でいられる・・。)
「ふぅ-。」
武尊はもう一度ため息をついた。
幕末に来た時もそう思ったけど、この時代において、家族とか世間の後ろ盾がないとまともになんて生きていけない。
そうでないものは夜盗か乞食か、結局そっちの道ぐらいしか残っていない。
比古がいない世界、その中では武尊はどっちにしても望んで生きる気はなかった。
「本当、贅沢。望んでなくとも奪われる命もあるのに・・でも私は比古さんがいなくなったら生きていけない・・・弱いなぁ自分。」
まだ、比古に会って二日目だというのに比古に対して気持ちがどんどん膨らむ。
この気持ちに名前をつけるのは難しい。
ただ武尊にとって比古はすでになくてはならない特別な存在になっていた。
(比古さんって不思議な人・・)
昨日今日の比古の姿を思い出していると、
「くしゅん!」
と、くしゃみが出た。
十分な睡眠を取ったせいか頭が冴えて長い間考え事をしていたせいだろう着物も夜露でしっとりしてきた。
「お布団にもどろう。」
目を開けたら真っ暗だった。
まだここに来て二日目。
一瞬ここはどこ?っと思ってしまったがそういえばここは明治の山の中なんだ、電気はなかったと思い出す。
目を凝らすと窓の外から青い景色が見えるのと、囲炉裏の中で消えそうな残り火が小さく光っていた。
外からは虫の声が聞こえるが小屋の中は物音ひとつしない。
(今何時だろう・・・・。随分寝ちゃったな、私・・。)
時計がないのでまったく時間の感覚が分からない。
(あ・・・・比古さんどうしたんだろう。お布団占領しちゃった。そういえば昨日も。)
一組しかない(と思われる)布団なのに、申し訳ない、風邪でも引きはしないかと上半身をおこし暗い室内で目を凝らす。
すると囲炉裏のすぐ横に大きな黒い影があった。
(たぶん、この影、比古さんだな。そんなとこで寝ちゃったんだ。ごめんなさい。)
トイレに行きたかったのと水が飲みたかったのでそ~っと起きた。
抜き足、差し足・・・・・。
足音を立てないように静かに表へ出る。
空気が冷たい。
足が夜露で濡れる。
空を見上げると満点の星だ。
傾いてはいる月が森の間から見えて闇夜を照らす。
金と銀の粒子が空から降り注いでいるような気がして武尊はしばし天を仰いでいた。
首が痛くなってきたので仰ぎ見るのをやめてトイレトイレ・・と、小屋から離れた適当なところで”こんなとこでごめんなさい”と思いつつ小用を済ませ。小屋の周りをうろうろと歩く。
(どれだけ寝たのだろう、まったく眠くない。)
座るのに適当な石を見つけ腰を掛ける。
「ずいぶん泣いちゃったな・・・あんなに泣いたのは始めてだ・・。」
武尊は昼間の号泣する情けない姿を思い出し恥ずかしい・・と思う反面、あの時は泣きたかったんだと思った。
比古に『私は私だ、他の何者でもない』と言われたことが嬉しかった。
自分という存在を認めてくれたことが武尊の消えかけていた魂を救った。
(ありがとう・・比古さん・・。)
この広い世界、たった一人でいい。
誰にも認められなくてもたった一人、比古さんがいてくれたら・・・・・。
そう考えていて、はっとした。
(じゃあ、比古さんがいなくなったら?山の中の小屋は実は仕事用で京都に妻や子がいたら?)
こんなにいい人に妻子がいないわけがない。
自分の考えが甘かったとため息がでた。
(そうだよね・・私は女として愛される資格はないし・・。)
私は作り物で子供を産む機能もないただの動くお人形。
でも、比古の言葉が嬉しかったのは本当だ。
(たとえ作り物でも比古さんがいれば、私が私でいられる・・。)
「ふぅ-。」
武尊はもう一度ため息をついた。
幕末に来た時もそう思ったけど、この時代において、家族とか世間の後ろ盾がないとまともになんて生きていけない。
そうでないものは夜盗か乞食か、結局そっちの道ぐらいしか残っていない。
比古がいない世界、その中では武尊はどっちにしても望んで生きる気はなかった。
「本当、贅沢。望んでなくとも奪われる命もあるのに・・でも私は比古さんがいなくなったら生きていけない・・・弱いなぁ自分。」
まだ、比古に会って二日目だというのに比古に対して気持ちがどんどん膨らむ。
この気持ちに名前をつけるのは難しい。
ただ武尊にとって比古はすでになくてはならない特別な存在になっていた。
(比古さんって不思議な人・・)
昨日今日の比古の姿を思い出していると、
「くしゅん!」
と、くしゃみが出た。
十分な睡眠を取ったせいか頭が冴えて長い間考え事をしていたせいだろう着物も夜露でしっとりしてきた。
「お布団にもどろう。」