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3.陶芸家の家 (比古・夢主)
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「え。・・あ、はい。」
我に返った武尊は比古の気づかいに気付き、
「ありがとう、比古さん。」
と、御礼を言った。
今沈んでばかりいると比古に申し訳ない。手伝いぐらいしないと・・。
「ほら、いいから座れ。」
と言われて遠慮がちに囲炉裏の一辺に正座をした。
手伝おうにもたぶんもう手伝えることもなさそうな感じだったからだ。
比古が鍋蓋を持ち上げると湯気がもわっと出た。
比古は武尊にもよそってやり、
「ほら、武尊。」
と言って手渡した。
どんぶりよりもちょっと小さ目の器からいい匂いが湯気とともに武尊の鼻をくすぐる。
懐かしい幸せの匂いがした。
比古が自分用によそったのを確認し、お椀をいったん床に置いて武尊は両手を合わせた。
「いただきます。」
そして一口すする。武尊は美味しさに目を見張った。
「これ、比古さんが作ったんですか!」
「他にだれがいるってんだ。」
「そうですよね。おいしいです!これ!」
決して具は多くないが味噌味で野菜とおだんごみたいなのが入っててお腹にしみる暖かい味。
「ふっ、俺は何でもこなすのさ。」
真顔で自慢する比古に思わず口元に笑みを浮かべた。
「あ、笑いやがったな。」
気さくに話す人柄に武尊は心を開き始めていた。
「いえ、比古さん凄いなって思ったんです。もしかしてこの小屋も?」
「ああ、ここにあるものはすべて作ったぜ。」
武尊室内をぐるりと見回す。
武尊は、ただただ感心して比古という男に見入っていた。