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281.裏切りの告白(比古・夢主)
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しばらくして、本当、しばらくして比古は小屋の中に戻ってきた。
恐らく洗濯をしてくれてたんだろう、
この凍るような夜の中、凍るような川の水で。
小屋の周りでガタガタ、バフッ!と濡れた布をはたく音がしていたらか間違いない。洗濯物を干していたのだろう・・。
比古が小屋に入ると同時に武尊は、
「比古さん、ありがとう。ごめん・・寒かったよね。」
と声をかけた。
「武尊が待ってくれてると分かっているからな、そう大したもんでもないさ。」
そう言いつつ比古は囲炉裏へ目をやった。
赤赤と燃える炎。
きっと武尊が薪を足してくれたに違いない、俺が少しでも温まるようにと。
「俺も布団に入っていいか。」
「もちろん!」
武尊の明るい声に比古は笑んで上衣、野袴とそして靴を脱いだ。
褌いっちょうの姿だ。
武尊は比古の姿にドキッとした。
比古が掛け布団をはぐと、
「比古さんは重たいから下!。」
と、比古が下に来るように武尊は誘導し、自分の背に掛け布団をかけ、冷たい氷のような比古の身体に武尊は飛びついた。
「!」
先程は傷の理由をどう話そうかと思っていたのだろう、泣きそうな目をしていたと思ったら全力でぶつかって来る武尊に比古は驚きを隠せないながらも、その腕で、身体で武尊を抱きしめかえした。
武尊は話は後、今は全力で比古さんを温めるんだ!と比古を待っている間にそう決めたのだった。
肌と肌が触れ合う。
でも『感じる』とか言ってる隙間もない。
比古の身体は冷えすぎていて、あっという間に武尊の身体の中まで冷たくなった。
「武尊。」
自分の心臓まで凍り付きそうだと思った時、比古から名前を呼ばれた。
温かい声。
武尊が比古を見上げるとおでこに口づけを落とされた。
思わず目を見開く武尊。
比古は微笑んでいた。
トクン・・
武尊の心臓が一つ小さく鼓動した。
「温かいぜ、ありがとな。だが随分と武尊の熱を奪ってしまったな。今度は俺が温める番だぜ。」
(え、今布団に入って来たばっかりじゃん。しかもこんなに冷えて・・)
と、武尊が思っていると比古の皮膚の下の奥に熱源を感じるような気がした。
(え、うそ・・もう温もりが・・。)
冷たい布団がすぐに比古の暖かさになった。
比古が武尊を少し上に持ち上げ、今度は武尊の唇に口づけをした。
先程のおでこより、断然温かい口づけを受けて武尊の芯に火が灯る。
「あ・・。」
自然に受け入れた比古の口づけ。
自分の唇を啄むような口づけだったが、それは山を下りる前に一度だけ受けた口づけを瞬時に武尊に思い出させた。
自分の口内で激しく舌を絡めて与えられたあの時の熱量。
「ぁ・・。」
達する寸前でお預けにされた身体の記憶に小さな吐息を吐くと比古の唇も薄く開いている。
トクトクトクトクトク・・
武尊の鼓動が早くなる。
(あの時は比古さんの愛を受けられることがただ嬉しくて・・でも今の私は・・)
後ろめたさにハっ、と気が付けば、比古の皮膚はじわじわと温度を上げていつの間にか自分より高い体温になっていた。
比古からの体温をもらう立場になると何故か急に恥ずかしさが湧いてくる。
だけど今の武尊は恥ずかしさだけではなく後ろめたさも
(どうしよう・・どうやって伝えれば自分の気持ちを伝えられるのだろう・・きっと比古さんは気分を害する、私をこんなに好きでいてくれて、私をこんなに大切にしてくれているのに・・。)
武尊が泣きそうな気持で悩んでいると比古の腕がぎゅっと閉まった。
「苦しい~~」
思わずそのままの気持ちが漏れると、
「今は何も悩まなくていい。俺だってまだ混乱している今日は何も聞かん。ただ武尊、まだお前に俺への気持ちが残っているなら俺に身をゆだねて黙って暖まってろ。」
と、武尊の髪にささやくように比古の低い声が流れた。
「うん・・。」
武尊は自然に口からそう言葉が出ると、こわばらせていた身体の緊張をといた。
武尊の筋肉が弛緩するのを感じた比古はいい子いい子と武尊の頭を撫でた。
熱のある比古の身体に包まれて武尊の心が解放されていく。
冷たい布団が人肌に温まったころ武尊はもぞっと一回動いて声を出した。
「比古さん・・だいぶ温まったよ。」
「そうか。」
武尊の声に嬉しさを含みながら比古は返事を返した。
「だが、本当に大丈夫なのか?」
間違いなく心臓を貫いたはずなのにと、比古はもしかしたらこの状況がきつねか狸に騙されているのではと真面目に思っていた。
武尊は本当は死んでいてこの状況は自分が思い込んでいるだけなのではないのかとも。
そして次の瞬間、外で武尊の骸を見下ろしているのではないのかと。
「さすがに血が足らないのかな・・でもちゃんと足の指先まで動くしどこも痛くないよ。」
武尊はそう言いつつ、自分の足先をぐっぐっと力を入れて問題なく動くのを確認した。
武尊にとっても常識や科学の範疇を超えて自分が存在していることをこうやって肉体を動かして確認するも未だ信じ難いと思うのだった。
でもその常識外こそが自分が生かされた事実。
武尊はそっと比古の胸に手を当てた。
温かい。
そして顔を寄せた。
力強い鼓動が耳に伝わる。
安心できる音色。
(ずっとここにいたい・・。)
武尊のそういう動作を感じながら比古はまた武尊の頭を撫でてやった。
「あのね・・。」
「ん?どうした。」
武尊はもそもそと身体を動かして比古と顔を合わせた。
「私、比古さんに山からおろしてもらって本当に良かった。」
「そうか。」
「山を下りる前に比古さんに頑張ると言っておきながらも他の人間に会うのが本当に嫌だったし、怖かった。山を下りるっていうのは決定事項だったけど、もし山を下りていなかったら比古さんが言っていた通り、きっと私はまだ自分自身を消してしまいたいという思いを消せなかったと思う。」
「で、枷は外せたのか?」
「・・たぶん。完全にかと言われると自信ないけど。」
そこまで言って武尊は沈黙した。
「どうした。」
比古の問いかけに武尊は比古の目を見つめた。
「比古さん・・私はここに帰ってきたかった。私が帰る場所は比古さんの所だとずっと思ってた。だけど・・。」
武尊は言葉の続きを言いよどんだ。
比古は武尊の迷いの理由にすぐにピンときた。
「わかっている・・山からおろすことを考えた時にそのことも考えたさ。その可能性も含めて決めたのは俺だ。」
比古の言葉は穏やかだったがその中に落胆と怒りが混じっていることを武尊は感じ取った。
だが比古の怒りは武尊に対してでなく比古自身に対しての怒りだ。
「・・ぅ。」
武尊は言葉を詰まらせた、何て伝えようかと唇と開いてみたものの言葉が出なかった。
比古は少し目を細めて優しく言った。
「教えてくれ、武尊。お前の物語を。心の準備はずっとしていた。」
比古を見つめていた武尊の両目から大粒の涙が溢れて頬を伝った。
「うん・・。全部話す。最初から最後まで聞いて全部。でもその前に信じてほしい、私は比古さんの横にいたい、比古さんと共に歩いていきたい。でも話を聞いた後、比古さんが私を斬るならそれでいい。私はその覚悟で帰って来た。」
恐らく洗濯をしてくれてたんだろう、
この凍るような夜の中、凍るような川の水で。
小屋の周りでガタガタ、バフッ!と濡れた布をはたく音がしていたらか間違いない。洗濯物を干していたのだろう・・。
比古が小屋に入ると同時に武尊は、
「比古さん、ありがとう。ごめん・・寒かったよね。」
と声をかけた。
「武尊が待ってくれてると分かっているからな、そう大したもんでもないさ。」
そう言いつつ比古は囲炉裏へ目をやった。
赤赤と燃える炎。
きっと武尊が薪を足してくれたに違いない、俺が少しでも温まるようにと。
「俺も布団に入っていいか。」
「もちろん!」
武尊の明るい声に比古は笑んで上衣、野袴とそして靴を脱いだ。
褌いっちょうの姿だ。
武尊は比古の姿にドキッとした。
比古が掛け布団をはぐと、
「比古さんは重たいから下!。」
と、比古が下に来るように武尊は誘導し、自分の背に掛け布団をかけ、冷たい氷のような比古の身体に武尊は飛びついた。
「!」
先程は傷の理由をどう話そうかと思っていたのだろう、泣きそうな目をしていたと思ったら全力でぶつかって来る武尊に比古は驚きを隠せないながらも、その腕で、身体で武尊を抱きしめかえした。
武尊は話は後、今は全力で比古さんを温めるんだ!と比古を待っている間にそう決めたのだった。
肌と肌が触れ合う。
でも『感じる』とか言ってる隙間もない。
比古の身体は冷えすぎていて、あっという間に武尊の身体の中まで冷たくなった。
「武尊。」
自分の心臓まで凍り付きそうだと思った時、比古から名前を呼ばれた。
温かい声。
武尊が比古を見上げるとおでこに口づけを落とされた。
思わず目を見開く武尊。
比古は微笑んでいた。
トクン・・
武尊の心臓が一つ小さく鼓動した。
「温かいぜ、ありがとな。だが随分と武尊の熱を奪ってしまったな。今度は俺が温める番だぜ。」
(え、今布団に入って来たばっかりじゃん。しかもこんなに冷えて・・)
と、武尊が思っていると比古の皮膚の下の奥に熱源を感じるような気がした。
(え、うそ・・もう温もりが・・。)
冷たい布団がすぐに比古の暖かさになった。
比古が武尊を少し上に持ち上げ、今度は武尊の唇に口づけをした。
先程のおでこより、断然温かい口づけを受けて武尊の芯に火が灯る。
「あ・・。」
自然に受け入れた比古の口づけ。
自分の唇を啄むような口づけだったが、それは山を下りる前に一度だけ受けた口づけを瞬時に武尊に思い出させた。
自分の口内で激しく舌を絡めて与えられたあの時の熱量。
「ぁ・・。」
達する寸前でお預けにされた身体の記憶に小さな吐息を吐くと比古の唇も薄く開いている。
トクトクトクトクトク・・
武尊の鼓動が早くなる。
(あの時は比古さんの愛を受けられることがただ嬉しくて・・でも今の私は・・)
後ろめたさにハっ、と気が付けば、比古の皮膚はじわじわと温度を上げていつの間にか自分より高い体温になっていた。
比古からの体温をもらう立場になると何故か急に恥ずかしさが湧いてくる。
だけど今の武尊は恥ずかしさだけではなく後ろめたさも
(どうしよう・・どうやって伝えれば自分の気持ちを伝えられるのだろう・・きっと比古さんは気分を害する、私をこんなに好きでいてくれて、私をこんなに大切にしてくれているのに・・。)
武尊が泣きそうな気持で悩んでいると比古の腕がぎゅっと閉まった。
「苦しい~~」
思わずそのままの気持ちが漏れると、
「今は何も悩まなくていい。俺だってまだ混乱している今日は何も聞かん。ただ武尊、まだお前に俺への気持ちが残っているなら俺に身をゆだねて黙って暖まってろ。」
と、武尊の髪にささやくように比古の低い声が流れた。
「うん・・。」
武尊は自然に口からそう言葉が出ると、こわばらせていた身体の緊張をといた。
武尊の筋肉が弛緩するのを感じた比古はいい子いい子と武尊の頭を撫でた。
熱のある比古の身体に包まれて武尊の心が解放されていく。
冷たい布団が人肌に温まったころ武尊はもぞっと一回動いて声を出した。
「比古さん・・だいぶ温まったよ。」
「そうか。」
武尊の声に嬉しさを含みながら比古は返事を返した。
「だが、本当に大丈夫なのか?」
間違いなく心臓を貫いたはずなのにと、比古はもしかしたらこの状況がきつねか狸に騙されているのではと真面目に思っていた。
武尊は本当は死んでいてこの状況は自分が思い込んでいるだけなのではないのかとも。
そして次の瞬間、外で武尊の骸を見下ろしているのではないのかと。
「さすがに血が足らないのかな・・でもちゃんと足の指先まで動くしどこも痛くないよ。」
武尊はそう言いつつ、自分の足先をぐっぐっと力を入れて問題なく動くのを確認した。
武尊にとっても常識や科学の範疇を超えて自分が存在していることをこうやって肉体を動かして確認するも未だ信じ難いと思うのだった。
でもその常識外こそが自分が生かされた事実。
武尊はそっと比古の胸に手を当てた。
温かい。
そして顔を寄せた。
力強い鼓動が耳に伝わる。
安心できる音色。
(ずっとここにいたい・・。)
武尊のそういう動作を感じながら比古はまた武尊の頭を撫でてやった。
「あのね・・。」
「ん?どうした。」
武尊はもそもそと身体を動かして比古と顔を合わせた。
「私、比古さんに山からおろしてもらって本当に良かった。」
「そうか。」
「山を下りる前に比古さんに頑張ると言っておきながらも他の人間に会うのが本当に嫌だったし、怖かった。山を下りるっていうのは決定事項だったけど、もし山を下りていなかったら比古さんが言っていた通り、きっと私はまだ自分自身を消してしまいたいという思いを消せなかったと思う。」
「で、枷は外せたのか?」
「・・たぶん。完全にかと言われると自信ないけど。」
そこまで言って武尊は沈黙した。
「どうした。」
比古の問いかけに武尊は比古の目を見つめた。
「比古さん・・私はここに帰ってきたかった。私が帰る場所は比古さんの所だとずっと思ってた。だけど・・。」
武尊は言葉の続きを言いよどんだ。
比古は武尊の迷いの理由にすぐにピンときた。
「わかっている・・山からおろすことを考えた時にそのことも考えたさ。その可能性も含めて決めたのは俺だ。」
比古の言葉は穏やかだったがその中に落胆と怒りが混じっていることを武尊は感じ取った。
だが比古の怒りは武尊に対してでなく比古自身に対しての怒りだ。
「・・ぅ。」
武尊は言葉を詰まらせた、何て伝えようかと唇と開いてみたものの言葉が出なかった。
比古は少し目を細めて優しく言った。
「教えてくれ、武尊。お前の物語を。心の準備はずっとしていた。」
比古を見つめていた武尊の両目から大粒の涙が溢れて頬を伝った。
「うん・・。全部話す。最初から最後まで聞いて全部。でもその前に信じてほしい、私は比古さんの横にいたい、比古さんと共に歩いていきたい。でも話を聞いた後、比古さんが私を斬るならそれでいい。私はその覚悟で帰って来た。」