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3.陶芸家の家 (比古・夢主)
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武尊は比古にいい名前だと言われて複雑な気持ちになるのを誤魔化すように焼き物の棚に近づき作品を一つ一つ見て回る。
「それにしても・・陶芸家の先生だったんですか。どうりでこんなに焼き物がたくさんあるわけですよね。」
「まあな。真の天才は何でもこなしてしまうものだからな。」
「へ~ぇ。」
武尊は真面目に感心した。
別に美術品に詳しいわけではないが、比古の作品からはどれも個性を感じられるような気がした。
力強いものは力強く、美しいものは美しく、控え目なものは控え目でありながらも存在感はしっかりと感じさせる・・
自分の事を天才というけどあながち嘘じゃないと武尊は自画自賛の比古を面白い人だと思った。
・・・・でもどうして陶芸家の先生が刀を持っていたんだろう。
振り返って比古をちらっと見る。
武尊の視線に気づいた比古がにやりとしながら
「何故一介の陶芸家が刀を持っているか・・・か?図星か?」
と言った。
武尊は目を見開いて固まった。
ちらっと見ただけなのに自分の考えていることをズバリ当てた比古の洞察力にぞくりとしながら。
「お前が考えている通り俺は純粋に陶芸家ではない。真の姿は、隠し名「比古清十郎」。第十三代目飛天御剣流の剣豪という訳だ。」
「剣豪・・・どおりですごい気を放つわけですね。でも、何故そんな大事なことを初対面の私なんかに話すんですか?秘密を知ったからには・・・バッサリっていう事ですか?」
「俺が本当のことを言わないとお前も言わないだろう?」
「え・・・・・・?」
武尊は心の奥底を見透かされた気がした。
どうしてわかったんだろう・・・。
だが、武尊がもっと考える前に比古は言葉を投げかける。
「さあ、話してもらおうか。お前自身の事を。話せばちったぁ気も楽になるはずだ。」
言葉を声に出そうとしても出せずに立ち尽くす武尊に比古は言った。
「せっかく作った汁が煮詰まっちまう。とりあえず飯にするか。な、武尊。」