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287.長い夜、長い物話(5)(比古・夢主)
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「どうした。」
突然素っ頓狂な声を出して両手を見る武尊に比古が声をかけた。
「出ない・・オーラが出ない。というか、出る気配が全くない・・。」
こんなことはオーラに気が付いてから一度もなかった。
生死をさまよった後でさえ、弱弱しくてもにじみ出る感じがしていたのに。
「ごめんなさい、比古さん。オーラが出ない。」
「俺は武尊の話を信じる。だから今”オーラ”とやらが出なくても心配するな。」
「うん・・。」
武尊は慣れ親しんできたオーラが全く出ないことに首をかしげながら話を続けた。
「もう斎藤さんはいなくなるから今度は自分自身で身を守らなくちゃって。そう思った時にこのオーラは使えると思った。
この”オーラ”が関係しているか分からないけど、夢の中とか、座禅で意識が下に沈んて無の世界に入ったと思った時、真っ暗な世界にたった一人になったことが何度かあった。
目を開けているのに漆黒の闇。
二人に斬られて生死をさまよっていた時も、そんな闇の中、たまに聞こえるあの不思議な鈴の音がした。
音を追ってその方向を見ると、・・もちろん真っ暗で何も見えませんが、頭の中に直接声がした。
その声は今までもその漆黒の世界で聞いた声だったんだけど、その時は『それだけ霊力があるなら見えるはずだ』って言って見方を教えてもらったら不思議な世界が見えた。
空は一面薄い紫。地面は石ころだらけのどこまでも続く平坦な地。
何もない、誰もいない。
この世と思えないその景色を見ていたら、『ようやく見えたか』って言われたので驚いて振り返ったら私がいました。
十六夜丸の姿は私だった。
ただ聞いた通り、目だけが、深紅に輝く赤だった。
あんたのせいで私がどんな思いをしたのかと十六夜丸に怒りをぶつけた時、またあの鈴の音が聞こえて・・
鈴の音は私の怒りの感情をふっと軽くしたような気がして、鈴の音の方を目で追いました。
十六夜丸は、ここはあの世とこの世の間であの鈴の音についていけば三途の川に出ると教えてくれました。
私が小さい時から時々聞いたあの鈴の音がここから聞こえてきたことに対し、十六夜丸はそれは私が死人から作られたから魂がこの死者の世と繋がっているからだと言いました。
何故十六夜丸がそのことを知っているのか驚きでした。
その後私は意識が戻り、元の世界に帰っていました。
十六夜丸はずっと私の中にいた・・ただ現れないだけ。気が付かなかっただけ・・。
十六夜丸のことは現実世界に帰って来た時には忘れてしまっていることがが多かったけど、今はその時の事が思い出せる。」