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286.長い夜、長い物話(4)(比古・夢主)
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「帰宅してから十六夜丸のことについて考えていました。まさか神様だったなんて思いもしなかったから当時はあれこれ考えました。
次の日の夕方、南海の孤島の隠れ家にいる雪代縁の元へ、警察と緋村さん達が向かうことになっていました。
私は斎藤さんの見送りをしに行く予定だったので、ちょっと早く港に行って海でも見ておこう、って思って築地に向かいました。
先日海軍にしてやられたこともあり、海軍施設を避けて外国人居留地の方へ足が向いていました。そこで外国人のおじさんに怪しい日本語で話かけられました。
無視しようと思ったのですが、コーヒーいかがとお誘いされて・・コーヒーというのは未来ではとても普通に飲む飲み物です。カフェ・オ・レが大好きだったので・・そのお誘いが断れず、知らない人でしたがついていきました。
万が一変なことをされたらぶん殴って逃げられるって思ったのもあってなんですが・・。
彼は例の夜会で音楽隊を指揮していた人で私をその時に見たから声をかけてきたと言ってました。
コーヒーを頂いた後、海岸の方へ歩いていくと張がいました。
斎藤さんは夜会の前に見つけた密輸された武器がある海軍の倉庫を張にずっと見張らせていました。
何か動きがあるとしたら夜だからと一緒にお昼ご飯を食べに行ったのですが、張はあっという間にごはんを終わっちゃって、と同時に緋村さんと一緒に島へ行くという蒼紫と操ちゃんが食堂に入ってきました。
張と入れ替わりに蒼紫と操ちゃんとお昼を食べたら、出航までにまだ時間があったので三人で浜辺で少し時間つぶし、頃合いを見て船の所に行きました。操ちゃんが緋村さんもいるって言うのでどんな人か見たかったんだけど逆光で見ることができなかった。
蒼紫がそこで操ちゃんを先に向かわせ、私に話があるといい船から少し離れたところで話を聞きました。
・・蒼紫とは横浜に着いて別れてからも、何回か会っていました。私が斎藤さんの許可を得て情報を集めに出た時も東京の地形について教えてくれたり、うなぎ定食をおごってもらったり良くしてもらいました。
・・話の中で私が斎藤さんを好きだということが蒼紫に分かってしまいました。でも彼は私に、『私を好いている男は斎藤だけではない。」って言って・・だから二人きりになった時一瞬焦ったんだけど、話の内容は海岸で蒼紫に私が『何者なんですか』って聞いた返事だったんです。
蒼紫は自分のことを、隠密御庭番衆御頭だ。って言いました。葵屋の皆さんも全員御庭番衆だということも。
驚きました。日本に本当に忍者がいたなんて初耳でした。しかもその御頭。
江戸城の警護をしていた御庭番衆の御頭だったから十六夜丸のことを知っていた、ということは十六夜丸は江戸城に何かしらの目的で潜入していたわけで・・出会っていたんですね、蒼紫も十六夜丸と。
だから最初に会った時にあの態度だったのだと分かりました。
・・私が江戸城で何をしたのかと聞けば、それは今はどうでもいい、と蒼紫は言いました。やったのは十六夜丸で私ではないから。そして御庭番衆に犠牲が出ていたとしても、誇りを持って任に当たっている以上、結果について私を恨んではいないと。
そこで船が出航したので話は終わりました。
翌日は普通に出勤。
特に仕事の指示がなかったのでこれまでの事を振り返っていました。
比古さんのもとを離れて半月。
初恋の人と奇跡的な再会をして、警察官にしてもらったらとおもったら警察の一番偉い人が幕末ずっと追い求めていた仇の川路で、その人が目の前に現れた。
何か運命に導かれているんじゃないかと思ったぐらいです。
そんな事を考えていたら突然川路が部屋にきました。いくらなんでも警視総監が自ら私のもとに来るとは思ってなくてびっくりだったのですが部屋で待つ時間も惜しいぐらいに時間がない人なので・・
話は兄についてでした。
先回の夜会の護衛を引き受ける条件として、川路に兄との関係を教えて欲しいとお願いしていました。
川路も薩摩藩出身です。
兄は知らないが兄の父は同郷で面識があると言いました。ただ、兄の姓は母方の姓だったので気が付かなかったのだと。
兄の話どおり、父は下級武士の出身。けれども、蘭方医になると長崎に行き妻を連れて戻ってきたんだそうです。川路は何度か顔を出しに行ったのですが患者がほとんどいなかったので不思議に思っていた時、妻がラシャメンの子だという噂を聞いたそうです。
残念ですが奥さんが外国人との子供という噂だけでも、偏見があったのだろうということは推測できます。
貧窮しているだろうと思っていた矢先、里を出て山にお屋敷を建てたと聞いて驚いたそうです。その時川路はすでに役人になっていて、上からの命令もあり会いに行ったところ、医者をやっている様子もなく、妻は死んだと聞かされた。
何故お屋敷が建ったのか、調べるために何度も会いにいったが不在で、近所の人から江戸に行ったと聞いた。そして半年後、江戸の薩摩藩邸から兄の父が時の将軍徳川家定暗殺に関与したという罪で死罪になった。と、上司から知らされた。
という話をしてもらいました。
何故兄が川路を狙うのか、その話では全く分かりませんでした。
川路の帰り際、兄の行方が、手掛かりが分かれば何でもいいから教えてくださいとお願いしました。
もう十年も前の事、分かるかどうかもわからないと言われましたが、兄だったら十六夜丸の事が分かると思っていたのでどうしても兄の消息を知りたかった。」