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キャンプ場へ行こう!
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「蒼紫にい、本当にいいとこだね、ここ。」
川へ下りるまではチップがたっぷり敷き詰めてある森の小道を通る。
森の木が左右から枝を伸ばし、あたかも森のトンネルみたいで生い茂った葉が日差しを遮ってくれて涼しい。
武尊は木を見上げてそして根元の落ち葉を見ていた。、
「ねぇ蒼紫にい、ここらへんの木って全部クヌギかなぁ・・あっ、どんぐり見-つけ!」
「そうだな、クヌギだな。」
「朝方かぶとむしが採れそうだね、これだけ立派な木がたくさんあると。」
と、武尊が嬉しそうに言った。
「また一人で行くなよ・・・・迷子になるぞ。」
「・・・蒼紫にい、もう子供じゃないんだから大丈夫だよ。」
蒼紫は過去の武尊の『かぶとむし・くわがた』事件を思い出し、苦い記憶を思い出した。
昔は・・・、と思いつつも『大丈夫だよ』と言った武尊の明るい笑顔が蒼紫の心を救った。
そして
「すまなかった。」
と一言武尊に謝った。
「蒼紫にい、もう大丈夫だよ。それは昔の事、今の蒼紫にいは優しいし大好きだよ。」
と武尊はニコッと笑う。
そう、蒼紫は武尊に優しい。
それは単に妹だからというのではなく、この血のつながらない妹を蒼紫は愛しているからだ。
子供じゃないと言いつつ子供のようにはしゃいで歩く妹を蒼紫は少し後ろからついて行く。
ウッドチップの散策経路の一部が川につながっている。
対岸までは5~6mぐらい。
川幅は2、3mぐらいだがそれでも深い所は深緑色で水量も十分だ。
「思ったよりも小さい川だね。」
「だが、河原が所々あるな・・・小さい子供も遊べるようになっているのだろう。」
蒼紫辺りを見回すと幾つかの家族連れの幼子が浅瀬で水に入って涼を取っていた。
武尊も裸足にクロックスなのでそのままじゃぶじゃぶ水に入った。
「冷たいよ、蒼紫にい。」
武尊の誘いを受けてサンダル履きの蒼紫も水に足を入れた。
「気持ちいいな。」
「でしょ。車の所よりもずっと涼しいよ。一にい、帰った時には茹だっているんじゃないのかな。」
アハハと武尊は笑った。
武尊は腰をかがめて水面下に何か面白いものはないか探し始めた。
武尊はこういう事に夢中になると飽きるまでやりたがる。
蒼紫はそれを見ると足を水に浸けたまま、腰を掛けるのに丁度いい岩を見つけ、ズボンの後ろポケットに入れていた文庫本を取り出し読み始めた。
40分ぐらい経ってようやく一は電話を終え、腰をあげた。
弟妹を追って川を目指した。
『指定場所以外禁煙』
という看板をじろっと横目に片手をポケットに手を突っ込んで歩く。
武尊と同じくウッドチップの小道でクヌギだらけの森の中を歩いていたが、
「かぶとむしが飛んできそうな所だな。」
と呟くと、そのまま森へ入って行った。
最初は水中の石をひっくり返して裏に昆虫がいないか見ていた武尊だったが、そのうち川底の石を拾っては色や質を確かめたりして遊んでいた。
それもいい加減気が済むまで見たのか、
「蒼紫にい、一にい遅いね。」
と蒼紫に話しかけた。
蒼紫は本から視線を腕時計に移すと、
「そうだな、ここに来てから1時間経つが戻るか?」
と言った。
「ん-、そうだね・・・・、お腹もちょっとすいたから戻ろうか。」
と、二人でテントまで戻るがそこに一の姿はなかった。
「おかしいなぁ、どこに行っちゃったんだろう。」
武尊が一のお土産の人形焼を食べていると武尊の足元に触れたものがあった。
武尊が下を向くと猫の【比古さん】と目があった。
「あ、【比古さん】、何処へ行ってたの?」
武尊は優しく【比古さん】を撫でると、
「【比古さん】もおやつ食べたい?」
と聞きつつバッグから小分けにして持ってきた猫用のおやつを与えた。
「【比古さん】、一にいは久しぶりに家に帰ってきてるんだから引っ掻いたりしちゃだめよ。仲良くしてね。」
と言った。
【比古さん】は一瞬武尊の掌から顔をあげると『ナ-ゴ』と鳴き、おやつを平らげた。
「わかってるんだかわかってないんだか・・。」
クスっと武尊は笑って【比古さん】の喉を撫でた。
蒼紫はまた本の続きを読んでいる。
武尊は寝転がって【比古さん】を持ち上げたり、草のねこじゃらしで遊んでたりしたが、【比古さん】は突然武尊の頭を肉球でぷにゅっと踏むとまた森の方へ行ってしまった。
「あ~、【比古さん】行っちゃった-。飽きちゃったのかな?」
武尊は手の中のねこじゃらしをぽいっと放ると蒼紫を見て、
「あ-あ、私も何か読む物持って来ればよかった。」
と猫のように四足を使って蒼紫に近づき読んでいる背表紙を見た。
【今だからこそ必要!コミュニュケ-ション力】
「・・・・・・。」
「どうした武尊。」
「いえ・・・何でも・・・。蒼紫にい・・・面白い?この本。」
「内容は別に面白いわけではない・・・はっきり言って書いてあることは難解だ。だがそれについて考察するのは数式を解くようで面白いかもしれん。」
「(そ・・そう?)・・・頑張って・・・蒼紫にい。」
武尊は蒼紫にわからないようにため息をつくと、ちょっとだけお昼寝をしようと目を閉じた。
川へ下りるまではチップがたっぷり敷き詰めてある森の小道を通る。
森の木が左右から枝を伸ばし、あたかも森のトンネルみたいで生い茂った葉が日差しを遮ってくれて涼しい。
武尊は木を見上げてそして根元の落ち葉を見ていた。、
「ねぇ蒼紫にい、ここらへんの木って全部クヌギかなぁ・・あっ、どんぐり見-つけ!」
「そうだな、クヌギだな。」
「朝方かぶとむしが採れそうだね、これだけ立派な木がたくさんあると。」
と、武尊が嬉しそうに言った。
「また一人で行くなよ・・・・迷子になるぞ。」
「・・・蒼紫にい、もう子供じゃないんだから大丈夫だよ。」
蒼紫は過去の武尊の『かぶとむし・くわがた』事件を思い出し、苦い記憶を思い出した。
昔は・・・、と思いつつも『大丈夫だよ』と言った武尊の明るい笑顔が蒼紫の心を救った。
そして
「すまなかった。」
と一言武尊に謝った。
「蒼紫にい、もう大丈夫だよ。それは昔の事、今の蒼紫にいは優しいし大好きだよ。」
と武尊はニコッと笑う。
そう、蒼紫は武尊に優しい。
それは単に妹だからというのではなく、この血のつながらない妹を蒼紫は愛しているからだ。
子供じゃないと言いつつ子供のようにはしゃいで歩く妹を蒼紫は少し後ろからついて行く。
ウッドチップの散策経路の一部が川につながっている。
対岸までは5~6mぐらい。
川幅は2、3mぐらいだがそれでも深い所は深緑色で水量も十分だ。
「思ったよりも小さい川だね。」
「だが、河原が所々あるな・・・小さい子供も遊べるようになっているのだろう。」
蒼紫辺りを見回すと幾つかの家族連れの幼子が浅瀬で水に入って涼を取っていた。
武尊も裸足にクロックスなのでそのままじゃぶじゃぶ水に入った。
「冷たいよ、蒼紫にい。」
武尊の誘いを受けてサンダル履きの蒼紫も水に足を入れた。
「気持ちいいな。」
「でしょ。車の所よりもずっと涼しいよ。一にい、帰った時には茹だっているんじゃないのかな。」
アハハと武尊は笑った。
武尊は腰をかがめて水面下に何か面白いものはないか探し始めた。
武尊はこういう事に夢中になると飽きるまでやりたがる。
蒼紫はそれを見ると足を水に浸けたまま、腰を掛けるのに丁度いい岩を見つけ、ズボンの後ろポケットに入れていた文庫本を取り出し読み始めた。
40分ぐらい経ってようやく一は電話を終え、腰をあげた。
弟妹を追って川を目指した。
『指定場所以外禁煙』
という看板をじろっと横目に片手をポケットに手を突っ込んで歩く。
武尊と同じくウッドチップの小道でクヌギだらけの森の中を歩いていたが、
「かぶとむしが飛んできそうな所だな。」
と呟くと、そのまま森へ入って行った。
最初は水中の石をひっくり返して裏に昆虫がいないか見ていた武尊だったが、そのうち川底の石を拾っては色や質を確かめたりして遊んでいた。
それもいい加減気が済むまで見たのか、
「蒼紫にい、一にい遅いね。」
と蒼紫に話しかけた。
蒼紫は本から視線を腕時計に移すと、
「そうだな、ここに来てから1時間経つが戻るか?」
と言った。
「ん-、そうだね・・・・、お腹もちょっとすいたから戻ろうか。」
と、二人でテントまで戻るがそこに一の姿はなかった。
「おかしいなぁ、どこに行っちゃったんだろう。」
武尊が一のお土産の人形焼を食べていると武尊の足元に触れたものがあった。
武尊が下を向くと猫の【比古さん】と目があった。
「あ、【比古さん】、何処へ行ってたの?」
武尊は優しく【比古さん】を撫でると、
「【比古さん】もおやつ食べたい?」
と聞きつつバッグから小分けにして持ってきた猫用のおやつを与えた。
「【比古さん】、一にいは久しぶりに家に帰ってきてるんだから引っ掻いたりしちゃだめよ。仲良くしてね。」
と言った。
【比古さん】は一瞬武尊の掌から顔をあげると『ナ-ゴ』と鳴き、おやつを平らげた。
「わかってるんだかわかってないんだか・・。」
クスっと武尊は笑って【比古さん】の喉を撫でた。
蒼紫はまた本の続きを読んでいる。
武尊は寝転がって【比古さん】を持ち上げたり、草のねこじゃらしで遊んでたりしたが、【比古さん】は突然武尊の頭を肉球でぷにゅっと踏むとまた森の方へ行ってしまった。
「あ~、【比古さん】行っちゃった-。飽きちゃったのかな?」
武尊は手の中のねこじゃらしをぽいっと放ると蒼紫を見て、
「あ-あ、私も何か読む物持って来ればよかった。」
と猫のように四足を使って蒼紫に近づき読んでいる背表紙を見た。
【今だからこそ必要!コミュニュケ-ション力】
「・・・・・・。」
「どうした武尊。」
「いえ・・・何でも・・・。蒼紫にい・・・面白い?この本。」
「内容は別に面白いわけではない・・・はっきり言って書いてあることは難解だ。だがそれについて考察するのは数式を解くようで面白いかもしれん。」
「(そ・・そう?)・・・頑張って・・・蒼紫にい。」
武尊は蒼紫にわからないようにため息をつくと、ちょっとだけお昼寝をしようと目を閉じた。