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287.長い夜、長い物話(5)(比古・夢主)
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「・・道場を出て、帰りの雑木林の中で泣きました。
時尾さんがあんなに心をこめて作った手土産をぜんぜん役に立てることができなかったって。話し合いが上手くできないかもしれないと思っていたけど、あそこまで敵意に満ちた顔でにらまれると、何だか悔しくて。
そこに私を心配して来てくれた蒼紫が来ました。一人で帰れるから大丈夫だって言ったのに『”友”が泣いているときに横にいてやる時間ぐらいは俺にもある』っていうからもっと泣いてしまった・・。
そして懐からあんパンを出して半分にして私にくれました。
あんパンのお陰で泣き止んだのですが、食べている間、蒼紫に”赤報隊”のことを聞きました。
相良左之助・・あのハチマキ男のことですが、昔赤報隊の準隊士だったという事が分かりました。
そして隊長ほか、多くの幹部がニセ官軍の汚名を着せられ斬首されたということも。
蒼紫は『赤報隊は幕末、薩摩藩の指示で江戸で強盗や工作行為をしていたと言われている、出会っていてもおかしくない。』と言いましたが、だからと言って十六夜丸が直接赤報隊と関わったかどうかは分かりませんでした。
十六夜丸がハチマキ男の大事な人を傷つけたのなら殴られる理由になるのですが、はっきりしなかったので自分の中では彼に殴られる理由にならない。と、勝手に都合よく解釈しました。
その後は蒼紫に途中まで送ってもらって、途中、ちょっと人助けして仕事に戻りました。警官の恰好をしていたので助けを求められたら断るわけにはいきませんからねー。
職場に戻った早々神谷道場での様子を聞かれて、緋村さんに十六夜丸だと警戒されて話は出来なかったことを伝えました。手土産を入れた時尾さんの重箱も置いてきたのでまた日を改めて行くということも。
お昼ご飯を食べてない私を気遣ってくれてお蕎麦を食べに行くことになったのですが、部屋を出る前に斎藤さんが私の背中に血が滲んでいることに気が付いて、包帯と晒を替えているところに張が帰って来て怪我していることがバレてひと悶着あったのですが・・まあ、その場は何とか収まり、張の報告を聞きました。
張はこの時、伊藤卿から情報を聞き出すために小田原に行ってたんです。」
「伊藤卿というと、内務卿のか。」
比古も流石の大物の名前に驚き思わず確認した。
「うん、大久保卿の後に内務卿になった人。
私が入院した日の夜、斎藤さんと張がどこかへ運ばれようとしていた密輸武器を押さえに行った時に一人捕まえて主犯格の名前を掴んだんだけど、その人は毒殺されてしまった。死ぬ前に伊藤卿の名前を言ったから伊藤卿も密輸武器と何か関係があるんじゃないかって。
でも伊藤卿は毒殺の指示はしていないし、密輸武器も関係ないって言った。結局、証拠がなくて伊藤卿のしっぽはつかめなかった。
その時伊藤卿は張に『斎藤も川路も武器密輸の件に調べる権限がない』と言ったそうで、張が斎藤さんにどういう意味か聞いたら・・二人とも近々異動になるからこの事件を担当する権限がないっていう事だった。
川路はフランス、斎藤さんは北海道開拓使・・急すぎる話に言葉がでなかった。
自分だってもうすぐ契約期間のひと月が終わるけど、斎藤さんの北海道への異動は納得がいかなかった。
斎藤さんは『仕組まれたかも』って言っていた。
密輸武器を使った警視総監殺しの阻止や大量の密輸武器を海に沈めたのは書類上では斎藤さん。
首謀者にしてみたら斎藤さんやその直属上司の川路が邪魔で邪魔で仕方がなかった。そう考えればこの異動も”仕組まれた異動”だったかもしれないけど証拠なんかない。
でも本当は、警視総監殺しを防いだのも私、密輸武器の倉庫を見つけたのも私・・。私のせいで斎藤さんが北海道に飛ばされたと思った。
そう思ったら心が張り裂けそうだった。
でも彼は私のせいじゃないって言った。自分が私の話を聞いて自分の正義の為に指示実行したんだと。それに既に決まった事だと・・。
ということで、異動準備に入った斎藤さんは残業する必要がなく、二人とも家に帰りました。
夕食時、時尾さんに私は今後どうするのかと聞かれました。
斎藤さんは開拓使へ、時尾さんは会津の実家に。
私は神谷道場に行くこと、そして兄を探して放浪する。と言いました。
今まで仕事や怪我で今後どうするのかはっきり決めてなかったけど、自分の言葉で自分がどうするべきか、確認できました。
夕食後、疲れもあって早めに自室に引き上げました。
そして日課の座禅をしてました。
京都の葵屋で座禅を組んで、手からオーラが出てることに気が付いてからその”気”を体内で回していると、体調が整ったり、怪我も早く良くなっているような気がしてたから可能な時は座禅をしていました。
重傷を負って枯渇したオーラも回復と共にもとに戻ってきました。
でも、なんか、こう・・オーラの量がだんだん増えて強くなってきている感じがあって、右手なら右手、左手なら左手って自分の意思で移動させたりできるようになってました。
これをイメージで・・ええと、、オーラに気が付いたころ、頭の中で考えて飛ばしてみたりして遊んだこともありましたが、飛ばしてもふわふわの綿毛みたいな感じでした。
動かすぐらいならいいけど、飛ばすと気を失うほど力が持っていかれるというのも分かったので使い方には気を付けるようにしてました。
そんなオーラですが、ハチマキ男に殴られた時、咄嗟に腕をオーラで包んで防御したことを思い出したんです。
これは誰も信じてくれないと思ったのでこれまで誰にも言ってません。
比古さんも眉唾ものだと思うかもしれませんが、・・あれ?」