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284.長い夜、長い物話(2)(比古・夢主)
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比古の意味ありげな笑いに、武尊は山を下りて蒼紫の話も出るのに、と、多少なりとも不安があったが、小腹も落ち着いてなんとなく続きを話始めた。
「二度目に比古さんのところに来て・・山を下りて・・葵屋へ連れてってもらった。あの夜は比古さんが大丈夫だって言ってくれたけどまだ葵屋の人が怖かった・・。
布団を貸してもらって部屋で一人っきりになった時、心が空っぽになっている自分に気が付いた。
でもそのままじゃいけないと思った。比古さんとの約束もあるし自分でも頑張るって決めたから。まず何を成そうかと考えようと思った時に昔の事を思い出しました。
養父が・・
というか、私がずっと小さかった時に研究所の人が私を連れて逃げたことがあって、その人を養父と私の中では呼んでいます。
私の名前はその養父が付けてくれました。結局見つかって義父は殺され、私は連れ戻されました。
それまでは名前ではなくて番号が私を識別するものでした。
逃げた先がお寺で、そこの住職さんが『人は心弱きもの。迷いがあるときは座禅を組んで無を悟れ。』っていつも言ってました。
それを思い出して座禅を組んでいた時、どこからか鈴の音が聞こえてきました。その鈴の音は幕末にも聞こえてて、実際には鈴なんてどこにもないはずなのにはっきり耳に聞こえる不思議な音色だった。
鈴の音にふと瞑想をやめて目を開いたら手からオーラが出ていて・・あ、なんかこう、手が光ってるというか、光が溢れてて・・。」
と、武尊は両手をひらひらさせながら比古を見た。
武尊がオーラの話をしたのは自分が十六夜丸を連れてあの世に行こうとしたことを話す為に必要だと思ったからだ。
「ね、変でしょ私。時は超えるわ、幻聴はするわ、幻視は見るわ・・。
鈴の音はすぐ聞こえなくなって、手から溢れる光もすぐに消えたけどおかしくなった自分に笑っちゃったの。
何だこれーって。
自分は死ぬほど悩んでるっていうのに次々に変なことが起きて、もう何でも来いや!これ以上どうなる!みたいな気分になって・・
・・で、開き直って寝る事にしたの。」
武尊は一つ大きなため息を吐いた。
「だからなのか翌日、人が怖いっていう気持ちは少しましになった気がした。
翁さんが京都観光に誘ってくれて街中に出た時、だいぶ我慢できたし東京に行った時に人が多すぎてまた怖くなったけど人慣れしてその辺は大丈夫になったよ。
翁さんが観光に行こうって言ってくれた時、操ちゃんもいて、みんなでさあ行こう!って、翁さんの部屋を出ようとした時、廊下にいた蒼紫にぶつかりそうになって目が合った、と思った瞬間、腕を痛いくらいに掴まれた。
いきなりなに、と思ったら、後から話してくれたんだけど江戸城で十六夜丸に会ってたんだって。だから反射的にやってしまったって。」
武尊はその時に湿布をしないといけないぐらい腕が大変なことになったことは言わなかった。
「蒼紫の態度で十六夜丸と蒼紫が会った時の関係が想像できたにしても、なんで私が十六夜丸だって思ったのか不思議だった。なぜなら未来の私には三本傷はどこにもなかったから。でももしかしたらと鏡を見せてもらったらいつの間にかまた右頬に三本傷がついていた・・。
ともあれ、そのあと観光に出かけたんだけど、翁さんたちの歩く速さについていくのが精一杯で、とても疲れていたせいかその日はよく眠れた。
その翌日、翌々日は自分の気が向くままに一人京都の町を歩きました。
昔自分が行ったところがどうなっているか気になって・・ただそれだけで歩いたんだけど・・翌々日に嵐山に行った時、昔に十六夜丸とひと悶着あったらしいごろつき数人に絡まれて、桂川に落ちたところを蒼紫に助けられた。」
武尊はここでも蒼紫にいかされたことは黙っていた。
が、ちらっと比古を見ると『なんで四乃森 蒼紫がそこにいた』っと目で訴えているような気がして、
「蒼紫は、私が十六夜丸だったら何をしに京都に現れたのかと疑念をもったから私をつけてたんだって。
おかげで私は助かったけど川に落ちたから風邪ひいて、翁さんに薬湯作ってもらったりして迷惑かけました。
あ・・それから私が女だっていう事は言わなくてもすぐに葵屋の皆さんにわかったみたいですよ。(操は気が付かなかったことは言わない。)
熱を出した翌日、薬湯のおかげで熱も下がって体力回復の為に座禅を・・というか・・最初に手から出る光が見えるようになってから、自分の体調が悪いと光がショボショボで、元気になって来ると力強くなってくるというのが分かったから座禅を毎日するようになったの。
まあ、東洋医学的にも気を身体に回すといいって言われてるし・・。
そうしたら操ちゃんが座禅するのにいいお寺を知ってるって言って連れてってもらったらそこに蒼紫も座禅をよくしに来ているってことが分かって・・
・・そこで蒼紫と『禅友』になった。
いや、私だって『禅友』っていう言葉初めて聞いたよ!
・・でも私、今まで友達っていなかったから・・少し『友達』って言葉に憧れて・・それに私が川に落ちて風邪をひいた時、蒼紫からシャツをもらって嬉しかったし・・。
友達になった・・。」