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キャンプ場へ行こう!
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「一にい・・・・、蒼紫にい大丈夫かな・・・。」
テントを出て武尊は先にテントから出ていた一を見上げながら言った。
「どうやらアルコ-ルにかなり弱いようだな。まだそんなに飲んでないはずだからとりあえず寝かせて様子を見よう。」
「うん・・・。」
風通しの為入り口を開けたテントの蒼紫を振り返りながら武尊はバ-ベキュ-コンロの所に行きピーマンをトングでつまむと少し焦げたそれらを一の皿に入れた。
「おい、こんなにいらんぞ。」
一は箸で半分武尊の皿に移そうとしたが武尊は自分の皿をさっと取り上げると、
「私のはここにあるから。ビタミンC、煙草吸う人はたくさん摂ってね。」
とにっこり笑みを兄に返した。
とりあえず蒼紫の分を焼いて皿に取り、自分達もお腹いっぱい食べた。
やがて日も落ち夕闇が当たりを包もうとしていた。
西の空が真っ赤に燃えそこから濃いブル-へとグラデーションをえがく。
武尊はほとんど白くなった炭のかけらを武尊は無意味にトングで突ついていると一が、
「トイレはいいのか?もうすぐ暗くなるぞ。」
「トイレぐらい一人で行けるけど・・・・、懐中電灯持っていくの面倒だから暗くなる前に行っておくかな。」
と、立ち上がった。
「俺もついでに行って管理棟の自販機でもう1本ぐらい買っておくか。確か酒の自販機は八時までだったような気がしたな。」
「え!若しかしてもうビールないの?!350mlを6本入れといたんだよ。」
「蒼紫に1本持って行かれたからな。」
「飲み過ぎ・・・、一にいは何ともないの?」
「ごく普通だが。」
にやりと笑う長兄に武尊は、酔っている素振りどころかまったく酔ってないような長兄に比べ、少し飲んだだけで倒れた次兄が気の毒になって来た。
一が用を済ませビールを片手に女子トイレの前で待っていた武尊の所に戻って来た時一の携帯が鳴った。
画面をちらっと見ると一は、
「すまん、職場からだ。」
と武尊に言うと、武尊は
「いいよ、先に戻ってるから。」
と言って機嫌よくテントへ戻って行った。
やたらに機嫌がいい武尊だったという事に気がつかなかった一。
戻る途中で武尊は思わずにやっと笑ってしまう。
武尊は最近【大人の女】になりたくて自分なりにどうすればそう見えるか考えていた。
今からやろうとしている事はその一つ。
お盆も終われば日の落ちる時間も早くなっているのを感じる。
辺りも暗くなった中、武尊はテントに戻るとランタンを点け、兄の蒼紫がまだ寝ていることを確認すると自分のカバンからガサゴソと茶色の瓶を取り出した。
そしてその瓶を片手にフフと笑いながら、
「私だってもうすぐ二十歳なんだからねー!ビールはだめだけどカクテルはいけると思うんだ。」
飲んだこともないのにカクテルはいけると、勝手に思い込んでいる武尊はクーラーボックスへ行き、ちょっとしか残っていない500mlペットボトルのウーロン茶を飲み干すと、茶色の瓶の蓋を開け空のペットボトルに全部入れ、ほぼ同じ分量の牛乳入れた。
おおよそ8分目まで入った液体を武尊はシェイクするとあっという間にぺットボトルの中は泡でいっぱいになった。
「【ビールはおじさん】っていうイメージあるけど、【若い女性が似合うのはやっぱりカクテル】だよねー。」
と、ペットボトルをランタンの光に透かし、すっかりカフェ・オ・レ色になったそれに満足し味見した。
「いつものカフェ・オ・レよりあまーい!でもおいしいー!」
甘党の武尊にぴったりのコーヒー味のそれはかの有名なカルーアリキュール。
今朝はバタバタしていて、いつもの日課のカフェ・オ・レを飲む時間がなかった為、今日初めてのカフェ・オ・レ味の飲み物が体に嬉しい。
焼肉でのどが渇いていたのと、コーヒー中毒と自称するだけあって朝からあまりコーヒーが飲めなかった分ゴクゴクと飲み、あっという間に1/3を残すだけになった。
「あらら、夜も長いから一にいがビール飲むのに一緒に飲もうと思ったけど、ペース早かったかな?」
武尊はそう言っている間にも自分の身体が急激に熱くなっていくのを感じた。
「わっ、これがお酒の力?ちょっとふわふわしているかも。」
と言いつつも甘いその味がやめられない武尊はバーベキューをしたテーブルに座わるとちびりちびりと口を付け、最近友達に言われたことを思い出していた。
お盆前の夏休み、友人二人を家に呼んで課題をしていた時、武尊の部屋内に飾ってあった兄二人と自分の写った写真を友人が見て、
「うわー、武尊のお兄さんって恰好いい!」
「上のお兄さん、結婚してるの?私上のお兄さんみたいな人と結婚したい。」
「下のお兄さん彼女いるの?紹介してー!」
武尊は、嘘か冗談か知らないけど初めて見る他人の兄によくそんなことが言えるなと思いつつも、
「んー、なんか二人とも付き合ってる人いるみたいだよ。」
と嘘をついた。
どうして自分でもそんなに軽く簡単に嘘をついてしまったのか。
その時はそんな自分に驚いてしまったが今ようやくわかった。
兄達を他の人に取られたくなかったのだ。
そりゃいつかは男の人だもの、好きな女の人を見つけて結婚してしまう。
蒼紫にいは結婚して家を出るかもしれないが一にいに至っては長男だから奥さんが同居するかもしれない。
あるいは一緒に東京住まいをするかもしれない。
そうなれば今みたいに休みの度に帰って来ることはできないだろう。
そして二人とも結婚して家からいなくなってしまえば自分は一人ぼっちになってしまう・・・・。
それにしても二人の奥さんになる人はいったいどんな人なんだろう?
カッコいい二人の兄に釣り合うような女の人・・・・。
武尊は想像した。
自分と違ってモデルみたいにすらっとしたものすごい美人に違いない・・・。
自分と言えば身長158cmぐらいで太ってもやせてもいないけど特に特徴もない・・・どちらかと言えば化粧もほとんどしない・・・野生児?
コスメやファッションに興味はなく、どちらかと言えば山歩きや今日みたいに石とか虫を見ている方が好きだ。
そんな武尊だったがその友人の発言から自分の中に【兄達に釣り合うような妹】になりたい、という気持ちが強く目覚めた。
この間のランジェリーショップの前で足を止めたのも、黒の下着が自分の知らない大人の女のイメージに強く合ったからだ。
お酒を飲むのも、『ほら見てよ私だってもうお酒ぐらい飲めるよ。』と大人ぶりをアピールしようとしたからだ。
そんなことを考えているうちに武尊は急に眠くなってきた・・・。
テントを出て武尊は先にテントから出ていた一を見上げながら言った。
「どうやらアルコ-ルにかなり弱いようだな。まだそんなに飲んでないはずだからとりあえず寝かせて様子を見よう。」
「うん・・・。」
風通しの為入り口を開けたテントの蒼紫を振り返りながら武尊はバ-ベキュ-コンロの所に行きピーマンをトングでつまむと少し焦げたそれらを一の皿に入れた。
「おい、こんなにいらんぞ。」
一は箸で半分武尊の皿に移そうとしたが武尊は自分の皿をさっと取り上げると、
「私のはここにあるから。ビタミンC、煙草吸う人はたくさん摂ってね。」
とにっこり笑みを兄に返した。
とりあえず蒼紫の分を焼いて皿に取り、自分達もお腹いっぱい食べた。
やがて日も落ち夕闇が当たりを包もうとしていた。
西の空が真っ赤に燃えそこから濃いブル-へとグラデーションをえがく。
武尊はほとんど白くなった炭のかけらを武尊は無意味にトングで突ついていると一が、
「トイレはいいのか?もうすぐ暗くなるぞ。」
「トイレぐらい一人で行けるけど・・・・、懐中電灯持っていくの面倒だから暗くなる前に行っておくかな。」
と、立ち上がった。
「俺もついでに行って管理棟の自販機でもう1本ぐらい買っておくか。確か酒の自販機は八時までだったような気がしたな。」
「え!若しかしてもうビールないの?!350mlを6本入れといたんだよ。」
「蒼紫に1本持って行かれたからな。」
「飲み過ぎ・・・、一にいは何ともないの?」
「ごく普通だが。」
にやりと笑う長兄に武尊は、酔っている素振りどころかまったく酔ってないような長兄に比べ、少し飲んだだけで倒れた次兄が気の毒になって来た。
一が用を済ませビールを片手に女子トイレの前で待っていた武尊の所に戻って来た時一の携帯が鳴った。
画面をちらっと見ると一は、
「すまん、職場からだ。」
と武尊に言うと、武尊は
「いいよ、先に戻ってるから。」
と言って機嫌よくテントへ戻って行った。
やたらに機嫌がいい武尊だったという事に気がつかなかった一。
戻る途中で武尊は思わずにやっと笑ってしまう。
武尊は最近【大人の女】になりたくて自分なりにどうすればそう見えるか考えていた。
今からやろうとしている事はその一つ。
お盆も終われば日の落ちる時間も早くなっているのを感じる。
辺りも暗くなった中、武尊はテントに戻るとランタンを点け、兄の蒼紫がまだ寝ていることを確認すると自分のカバンからガサゴソと茶色の瓶を取り出した。
そしてその瓶を片手にフフと笑いながら、
「私だってもうすぐ二十歳なんだからねー!ビールはだめだけどカクテルはいけると思うんだ。」
飲んだこともないのにカクテルはいけると、勝手に思い込んでいる武尊はクーラーボックスへ行き、ちょっとしか残っていない500mlペットボトルのウーロン茶を飲み干すと、茶色の瓶の蓋を開け空のペットボトルに全部入れ、ほぼ同じ分量の牛乳入れた。
おおよそ8分目まで入った液体を武尊はシェイクするとあっという間にぺットボトルの中は泡でいっぱいになった。
「【ビールはおじさん】っていうイメージあるけど、【若い女性が似合うのはやっぱりカクテル】だよねー。」
と、ペットボトルをランタンの光に透かし、すっかりカフェ・オ・レ色になったそれに満足し味見した。
「いつものカフェ・オ・レよりあまーい!でもおいしいー!」
甘党の武尊にぴったりのコーヒー味のそれはかの有名なカルーアリキュール。
今朝はバタバタしていて、いつもの日課のカフェ・オ・レを飲む時間がなかった為、今日初めてのカフェ・オ・レ味の飲み物が体に嬉しい。
焼肉でのどが渇いていたのと、コーヒー中毒と自称するだけあって朝からあまりコーヒーが飲めなかった分ゴクゴクと飲み、あっという間に1/3を残すだけになった。
「あらら、夜も長いから一にいがビール飲むのに一緒に飲もうと思ったけど、ペース早かったかな?」
武尊はそう言っている間にも自分の身体が急激に熱くなっていくのを感じた。
「わっ、これがお酒の力?ちょっとふわふわしているかも。」
と言いつつも甘いその味がやめられない武尊はバーベキューをしたテーブルに座わるとちびりちびりと口を付け、最近友達に言われたことを思い出していた。
お盆前の夏休み、友人二人を家に呼んで課題をしていた時、武尊の部屋内に飾ってあった兄二人と自分の写った写真を友人が見て、
「うわー、武尊のお兄さんって恰好いい!」
「上のお兄さん、結婚してるの?私上のお兄さんみたいな人と結婚したい。」
「下のお兄さん彼女いるの?紹介してー!」
武尊は、嘘か冗談か知らないけど初めて見る他人の兄によくそんなことが言えるなと思いつつも、
「んー、なんか二人とも付き合ってる人いるみたいだよ。」
と嘘をついた。
どうして自分でもそんなに軽く簡単に嘘をついてしまったのか。
その時はそんな自分に驚いてしまったが今ようやくわかった。
兄達を他の人に取られたくなかったのだ。
そりゃいつかは男の人だもの、好きな女の人を見つけて結婚してしまう。
蒼紫にいは結婚して家を出るかもしれないが一にいに至っては長男だから奥さんが同居するかもしれない。
あるいは一緒に東京住まいをするかもしれない。
そうなれば今みたいに休みの度に帰って来ることはできないだろう。
そして二人とも結婚して家からいなくなってしまえば自分は一人ぼっちになってしまう・・・・。
それにしても二人の奥さんになる人はいったいどんな人なんだろう?
カッコいい二人の兄に釣り合うような女の人・・・・。
武尊は想像した。
自分と違ってモデルみたいにすらっとしたものすごい美人に違いない・・・。
自分と言えば身長158cmぐらいで太ってもやせてもいないけど特に特徴もない・・・どちらかと言えば化粧もほとんどしない・・・野生児?
コスメやファッションに興味はなく、どちらかと言えば山歩きや今日みたいに石とか虫を見ている方が好きだ。
そんな武尊だったがその友人の発言から自分の中に【兄達に釣り合うような妹】になりたい、という気持ちが強く目覚めた。
この間のランジェリーショップの前で足を止めたのも、黒の下着が自分の知らない大人の女のイメージに強く合ったからだ。
お酒を飲むのも、『ほら見てよ私だってもうお酒ぐらい飲めるよ。』と大人ぶりをアピールしようとしたからだ。
そんなことを考えているうちに武尊は急に眠くなってきた・・・。